【雑談】タイヤのグリップ力
テニスと関係なさそうな話をします。
タイヤのトラクションって、ゴムが路面に引っ付くことで生み出されるものと、荒っぽいパターンが路面の凹凸に引っ掛かることで成立するものとがあるんです。
レーシングカーとかだと溝無しのツルツル幅広タイヤで走ってるでしょ。かと思えば、オフロード車だと凸凹パターンのタイヤを履いてるんです。どちらもグリップ力を求めた結果なのが面白いところです。 使ってる仕組みが違うんですね。
ツルツルタイヤなら摩擦力を求めますからネットリとした柔らかいゴム質が要求されます。路面に貼り付く性能を求めて接地面積を増やそうとしているのでしょうね。その辺のノウハウが蓄積されているのは卓球のラバー業界です。ゴム質・ゴム厚など、プレースタイルに合わせて、選ぶことになります。
オフロードタイヤだと柔らかい路面に食い込んだ方が良いから硬いゴム質が必要です。食い込んでから変形してしまうとロスになるのでよろしくありません。このタイプの最も極端な例が農業用動力車です。トラクターなんかに装着されているタイヤを想像してみてください。
ただオフロードでも泥と砂と岩では求めるものが変わってくるので難しいものなんです。 より食い込ませたいなら、接地圧を高めたいので幅細にします。岩が相手なら包み込みたいので、幅広かつ低圧をチョイスします。この時は変形した際の接触面積を稼ぎたいので、荒いパターンより細かいパターンを好む場合もあります。また、柔らかい泥濘が相手なら沈まないように幅広をチョイスします。
オフロードの経験があるとタイヤ選びの考え方が深まります。 チカラの伝達の仕組みを知ることは大切と言う話でした。
テニスシューズの場合、対象となるサーフェスはハードコートとオムニコートがほとんどでしょうか。たまにカーペットがあったり、天然芝があったりするかもしれません。
ハードコートでグリップを得ようと思うなら、柔らかいゴム質で接触面積を多くするのがお得ですが、そうなると消しゴムのようなソールになってしまいます。ちょっと走ってブレーキをかけたら、すり減ってしまいそうですね。大抵の場合は、摩擦に強くしがちです。
オムニコートでグリップを得ようと思うなら、陸上競技のようなピン型スパイクをつけるのが一番です。ピンの長さは人工芝の深さに合わせたものが良いですね。しかし、そんなのを履いたらコートがすぐにボロボロになってしまいます。冬場のスパイクタイヤが禁止されたのと同じ理由です。
テニスの場合、極端なハイグリップが望めないのがわかっていただけたでしょうか。そうなると「止まる技術」が必要となるし、グリップ頼みで蹴る動き方が使えないのも自明です。さあ皆さん、技術で止まったり、移動したりしようではありませんか。
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