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【真っ白いキャンパスに、自分のアタマで考えた未来を描く】中澤二朗さん 高知大学アドバイザリーボード

大手鉄鋼業界から“人事”領域へ

日本のモノづくりの屋台骨を支える鉄鋼業界で数十年にわたり人事・労務を担当。激動の時代を一貫して見届け、さらに新日鉄の情報部門が分社化・統合する場面では初代人事部長として新たな会社づくりにも深く関わってきたのが、中澤二朗(なかざわ・じろう)さんです。
現在は、高知大学アドバイザリーボードなどで活躍する一方、人事パーソン育成のために「ジローさんの迫熱教室」を主宰。後進の育成にも尽力しながら、「テニスプレイヤー」を“本業”と楽しむアクティブな姿が印象的です。


想像する力が未来を拓く

中澤さんが語る一貫したメッセージは「自分の頭で考える」ことの大切さ。
入社後、姫路や八幡の製鉄所に勤務したのち、人事畑へ転身。新会社設立に携わる際には、「全員を一度退職させて新会社に転籍する」という前例のない手法にも挑戦しました。そこで要となったのは「まず自分ひとりで、白い紙に構想を描いてみる」ことだったと言います。

「誰よりも先に、一本筋の通った“全体図”を
自分で描く。それがあるからこそ、
周りが“叩く”ことでブラッシュアップできる。」

1人が最初から“全部完璧”に決めるわけではない。
しかし「白紙のキャンパスに、自分で思い切り未来を描いてみる」というプロセスが、斬新なアイデアを形にする鍵なのだと中澤さんは言います。


当たり前を疑い、根っこを探る

“自分の頭で考える”ために中澤さんが強調しているのが「モノゴトのはじまりと終わりを抑える」こと。
例えば、私たちが当然のように受け入れている“会社”という仕組みだって、いつ・どのように始まったのかを知ることで、今の問題の根っこに気づくことがあるといいます。
歴史や背景、仕掛けを知り、「なぜこの仕組みが生まれて、いつ終わるのか」を俯瞰する視点が大切なのだそうです。

「すでにみんな義務教育で得た知識がある。
それを“自分の頭で動員して”、目の前の問題とつなぎ合わせればいい。
重要なのは、インプットだけでなく、
‘自分で考える時間’をしっかり持つこと。」


「希望とは、当たり前を問い直すことで生まれる」

高知大学の「希望創発センター」では、学生や社会人が文理・地域・年齢を超えて混ざり合い、暮らしや自然に触れながら、「本当に大切にしたい生き方や学び」を考え直すプログラムを進行。中澤さんは特任教授として、活動を支えました。
そこに共通するのは「自分の人生を“もう一度”考え直す」という姿勢。それは、中澤さんがキャリアの転機を迎える際に、必ず立ち戻ってきた“ものの見方”でもあります。


中澤二朗さんにとっての“私服(ブリス)”な生き方・働き方

「白い紙に想像を描いているとき、
我を忘れて“自分じゃない自分”が生まれる気がする。
それが、私にとっての至福です。」

テニスに没頭しているときや、熱い議論の場で人と話しているときも、時間が経つのを忘れるほど“自分を忘れている”状態があるといいます。そんな瞬間こそが、一番の幸せなのだとか。


真っ白いキャンパスに未来を描こう

「誰しも毎日が“白紙”です。
1日24時間のなかで、自分の頭で未来を描く時間をぜひ持ってほしい。
手帳でも、大きなノートでもいい。
“想像ノート”を一冊作ってみませんか?」

中澤さんは、人事の制度や組織の在り方を描くときにも、まずは自分の頭で全体像を作り上げることを大切にしてきました。インプットに頼りきるのではなく、学校で学んだ基礎知識と自分の考えを組み合わせ、自分だけの構想を生み出してみる—。
そこから生まれる想像力こそが、「自分が、本当に目指す未来」を描く源になるのかもしれません。
そして、そのイメージを仲間とぶつけ合うことで、初めて“新しい会社”や“新しい生き方”がリアルに形を帯びてくるのです。


「我を忘れるぐらい熱中できる瞬間が、至福(Bliss)。」
中澤さんがそう話す姿は、まるで活き活きとした青年のよう。
皆さんも、まずは“真っ白いキャンパス”を手に取り、
自分だけの未来を描いてみてはいかがでしょうか。

YouTube番組の動画はこちらから!

ぜひ中澤さんの生メッセージをご覧ください!

■登壇者:中澤 二朗

高知大学アドバイザリーボード/元新日鉄ソリューションズ人事部長/前中央大学講師

・略歴
1975年、新日本製鐵㈱(現、日本製鉄㈱)入社。2001年、新日鉄ソリューションズ㈱(現、日鉄ソリューションズ㈱)の発足に伴い初代人事部長。2011年からは高知大学客員教授を兼職、その後特任教授。またエンジニアリング協会HRM研究会委員長、山口大学外部評価委員等も務めるかたわら、日本経済新聞社や労務行政研究所において「ジローさんの迫熱教室」を主宰。現在は高知大学アドバイザリーボード、企業活力研究所委員・社会福祉法人の評議員(+テニスプレーヤー)として活動。著書に『「働くこと」を企業と大人にたずねたい』(東洋経済新報社)、『働く。なぜ?』(講談社現代新書)、『日本人事』(共著、労務行政)がある。

■STUDIO blissとは:

bliss(至福)な生き方はたらき方の実践者に「blissに至る人生観」をインタビューするYouTube番組。多彩な分野の第一線で活躍するゲストたちの、今の姿に至るまでの変容や成長にフォーカスを当て、「働く」にちょっとため息が出てしまう方々へ、​ 自分らしい人生の楽しみ方を探す​、仕事に幸せを見つけるヒントをお届けします。​

■インタビュアー:株式会社bliss 代表取締役 村松陽子

​組織コンサルタント/コーチ​ 株式会社bliss HP​
https://bliss-hr.com