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Mike Mayers投手のゲーム中のリリースポイントの変化
今回は試合中のリリースポイントの変化のデータを見ていきます。
試合中、投球数が増えるとリリースポイントが低くなっていくのかというテーマからデータを見ていますが、前々回Trevor Bauer投手のデータを使って、試合中のリリースポイントの変化に加え、投球速度や、回転数、コンタクトした際の打球の速度などを見ました。
今回はリリーフ投手のMike Mayers投手の2020年の成績を対象に、同様の分析をやっていきたいと思います。
Mike Mayers投手
Baseball SavantでのMike Mayers投手のページは以下になります。
使用球種は、ストレート(4-Seam Fastball)・カットボール(Cutter)・スライダー(Slider)・カーブ(Curveball)の4種ですが、カーブは全体の2.5%に過ぎないので、これを除いた3球種のデータを見ていくことになります。
また、投球データを登板した1イニング目と2イニング以降に分けることで、回跨ぎの影響も見ていきたいと思います。
投球数とリリースポイントの高さ 球速を添えて
まずは、全投球データを用いて投球数とリリースポイントの高さを集計したものを以下の図1-1に示します。
投球数を横の軸にとり、リリースポイントの高さを縦の軸にとっています。球速(リリース時の球速mile/hour)はプロットの色で表しており、より濃い色ほど球速は速くなります。
このデータを、登板1イニング目と2イニング以降の投球に分解したものを以下の図1-2に示します。
左側の図が1イニング目、右が回を跨いだ2イニング以降の図になります。
データを見ると、2イニング以降のリリースポイントが全体的に低くなっていることがわかります。しかし、このデータは全球種をまとめたもので、これまでの分析から球種によってリリースポイントの高さが変わるケースも見ています。今回も、球種別のデータを見てみましょう。
まずは、ストレート(4-Seam Fastball)のデータを以下の図2-1に示します。
図の見方はこれまでと同じです。こちらでも2イニング以降のリリースポイントが全体的に低くなっていることを確認できます。プロットは色が濃いほど球速が早いわけですが、2つの図でそれほど違いはなさそうです。
続いて、カットボール(Cutter)とスライダー(Slider)のデータを以下の図2-2と図2-3に示します。
こちらはリリースポイントがそこまでは下がっていない印象です。急速にも大きな違いはなさそうです。
回転率(release_spin_rate)を加える
次は、同じ要領で回転率(release_spin_rate)のデータを見てみたいと思います。ストレート(4-Seam Fastball)データを以下の図3-1に示します。
投球数とリリースポイントの関係は図2-1と同じで、プロットが濃いほど回転率が高いことを表します。こちらも2つの図でそれほど違いはなさそうです。
カットボール(Cutter)とスライダー(Slider)のデータを以下の図3-2と図3-3に示します。
グレーのプロットがありますが、これは回転率が凡例の範囲を超えていることを意味します。ごく少数なことから、イレギュラーな投球と判断し、今回は特に考慮はしません。
カットボール(Cutter)とスライダー(Slider)の両方で左右の図に違いはなさそうです。
打球速度(launch_speed)にしてみる
次は打球速度(launch_speed m/h)を追加したいと思います。この場合、打者がコンタクトした打球しかデータが無いので、これまでよりはサンプルが少なくなります。ストレート(4-Seam Fastball)のデータを以下の図4-1に示します。
濃いプロットほど打球速度が速く、守る側から見ればリスクの高い打球を意味します。サンプルが少ないので判断が難しいですが、特に2イニング以降に打球速度の速いプロットが多いとはいえません。
カットボール(Cutter)とスライダー(Slider)のデータを以下の図4-2と図4-3に示します。
こちらもストレート(4-Seam Fastball)と同じような傾向です。
打球の分類を反映
最後に、打球速度ではなく、打球の角度と速度による6つの分類で色分けしてみたいと思います。
・Weak
・Topped
・Under
・Flare/Burner
・Solid Contact
・Barrel
この6つの分類に対応する打球の角度と速度は以下のリンクの図2で紹介しています。
では、ストレート(4-Seam Fastball)のデータを以下の図5-1に示します。
この図では打球の分類ごとにプロットの色を変えています。赤で示したBarrelがHRのリスクが最も高い危険な打球です。
こちらもサンプルが少なくなってしまい判断が難しいですが、特に2イニング以降に打球速度の速いプロットが多いとはいえません。
カットボール(Cutter)とスライダー(Slider)のデータを以下の図5-2と図5-3に示します。
こちらもストレート(4-Seam Fastball)と同じような傾向です。
まとめ
2020年のような短縮シーズンのリリーフ投手のデータでは、少しサンプル数に欠くという印象です。現状としては視覚的な整理方法を模索している段階なので、そのあたりはご了承居たければと思います。
次回は、また別の工夫ができないか試してみようと思います。
タイトル画像:いらすとや
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