Trevor Bauer投手のゲーム中のリリースポイントの変化
今回は試合中のリリースポイントの変化を見ていきたいと思います。
投球数が増えることで、リリースポイントの位置が低くなってくるという傾向があるのですが、それが個々の投手でどれくらい確認できるかを調べています。
いろいろ分析してきましたが、以下の図のように投球数を横の軸にとって、リリースポイントの高さを縦の軸にとり、高さの変化を視覚的に見ています。
これは、Phillips Valdez投手のデータを集計したものですが、今回はタイトルにもあるように、Trevor Bauer投手を対象に、上に挙げた図に1つ属性を追加する方法で集計してみようと思います。
Trevor Bauer投手
Trevor Bauer投手のデータは以下のリンクから見ることができます。
持ち球は、Baseball Savantでは4シーム(4-Seam Fastball)、カットボール(Cutter)、スライダー(Slider)、カーブ(Curveball)となっていますが、Statcastではカーブのところが、ナックルカーブ(Knuckle Curve)で記録されています。
これは測定機材のアルゴリズムによってナックルカーブ(Knuckle Curve)と判定されたもので、シーズンによってはこの判定が変わる場合もあるので、それほど気にする必要はないと思います。
球速情報の追加
というわけで、2020年のTrevor Bauer投手の投球数とリリースポイントの高さ(feet)のデータに、球速の情報を加えた図を以下の図1-1に示します。
投球数を横の軸にとり、リリースポイントの高さを縦の軸にとっているとことまでは共通で、球速(リリース時の球速mile/hour)をプロットの色で表しています。
球速の遅い、色の薄いプロットが全体的に散らばっていますが、これは球種の違いと考えられますので、4シーム(4-Seam Fastball)、カットボール(Cutter)、スライダー(Slider)、ナックルカーブ(Knuckle Curve)でそれぞれ集計したものを以下の図1-2から図1-5に示します。
リリースポイントが低くなることで何か変化があるかというと、特に確認できるようなものはありません。
回転率を加える
同じ要領で、今度は球速ではなく回転率(release_spin_rate)のデータを見てみたいと思います。データを以下の図2-1に示します。
球速と同じように球種別のデータを以下の図2-2から図2-5に示します。
回転率にあまり違いの無い図ですが、回転率(release_spin_rate)のグラデーションの幅が広すぎるのかもしれません。
打球速度にしてみる
他にもいろいろとやってみましょう。次は打球速度を追加したいと思います。この場合、打者がコンタクトした打球しかデータが無いので、これまでよりはサンプルが少なくなります。データを以下の図3-1に示します。
打球速度が速いほど、投手から見ればより強い打球を打たれたことになりますが、これまでと同じく、球種別のデータを見る必要があります。以下の図3-2から図3-5に球種別のデータを示します。
スライダーとカーブは右に行くほど濃いプロットが多く見えます。これは投球数が増えてきた影響でしょうか。リリースポイントとの関係は特には見られません。
打球の分類を反映
最後に、打球速度ではなく、打球の角度と速度による6つの分類で色分けしてみたいと思います。この6つの分類は以下のリンクの図2で紹介していますが、打球を角度と速度方以下の6種に分類したものです。
・Weak
・Topped
・Under
・Flare/Burner
・Solid Contact
・Barrel
それでは、全体のデータを以下の図4-1に示します。
球種別のデータを以下の図4-2から図4-5に示します。
こちらもリリースポイントの高さとの関係は特になさそうです。
まとめ
以上、投球数とリリースポイントの高さの変化に、一味加えてみる試みでした。特別影響のある属性は見つかりませんでしたが、属性を変えていけば他にもいろいろとできることがあるのと、この2020年のデータをベースに、2021年の成績を比較するような際には役立つかと思います。
次回は、リリーフ投手のデータでやってみようかと思います。投手のリクエストなどあればどうぞ。
タイトル画像:いらすとや
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