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セリエAでの日本人選手の位置づけ 西田有志編

 前回の分析ではセリエAのSpikerのデータの中から石川祐希選手の成績をまとめました。

 このデータでセリエAにおける石川選手の位置づけがはっきりすればよかったのですが、まだまだ分からないところもあり、分析の積み重ねが必要です。
 
 今回は、西田有志選手のデータで同様の集計を行いたいと思います。別の選手のデータを見てくることで、石川選手の何かが見えてくるかもしれませんし、また別の疑問が見えてくるかもしれません。

シーズン成績

  最初に確認するのはレギュラーラウンド全体の成績を集計したデータです。西田選手には2021/2022シーズンの記録があります。この記録を2011/2012 ~ 2021/2022のデーのタ中から見てきます。スパイクの打数と決定率のデータを以下の図1-1に示します。

 横の軸に打数を、縦の軸に決定率の値を取っています。黄色のプロットが前回集計した2011/2012 ~ 2021/2022のデータで、赤のプロットが西田選手の各シーズンの成績になります。
 
 プロットの位置は、打数は多い方で決定率は中央付近といったところです。
 
 続いて、同様の集計を打数と失点率で行ったものを図1-2に示します。

 こちらも決定率と似たような傾向です。

 西田選手もどれくらい優れているかというのは判断が難しいです。それぞれの成績を区分し、各シーズンの成績がどこに当てはまるかまとめたものを以下の表1から表3に示します。

 左側は前回集計した2011/2012 ~ 2021/2022のデータの分布で、右側に各シーズンがどこにあたるか示しています。西田選手も決定率、失点率ともに最も該当選手の多い区分に該当しており、このデータからは、特別良くも悪くもないという結果になっています。ある程度打数のある選手でこの決定率と失点率の該当選手が多い所でどのように評価するかということが問題になりそうです。

試合ごとの集計

  ここまでのデータはレギュラーラウンド全体の成績を総合したものでした。次はシーズンごとに出場した試合ごとの成績をプロットしてみたいと思いますデータを以下の図2に示します。

 左側が決定率(図2-1)、右側が失点率(図2-1)のデータになります。横軸の打数は1セットあたりの本数に換算しています。
 
 1シーズンだけだと比較が難しいのが苦しいところです。日本字選手に限らずもっと選手のデータを増やしていくと今回のデータの意味も見えてくると思います。
 
 図2は試合ごとの記録を平面上にプロットしたものですが、この成績の時系列の変化、つまりは試合の日程ごとの変化を集計してみました。データを以下の図3に示します。

 打数と決定率、失点率の値を試合ごとに示しています。打数は左の軸、決定率と失点率は右の軸を参照しています。横の軸は2021年の10月から2022年の3月までのカレンダーとなっており、試合間の間隔は日数に対応しています。
 
 このデータを見ると、西田選手はイタリア挑戦1年目の最初からある程度の成績を残していたことが分かります。徐々に成績を上げていったというよりは、40%以上の決定率を最初から出しています。

まとめ

  以上、西田選手の集計でした。1シーズン分の記録しかないのが苦しいところですが、ある程度はその特徴を見ることができました。しかし、石川選手のデータでもそうでしたが、まだまだ分からない点は依然としてあり、そこは今後の課題です。
 
 次回は高橋選手の予定です。
 
  今回分析したデータは、以下のリンクより利用可能です。

使ったファイルは以下になります。
・lega_playerlog_a1_2000-2009.csv
・lega_playerlog_a1_2010-2019.csv
・lega_playerlog_a1_2020-2021.csv

タイトル画像:いらすとや


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