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地震、雷、火事、重役(後日談)
さて、前回の記事は、日本から電話がかかってきて、重役からボロクソに怒られた話でした。
前回の記事はこちらから
↓ ↓ ↓
「地震、雷、火事、重役」
https://note.com/stssiye/n/n99676abbee2e
それにしても、あの怒り方は尋常ではなかった・・・。なぜ重役はあんなにも怒っていたのか? その理由を私は後で知りました。
私がインドネシアでゴルフコンペに参加していたとき、実は、同じ時間に日本で、重役もゴルフをしていたのです。しかも我社の社長と一緒にプレーをしていました。
社長はプレー中に、インドネシアの地震速報をキャッチしました。そこですかさず重役へ安否確認の電話を入れるように指示したのです。
ところが、遠く離れた地で、携帯電話をロッカーに入れてゴルフに興じていた私。電話はつながるはずがありません。
おそらく、日本のゴルフ場では、プレー中、このような会話がなされていたと想像ができます。
社長「インドネシアで大きな地震があったぞ。すぐに望月へ電話をしろ!」
重役「はい!承知しました」
社長「どうだ? つながったか?」
重役「それが・・・、コール音は鳴っているのですが、全く出ないんです」
社長「何だと! 地震に巻き込まれたんじゃないのか!? つながるまで電話しろ!」
重役「はい!かしこまりました!」
しかし重役が何回電話をしても、コール音が鳴り響くだけ。ショットを打つたびに電話をするため、プレーに集中できません。必然的にスコアも崩れてしまいます。(あくまで私の想像です)
これでは、ゴルフをやりに来たのか、電話をしにきたのか、わかりません。社長からの命令と私の無言のメッセージに板挟みとなった重役。その心情は、察するに余りあるものがございます。
安否確認の指示を出すものの、確認が取れずイライラがつのる社長。
プレー中、何回電話してもつながらず、ゴルフどころではない重役。
わずらわしい携帯電話から開放されて、のほほんとゴルフをする私。
日本とインドネシア、5600kmの距離を隔てて、この緊張感の差。
ゴルフが終わり、やっと私と電話が通じたとき、重役は何を感じたでしょうか?
重役が受けていたプレッシャーなど露知らず、「へっ? 地震? こっちでですか?」とまぬけに答える私。
ハラワタが煮えくり返るほどの怒りが頂点に達したことは、容易に想像がつきます。
人には人それぞれの立場があるということを、私は知りました。
君の立場になれば、君が正しい。僕の立場になれば、僕が正しい。
ボブ・ディラン