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2020年のScott Barlow投手の試合中のリリースポイントとボールの変化量
以前の分析で、2020年のダルビッシュ投手の試合中のリリースポイントとボールの変化量の関係を分析しました。
今回はリリーフ投手を対象に同じように集計してみようということで、タイトルにもあるように、Scott Barlow投手のデータを見ていきたいと思います。
Scott Barlow投手
Scott Barlow投手は1992年生まれの右のリリーフ投手です。
最初に球種ごとのボールの変化量(水平方向(pfx-x)と垂直方向(pfx-z))を確認します。2020年のScott Barlow投手のデータを以下の図1に示します。
持ち球はストレート(FF)に、スライダー(SL)、カーブ(CU)になります。1球だけシンカー(SI)がありますが、これはストレート(FF)がイレギュラーに判定されたものとして、今回は分析からは除きます。
縦の軸が垂直方向(pfx-z)なのですが、この軸の0はボールに回転が無かったと仮定した場合のボールの位置を表します。値がプラスなのはこの位置よりも高い位置であることを意味しており、ボールがホップしているわけではありません。
これら3球種ごとに、投球数とリリースポイントの位置とボールの変化量を見ていきたいと思います。
ストレート(FF:4-Seam Fastball)
まずは、図1からストレートの変化量をピックアップしたものを以下の図2に示します。
このボールの変化量を、リリースポイントを表す図の中に組み込んだものを以下に示します。
この図は10球ずつのGifファイルになっており、投球数が増えていくごとにリリースポイントの位置と、それに伴うボールの変化量を見ることができます。左側の図が水平方向(pfx-x)の変化を、右側の図が垂直方向(pfx-z)の変化を表します。
縦の軸がリリースポイントの高さを表します。横の軸は、プレート中央からの位置を表し、ダルビッシュ投手は右投手なのでマイナスが大きいほど、プレートの中央から遠い位置でリリースしていることを意味します。図中の破線は、縦横のリリースポイントの平均値を表しています。
データを見ると、左の水平方向(pfx-x)の図では、リリースポイントが破線の左下つまり、平均よりもプレートの中央から外側、高さは低くなると青いプロットが多く、右上では赤いプロットが多くなります。
図2より青いプロットになるほどシュート方向への変化が大きいことを意味し、これがリリースポイントによって変わってくることがわかります。投球数が増えてもこの関係はそれほど変化有りません。
次に、右の垂直方向(pfx-z)の図では、リリースポイントが高いほど赤いプロットが大きいことがわかります。投球数が増えると、リリースポイントが低い場合青いプロットが目立ってきます。
スライダー(SL:Slider)
スライダーの変化量を以下の図3に示します。
このボールの変化量を、リリースポイントの図に組み込んだものを以下に示します。
スライダーでは、リリースポイントが左下になるほど、水平方向(pfx-x)は青く、垂直方向(pfx-z)は赤いプロットが多いことがわかります。水平方向(pfx-x)と垂直方向(pfx-z)への変化が共に小さいことを意味します。
投球数が増えることの変化はそれほど顕著ではありません。
カーブ(CU: Curvebal)
最後にカーブの変化量を以下の図4に示します。
このボールの変化量を、リリースポイントの図に組み込んだものを以下に示します。
カーブのリリースポイントは全体的に高いのが特徴ですが、投球数が増えると水平方向(pfx-x)の値が大きくなり0に近づきます。リリースポイントの位置がプレート中央に寄ることを意味します。
これによって垂直方向(pfx-z)の変化に青いプロットが少々増える印象で、垂直方向(pfx-z)への変化が大きくなる効果があります。
まとめ
ダルビッシュ投手より球種が少なく、リリーフ投手なので投球数も少なく集計が楽でした。今回のデータからはそれほど投球数の影響は見られたともいえませんが、試合中の投手のパフォーマンスの変化を追いかけていく方法としては良いのではないかと思います。
改善点としては、10球ごとに区分したデータを、投球イニングごとに変える方法なども良いかと思います。