見出し画像

Kyle Hendricks投手の試合中のリリースポイントの変化

 これまで、様々な投手の試合中のリリースポイントの変化を見てきました。投球数が増えることで、リリースポイントが下がってくるかどうかを確認するためです。

 前回はMike Mayers投手のデータを見ました。

 前回までの分析では、投球数とリリースポイントの高さ、これに加え球速といったデータ間の関係を見てきましたが、今回はリリースポイントの高さに加え、水平方向の位置情報も追加し、Kyle Hendricks投手のデータを見たいと思います。

Kyle Hendricks

 Kyle Hendricks投手は右投げの投手で、使用球種は、ストレート(4-Seam Fastball:FF)・シンカー(Sinker:SI)・チェンジアップ(Changeup:CH)・カーブ(Curveball:CU)の4種です。Baseball Savantのページは以下になります。

 例として、Kyle Hendricks投手のリリースポイントと投球数、そして球速(mile/hour)の関係を示します。

 10球ごとのリリースポイントをgifファイルで示しています。縦の軸はリリースポイントの高さを、横の軸は0をプレートの中央に取ったリリースポイントの水平方向の位置を表します。Kyle Hendricks投手は右なので、プロットが左にあるほど、プレートの中央から遠くでリリースしていることを表します。

画像1

 このデータは、全ての球種が混ざったデータですので、球種別に比較したものを以降は見ていきます。

ストレート:4-Seam Fastball – FF

 最初に見るのはストレート(4-Seam Fastball:FF)のデータです。gifファイルの形式は先ほどと同じものを以下に示します。

画像2

 プロットの位置は投球数が増えると、下に下がっていくことを確認できます。リリースポイントの高さと球速の関係は特に関係がある用には見えません。

 次は球速ではなく回転率(release_spin_rate)で、同様の集計をしたものを以下に示します。

画像3

 プロットの位置は球速と同じで、色が回転率に対応していますが、それほど違いは見られません。

 最後に、コンタクトされたケースになりますが、プロットの色を打球速度(Launch Speed mile/hour)で表したものを以下に示します。

画像4

 こちらも打球速度の色にそれほど違いは見られません。

シンカー:Sinker – SI

 次はシンカーで同様の集計を見ていきます。データを以下に示します。

画像5

画像6

画像7

 リリースポイントの高さは投球数が増えるごとに下がってきていることを確認できます。球速に回転率、打球速度との間にはそれほど関係は見られません。

チェンジアップ:Changeup – CH

 続いて、チェンジアップのデータを以下に示します。

画像8

画像9

画像10

 これまでの球種と比べると、チェンジアップは投球数が増えてもリリースポイントにそれほど変化はありません。球速と回転率、打球速度との間には、ここでも関係は見られません。

カーブ:Curveball - CU

 最後に、カーブのデータを示します。

画像11

画像12

画像13

 カーブの投球頻度は、20球までは高くは無くプロットが少なくなっています。リリースポイントが下がっているとはいえないデータです。球速と回転率、打球速度との関係はこれまでと同じく、特別な関係は見られません。

まとめ

 以上、縦横のリリースポイントのデータを見てきました。今回の分析については、球速と回転率、打球速度のグラデーションにちょっと不満がありまして、値の幅を広くとりすぎたのか、プロットの色にそれほど違いがみられません。

 無理やり差異を作り出すことは良いことではありませんが、もう少し球種ごとに値の範囲をもう少し丁寧に確認すれば改善の余地があるのではないかと考えます。これは次回の課題とします。

 タイトル画像:いらすとや

使用データ



いいなと思ったら応援しよう!