見出し画像

Angry BirdsやSLUSHを生み出したPeter Vesterbacka氏が語る、スタートアップイベントにおける学生の役割

こんにちは!ITAMAE事務局です!
今回は、3/19(火)にTokyo Innovation Baseにて、ITAMAEメンバーを対象に行われたPeter Vesterbacka氏の講演会の様子をご紹介します!


Who is Mr.Peter ?

本編の紹介に入る前に、まずは講演の中でお話しいただいたPeter Vesterbacka氏の経歴を紹介します!

Peter Vesterbacka氏とモバイルゲームAngry Birdsのキャラクター

経歴

フィンランド・ポリ生まれ。オーボ・アカデミー大学卒業後、ヒューレット・パッカード(HP)勤務にてキャリアをスタート。その後、Rovio Entertainment Corporation (旧Rovio Mobile)を創業し、同社にてAngry Birdsリリースに携わる。北欧最大級のスタートアップイベントSLUSHの設立メンバーでもあるPeter氏は、若者のマインドセットを変えることを目的に様々な活動をしている。

Angry Birdsとは-Angry Birds誕生までの経緯-

Peter氏は、テック系企業であるヒューレット・パッカード(HP)にて、キャリアをスタートしました。そんなPeter氏に転機が訪れたのは、2003年、所属しているHPがスマートフォン用のゲームコンテストを開催した時のことでした。

そのコンテストで優勝した2人の大学生が、次の進路に迷っていたため、Peter氏が「ゲームを作るのが好きなら、ゲームの企業を立ち上げたらいいと思う」とアドバイスをし、彼らはRovioという会社を立ち上げる運びとなりました。このRovioで、多くの方々がご存知であろう大ヒットゲームAngry Birdsを開発することになるのです。

Rovioにて、創業時からゲーム開発に携わっていたPeter氏ですが、実はRovioがAngry Birdsという大ヒットゲームを生み出すまでには6年かかったそうです。はじめの6年間で51個のゲームを作りましたが、それらは全てヒットしませんでした。その後Angry Birdsは52番目のゲームとしてリリースされましたが、それもリリースしてすぐの段階では100万ダウンロード程度と、小さな成功にとどまりました。

ここで、Peter氏はRovioのメンバーに、「1億ダウンロードを目指そう」と声をかけました。はじめはメンバーを含めた周囲の人々に「不可能だ」と言われたそうですが、結果としてリリースして15ヶ月で1億ダウンロードを達成しました。今ではAngry Birdsは、中国人の93%、インド人の91%が知っている大ヒットゲームとなっています。

SLUSHとは-SLUSH立ち上げの経緯-

SLUSHとは、フィンランドの首都ヘルシンキで開催されている、
北欧最大級のグローバルスタートアップイベントです。
本イベントのユニークな点としては、世界で初めて、学生・若者主体で全ての運営が行われているところにあります。
詳細はこちら:https://slush.org/

この運営体制になった背景には、Peter氏の若者に対する熱意があります。
Peter氏は、2007年にフィンランドの大学生にアントレプレナーシップ・スタートアップの講演を行い、600人の学生に対し「卒業後に起業ないしはスタートアップにジョインしたいと考えているの人はいますか?」と問いかけたそうです。そのうち「したい」と答えたのは600人のうちのたったの3人で、残りの人は皆大企業や政府への就職を望んでいました。

「このまま多くの若者が大企業の就職を望んでいれば、新しい会社は出来ず、イノベーションは生まれない」
そう考えたPeter氏は、若者のマインドセットを変えるためにSLUSHを立ち上げました。これまでも、シリコンバレーなどで多くのスタートアップイベントが開催されてきましたが、若者が運営を行うスタートアップイベントは世界で初めてでした。開催当初の2008年には300人が集まる規模のイベントであったが、2023年は12万人の来場者、60か国から来た1600人のボランティアが集まるイベントとなり、ヘルシンキでのスタートアップエコシステム構築の大きな助けとなっています。

Peter氏からのメッセージ

1.「サクセスストーリーは1日では起こらず、失敗を繰り返して初めて成功の道が開ける」

RovioがAngry Birdsという大ヒットゲームを作るまでには、創業してから6年という月日がかかり、それまでに作られた51個のゲームは、「大ヒットコンテンツを作る」という目的においては失敗に終わりました。

Peter氏自身も、
「何度も失敗を繰り返したからこそ、成功することができた。私たち(Rovio)のサクセスストーリーは私たちが費やした多くの時間のうちのほんの一瞬でしかない」
と話されていました。また、トライアンドエラーを繰り返しながらも、6年間も成功するまで続けることができた理由は、
「(ゲームを作ることが)大好きなことだったから」
だそうです。
失敗し続けても成功するまでやり続ける。そういったマインドが起業家精神を醸成する上で欠かせないのだと教えてくださいました。

2.「不可能なんてない」

Peter氏は講演の中で、
「人々が不可能だと思うことは、まだ誰もその実現方法を知らないだけだ」
と話されていました。
例えば、水の上を歩くことは、歩き方を知らなければ「不可能だ」と思います。しかし、フィンランドの人々は、冬になれば湖などの水は全て凍っているため、簡単に水の上を歩くことができると知っています。
この例と同様に、人々が「不可能だ」と思うことは、まだその人々がそれ自体のやり方・実現方法を知らないと言うだけで、やり方さえわかれば可能にできるはずです。また、そんな風に誰もが「不可能だ」と思うことに挑戦して、成し遂げることは、まだ誰も知らないそれ自身の実現方法をあなたが見つけたと言うことで大変意味のあることです。Peter氏自身も、「不可能だ」と言われたAngry Birdsの1億ダウンロードを実現することで、その実現方法を発見し、不可能を可能にしたのです。

ITAMAEが学んだこと


学生主体で運営を行うSLUSHの創業者であるPeter氏の講演会は、SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Programの学生主導のセッション・サイドイベント・パビリオンに向けて準備を進める私たちITAMAEにとって、とても意義のあるものでした。
改めて、学生主導のスタートアップイベントがスタートアップエコシステム構築に寄与する役割の大きさに気付かされました。さらに、これまでのキャリアで多くの挑戦をされてきたPeter氏の言葉・メッセージは、本イベントでは前例がなく初めての試みとなる学生イベント企画と言う未知の挑戦を行う私たちの背中を押してくれるものとなりました。

おわりに

本記事を通じて、Peter氏についての理解が深まり、ITAMAEのSusHi Tech Tokyo 2024にかける想いが伝わっておりましたら幸いです。来る5/15(水)、5/16(木)のSusHi Tech Tokyo 2024にて皆様とお会いできますことをITAMAE一同、心より楽しみにしております!

SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program概要

SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Programとは、
アジア最大級のグローバルイノベーションカンファレンスです。
きっとあなたのキャリア観が大きく変わります。
ぜひご参加ください!!
開催日:2024年5月15日(水)・5月16日(木)
開催場所:東京ビッグサイト 西展示棟1/2ホール(東京都江東区有明3-11-1)
HP:https://sushitech-startup.metro.tokyo.lg.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?