#22: 「1」から始めるアカペラ作品〜LINE録音のすゝめ〜
こんにちはもりーです。
本日から「1から始めるアカペラ作品」シリーズを書いてみようかと思います。
このシリーズは「アカペラ作品で自分のバンドの良さを皆に知ってもらいたいけどMIXも動画編集も全然わかんない!」という方に向けた記事です。
記念すべきシリーズ1本目の記事はズバリLINE録音についての解説記事です。
機械音痴でもアカペラ初心者でもわかりやすく読めるような内容にしようと思いますので何卒お付き合いください。
そもそもあなたはMIXなんてしなくていい
この時代、作品を作ろうと思ったらレコーディングから動画編集からミキシングまで全部バンドでやらなきゃいけないって思ってしまいがちですよね。
でも大丈夫です。やらなくていいんです。
できないことは外注すればいいんです。
当方でももちろんMIX依頼を受け付けていますし、ココナラなどでも安価に外注を行うことができます。
Twitterでも外注を受け付けているアカペラーがいますので料金面などで不安な場合も一度相談してみることをおすすめします。
いくらMIXや編集は外注するとしても録音くらいは自分たちでできると大きく制作費用を浮かせることができます。
このシリーズではそんな一歩を踏み出したいけど躊躇しているあなたにわかりやすく作品制作のあれこれについて解説します。
LINE録音ってなに?
すごく簡単に説明すると、マイクの音をスピーカーを通さず直接パソコンやUSBメモリに取り込む録音方法です。
それに対して、スピーカーから出力された音をスマホやマイクで拾う形式の録音方法は「マイク録り」「エア録り」などと呼ばれたりします。
例えるなら、好きなTV番組を記録したいと思ったとき、Blu-rayやDVDで録画すれば「ライン録音」、TVの前にビデオカメラを置いて録画すれば「エアー録音」です。
TVに関しては、いまどき後者をわざわざやる人はいないです。
もちろんBlu-rayやDVDに録画した方が綺麗に記録できるからです。
なんでLINE録音をするの?
それではなぜLINE録音をする必要があるかということを説明します。
理由1:綺麗だから
これが一番大きな理由です。エアー録音では部屋の残響やスピーカーから出るノイズが乗ってしまいます。これでは音をパソコンに取り込んで編集しようとしても音質が悪いため編集が困難になります。
理由2:素材としての価値
理由1に繋がりますが、ミキシングなどの音声編集を行う際の素材は綺麗であればあるほど価値があります。
綺麗な素材を手に入れるためにエンジニアたちは血眼になって高い機材や良いマイクを使っているわけです。
綺麗な素材を重ねることで綺麗なMIXになるというのは至極当然な話であるので、スマホでの録音が現実的でないことがわかるかと思います。
この2つの理由が主な理由です。綺麗な録音を徹底することで綺麗な素材を手に入れ、それを適切に処理することで綺麗なMIXになります。
3つのメソッド
LINE録音には大きく分けて3つの方法があります。それぞれメリットやデメリットがありますので紹介します。
メソッド1:2MIXのライン録音
簡単にいうとミキサーのメイン出力をパワーアンプ(パワードスピーカー)に繋げる代わりにLINE録音する機械に繋げて録音する方法です。
この方式のメリットは手軽さです。手軽に比較的高音質な録音を行うことができます。
しかしそのメリットはそのままデメリットになります。
手元に残るものは2MIXしかないため、ピッチ編集やタイミング補正、個別のエフェクト掛けなどが一切できません。また、パート毎の音量バランスなども録音後は一切調整できないため、手軽なだけで後で苦労します。
メソッド2:一発録り(マルチトラック録音)
これがおそらく手軽さと音質のバランスが良いです。マルチトラック録音とはマイク1本ずつのLINE録音を全て同時に行う方法です。
マルチトラック録音はのメリットはやはり1発で録音が済ませられることでしょう。
いつもの練習と同じ感覚で録音することができるため、非常にストレスフリーに録音に臨むことができます。
もちろん手元にはそれぞれのパートの録音が残るため、音声編集ソフトに取り込めば簡単に各パートの音量調整やピッチ調整などを行うことができます。
デメリットとしてはバンドの人数分のプリアンプを搭載したオーディオインターフェースは非常に高価で、なかなか手に入れにくいところです。
また、マイクによってはうっすらと別の人の声が一緒に録音されてしまういわゆる”被り”が起こってしまいます。
音質やMIXの面でも少しクオリティが落ちてしまうことになってしまいます。
メソッド3:別録り(重ね録り)
これが最も高音質で録音を行う方法です。
この手法はパーカスから順番に録音していき、最終的に6つのトラックをパソコンに保存するという感じです。
感覚で言えば版画の重ね塗りに近いかも。
この手法のメリットはやはり何と言っても音質です。
高価なマイクは1本で済む上、オーディオインターフェースもプリアンプが1ch分あれば全てのパートを録音することができます。バンドの人数分のマイクやプリアンプを用意する必要がないのが大きなメリットと言えるでしょう。
また、一発録りの際に発生する”被り”も一切発生しないので、高音質なMIXを実現できるようになります。
デメリットはやはり時間です。各パートが満足いくまで録音しなおすとなると、たった1曲の録音のためだけに合計10時間ほど費やすこともザラにあります。
必要な道具
ここまで読めば令和という「作品でバズる時代」で名を馳せたいならばLINE録音が遅かれ早かれ必要不可欠であるということが理解できたかと思います。
善は急げです。早速始めましょう。必要な道具はあまり多くありません。
PC:ノートパソコンで大丈夫です。Macでももちろん大丈夫です。
DAW:録音だけならStudio One Primeで大丈夫です。無料です。
Macユーザーはロジックが格安なのでそれもオススメ。
マイク:サークルにあるSM58でもいいですし、コンデンサーマイクをリハーサルスタジオで1時間当たり¥100~300 でレンタルすることができるのでそれなら尚良しです。
オーディオインターフェース
(またはMTR機能のあるデジタルミキサー):これは前回の記事「#21: 機材沼アカペラーがガチでオススメするオーディオインターフェース【予算ごと】」を御覧ください。
1万円以下でももちろん買えます。どうしても買いたくない方はこれもリハーサルスタジオでレンタルすることができます。
イヤホン:これは有線で密閉式のものであればなんでもいいです。自分の声やメトロノームを聞くためのものなので音質などは気にしなくても大丈夫です。
まとめ
今回はここまでにします。
具体的な録音の方法はLINE録音の際にどの方法で行うかなどで大きく変わってきますので初回では触れません。
はじめに書いた通り、MIXや動画編集は他人に依頼する前提で録音素材や映像素材だけ自分たちで確保してみる、というのは作品制作を行う上で大きな一歩になります。
どれだけスタジオで練習してiPhoneで動画をとっても経験者が適当に編集したMIXには勝てないことが多いです。それは使用機材的に埋めることができない差でもあります。そのため、今一度自前でLINE録音することにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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ありがとうございました。もりーでした。
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