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セリエAでの日本人選手の位置づけ 石川祐希 編

 前回の分析ではセリエAのSpikerの成績をまとめました。

 このデータを下敷きにして、今回はタイトルにもあるように石川祐希選手のパフォーマンスの位置づけを測りたいと考えています。こうした分析を蓄積していくことで、選手の簡便なパフォーマンスの評価法が見えてくるのではないかという目論見もあります。

シーズン成績

  最初に確認するのはレギュラーラウンド全体の成績を集計したデータです。石川選手は2014/2015シーズンと、2016/2017シーズン以降2021/2022シーズンまでの記録がありますので、まずはスパイクの打数と決定率のデータを以下の図1-1に示します。

 横の軸に打数を、縦の軸に決定率の値を取っています。黄色のプロットが前回集計した2011/2012 ~ 2021/2022のデータで、赤のプロットが石川選手の各シーズンの成績になります。
 
 続いて、同様の集計を打数と失点率で行ったものを図1-2に示します。

 大体の雰囲気はつかめますが、どれくらい優れているかというのは判断が難しい所でもあります。そこでそれぞれの成績を区分し、各シーズンの成績がどこに当てはまるかまとめたものを以下の表1から表3に示します。

 左側は前回集計した2011/2012 ~ 2021/2022のデータの分布で、右側に各シーズンがどこにあたるか示しています。決定率、失点率ともに最も該当選手の多い区分にハマっており、現状、特別良いわけではないが悪いわけでもないという結果になっています。
 
 これについては、もう少し区分を細かくして集計する必要があります。それは今後の課題ということで。

試合ごとの集計

 ここまでのデータはレギュラーラウンド全体の成績を総合したものでした。もう少し違う視点からということで、次はシーズンごとに出場した試合の成績をプロットしてみたいと思います。2014/2015シーズンの記録を以下の図2に示します。

 左側が決定率(図2-1)、右側が失点率(図2-1)のデータになります。横軸の打数は1セットあたりの本数に換算しています。
 
 2014/2015シーズンは出場機会をそれほど得てはいませんが、出場した試合では決定率が50%以上と高い水準であることを確認できます。
 
 こんな感じで以降のシーズンのデータをまとめたものを以下の図3から図8まで示します。

 当然ですが、毎試合同じ打数に同じ決定率や失点率になるわけではないので、プロットはばらつきます。そして、シーズンによってはこのばらつきの大きいシーズンもあれば小さいシーズンもたくさんあります。これが何を意味するのか?現状明確な答えはありません。

まとめ:わからないことがいっぱい

  以上、石川選手の成績を集計してきました。ざっと概観することはできましたが、しかし、これで石川選手の成績の良し悪しが分かったかというと、まだまだ分からない点がたくさんあります。
 
 例えば、スパイクの打数について、スパイクの打数が少ないというのは出番が少ないというわけで、Spikerにとって良い意味は無さそうですが、それでは打数が増えれば増えるほど良いものなのでしょうか?
 
 他にも、試合ごとの成績のばらつき、この大小にはどのような意味があるのでしょうか?ばらつきが大きいことはパフォーマンスが不安定で悪い成績なのでしょうか?
 
 こんな感じでよくわからないことが噴出してきます。今回の分析はそれが狙いの所もあって、こういう疑問を一つ一つ紐解いていくことで、目的としている選手の評価が見えてくるものです。一朝一夕とはいきませんが、少しずつ検証を積み重ねていくつもりです。
 
 次回は西田選手の予定です。

 今回分析したデータは、以下のリンクより利用可能です。

使ったファイルは以下になります。
・lega_playerlog_a1_2000-2009.csv
・lega_playerlog_a1_2010-2019.csv
・lega_playerlog_a1_2020-2021.csv

タイトル画像:いらすとや

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