セリエAの基礎データ 2000年から2021年までの推移
先日、2000/2001シーズンから2009/2010シーズンまでのセリエAのデータを利用できるようにしました。
例の如く、新しいデータが使えるようになったらまずは基礎データの確認です。今回のデータの追加によって、2000/2001シーズンから2021/2022シーズンまでという、それなりの長期間のデータを扱うことができるようになりましたので、この20年間の各種スタッツのリーグ平均の推移を見たいと思います。
今回の分析に用いたデータは以下のリンクから利用が可能です。上で紹介したリンクには仕様を解説していますので、興味のある人は使ってみてください。
リーグ平均
今回の分析では、2000/2001シーズンから2021/2022シーズンのレギュラーシーズンのデータの揃っている男女1部(A1)を対象に、各種スタッツのリーグの平均の推移を見ていきます。扱うスタッツは以下の5種です。
・スパイク決定率
・サーブミス率
・サービスエース率
・Reception Perfect%
・ブロック得点/Set
これらのスタッツについて、シーズンごとに平均と標準偏差を求め、平均±1標準偏差の範囲を求めました。
以下の図1に例として、男子1部(A1)のスパイク決定率の平均と、そこから±1標準偏差の範囲を示します。
平均値の推移を追いかけることが主目的ですが、データの散らばりを表す標準偏差を添えることで、リーグの特徴を見ていきます。
リーグ平均の推移
それでは、まずは男子1部(A1)のスパイク決定率のリーグ平均の推移を以下の図2-1に示します。
赤の折れ線がリーグ平均を、上下の黄色と水色の範囲が±1標準偏差分の範囲になります。
2000年代と比較すると2010年代のスパイク決定率はわずかに低下しています。
続いて、女子1部のデータを以下の図2-2に示します。
こちらも緩やかな低下傾向にありますが、2015年以降、徐々に上昇傾向も見えます。
次は、サービスエース率のデータを以下の図3-1(男子)と図3-2(女子)に示します。
男子は緩やかな上昇傾向、女子は2015年以降に上昇傾向となっています。
続いて、サーブミス率のデータを以下の図4-1(男子)と図4-2(女子)に示します。
男女ともに緩やかな増加傾向を確認できます。
次は、レセプションのPerfect%、明記はされていませんがレセプションの精度がAパスの割合と見てよいかと思います。データを以下の図5-1(男子)と図5-2(女子)に示します。
女子もそうですが、男子では顕著に低下傾向で、この20年で半減しています。
男子のレセプションに大きな変化があった可能性が考えられますが、一方で、単に測定基準が変わった可能性も考えられます。いずれにせよ、もう少し調べる必要があるスタッツです。
最後にブロック得点のデータを以下の図6-1(男子)と図6-2(女子)に示します。
わずかに低下傾向にあるでしょうか。
まとめ
以上、各種スタッツのリーグ平均の推移を見てきました。20年もあればじわりじわりと変化してきていることを確認できると思います。
こうした変化に気づくこと無く、昔の間隔のまま現在のプレーを捉えていると、たとえ客観的な数値であっても、その意味を間違えてしまうリスクがあるので、こうしたデータは重要なわけです。
今回見たデータは、全体的な推移の形が重要で、細かな数値の値はそれほど重要ではないのですが、グラフの作成に用いたデータを以下の表に示しておきます。
お役に立てば幸いです。
データ元
https://www.legavolleyfemminile.it/
タイトル画像:いらすとや