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ワールドカップ-VNL間の男子日本代表の成績比較

 前回の分析では、2023年の日本女子代表のワールドカップバレー(OQT: Olympic Qualification Tournament)と、同年のネーションズリーグ(VNL)の成績を比較しました。

 今回は、同様の集計を男子日本代表でも行いたいと思います。

OQT-VNLの比較:スパイク

 それでは、まずは例としてスパイク決定率のデータを以下の図1-1に示します。

 左側がワールドカップ(OQT)で、右側がネーションズリーグのスパイク決定率の分布になります。

 データは5セット目の記録を除くセット単位の成績で、●がセットごとのスパイク決定率の値を表しています。背景のピンクの帯は分布の密度を表しており、横に広いほどその近くの成績が多いことを意味します。

 データを見ると、ワールドカップ(OQT)とネーションズリーグ(VNL)でそれほど違いはありませんが、ワールドカップ(OQT)のほうが水色部分の下のほうが少し太いので、決定率の低いセットが多かったといえます。
 
 次に、同様の集計をスパイク効果率で行ったものを以下の図1-2に示します。


 スパイク効果率も図1-1のスパイク決定率と似た傾向で、ワールドカップ(OQT)のほうが水色部分の下のほうが少し太いので、効果率の低いセットが多かったといえます。

OQT-VNLの比較:ブロック

 ブロックについては、得点(図2-1)・Error(図2-2)・タッチ(図2-3)の分布を以下に示します。

 図2-1の得点では、ワールドカップ(OQT)の水色部分で少し上の方が太く、得点の多いセットが多かったといえます。図2-3は同様の傾向で、図2-2はこれと逆の傾向となっています。

OQT-VNLの比較:サーブ

 続いて、サーブの得点率を図3-1に、Error率を図3-2に示します。

 図3-1の得点率はワールドカップ(OQT)のほうが低く、図3-2のError率が高くなっています。

OQT-VNLの比較:レセプション

 レセプションは、成功率を図4-1に、Error率を図4-2に示します。

 図4-1の成功率に大会間で大きな違いはなく、図4-2のError率はワールドカップ(OQT)のほうが0のセットが多いことがわかります。

OQT-VNLの比較:ディグ

 最後に、ディグについてDigsを図5-1に、Errorを図5-2に示します。


 図5-1のDigsでは、ワールドカップ(OQT)の分布は上下に広く、Digsの多いセットもあれば少ないセットもあった、つまりはあたりハズレが大きいスタッツといえます。

 図5-2のErrorでは、ワールドカップ(OQT)のほうが少し低いでしょうか。

まとめ

 以上、男子でもワールドカップ(OQT)とネーションズリーグ(VNL)の成績を比較しました。女子の分析と同じく、今回の分析はそれ自体で何かを主張するというよりは、どこか気になるところが出てこないか全体を概観することが目的です。
 
 ここから気になるデータなどあれば、そこを掘り下げていくヒントにでもなればと思います。
 
 分析に使用しているデータは以下で共有できるようにしていますので、興味のある人は進めてみて下さい。

タイトル画像:いらすとや

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