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続々・HRと球場

 Baseball SavantのLeaderboardには、ホームランのデータから飛球を以下の3種に分類したデータが掲載されています。

・No Doubters: Out at All 30 Stadiums,
・Mostly Gone: Out at 8 to 29 Stadiums,
・Doubters: Out at 7 Stadiums or Fewer

 “No Doubters”はMLB30球団全ての球場でHRとなる打球の意で、文句なしのHRとでも呼ぶことができるでしょうか。“Mostly Gone”は8~29のほとんどの球場でHRとなる打球、最後の“Doubters”は限られた球場でしかHRにならない打球を意味します。

 前回の分析では、これらの性質を分析しました。

 今回も引き続き、この3つのスタッツの性質を分析していきたいと思います。

No Doubters・Mostly Gone・Doubtersの関係性

 前回の分析で、これら3つのスタッツの相関関係は分析しており、相関なしという結果を得ています。

 今回見るのはシーズンを跨いだスタッツの変化です。前回の分析では、前年の値が高いほど翌年は低下する傾向を確認しています。

 それでは、例えば、前年にDoubtersの値が高いと翌年には低下すると考えられますが、その際、残りの2つの値はDoubtersに反して高くなるのだろうか?という可能性を検証してみたいと思います。

 分析は単純で、No Doubters・Mostly Gone・Doubtersの3つのデータのシーズン間の変化(翌年-前年)の値の相関を求めます。分析の結果を以下の図1-1から図1-3に示します。

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 特に相関は認められないという結果です。

 この分析にはHRの少ない打者も含まれていますが、HRが無くてもNo DoubtersとMostly Goneの記録のある打者はいますが、その本数はどうしても少なくなります。こうした打者のシーズン間の変化が小さく、全体的に相関の認められないという結果になっている可能性も考えられます。

 そこで、前年の成績で打席当たりのHR(HR/PA)が5%以上の打者に限定して同様の分析を行いました。結果を以下の図2-1から図2-3に示します。

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 相関係数に多少の変化はありましたが、相関は認められないという結果には変わりありません。

まとめ

 No Doubters・Mostly Gone・Doubtersのシーズンを跨いだ変化が、他のスタッツに影響するということはないという結果でした。

 前回の分析を含め、打者自身にはコントロールが難しいスタッツである特徴を確認できます。ただ、ある程度の強打者以上であることと、普通の打者、HRの少ない打者という違いは考慮すべきで、今回はHR(HR/PA)が5%以上の打者に限定した分析を行いましたが、この辺りもう少し丁寧に分類した分析も必要かと思います。

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