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ゲーム中のリリースポイントの高さの変化 ―2020年の前田健太投手のデータを例に―

 まずは以下のtweetをご覧ください。

 これは、DELTAでアナリストをされている八代久通氏のtweetです。2018-2020MLBで計測された、試合中の累積投球数とストレート(4-Seam Fastball)のリリースポイントの関係を表したものです。

 3つある図の真ん中がリリースポイントの高さの図になります。投球数が増えることでリリースポイントが下がってくることがわかります。

 きれいなデータだなと思うと同時に、上手く使えば投球数から投手の替え時を判断する材料に使えないものかと思いました。

 しかし、こうしたきれいに傾向がわかるデータは、サンプルが多く諸々の誤差が相殺された結果であることが多いです。個人のデータを見た場合、誤差が大きくて扱いにくい可能性も考えられます。

ゲーム中のリリースポイントの変化

 というわけで、今回は個人のデータから試合中のリリースポイントの高さの変化を見てみたいと思います。

 資料の探し方が下手なせいで思うように先人の知見が見つからなかったので、自前でコツコツデータを見ていこうというのが目的です。もし、これを読んで試合中のリリースポイントの変化に関する分析記事などご存じの人がいたら教えていただけると有難いです。

 今回は2020年の前田健太投手のデータを見ていこうと思います。2020年は試合数の少ないシーズンではありましたが、試しにデータを見てみる分にはちょうど良いボリュームだったりします。

前田健太投手のリリースポイント

 それでは、まずは前田健太投手の開幕から4試合分の投球数とリリースポイントの関係を以下の図1-1に示します。

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 4試合に絞ったのは、ご覧のようにデータがごちゃごちゃして判読が難しいためです。リリースポンとの高さが緩やかに下がっているようにも見えますが、1球ごとに上がり下がりがあって判断が難しいです。

 図1-1は試合ごとの投球を線で結んでいますが、これを除いた全試合分の投球数とリリースポイントの関係を以下の図1-2に示します。

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 初級から20球あたりまで低下傾向にあり、その後は横ばい、もしくはごく緩やかに低下しているでしょうか。

球種ごとに集計してみる

 次に、球種ごとにこれまでのリリースポイントの集計を行いたいと思います。全ての球種で同じリリースポイントから投げているような投手は少なく、球種によって差があるためです。

 今回は、ストレート(4-Seam Fastball)、チェンジアップ(Changeup)、スライダー(Slider)の3種のデータを見ていきます。他にも、カーブ、シンカー、カットボールのデータもありましたが、サンプルが少ないので対象に含んでいません。

 まずは、ストレートの試合ごとのデータを以下の図2-1と図2-2に示します。

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 シーズン前後半でデータを分けています。こちらの図では思い切ってプロットを結ぶ線をカットしてみました。図2-1と図2-2を合わせた図を以下の図2-3に示します。

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 こちらでも初級から20~30球あたりまでで低下傾向が確認できます。

 次に、チェンジアップ(Changeup)のデータを図3-1と図3-2に示します。

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 チェンジアップ(Changeup)でも、図3-1と図3-2を合わせたデータを図3-3に示します。

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 ストレートと比べると横ばいの傾向です。

 最後に、スライダー(Slider)のデータを以下の図4-1と図4-2に示します。

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 こちらも、図4-1と図4-2を合わせたデータを図4-3に示します。

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 スライダー(Slider)の傾向ははストレートに近いでしょうか。

まとめ

 今回はとりあえず図を描いてみたというところです。やはり個人の試合ごとのデータになると、誤差が大きいことがわかりました。

 ただ、今のところは前田健太投手1人のデータに過ぎないので、次回からは他の投手のデータも調べていきたいと思います。前田健太投手は先発だったので、リリーフのデータを調べてみようかなと思っています。

タイトル画像:いらすとや

使用データ


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