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口福レストラン
東京は新宿から電車で50分強。国立(くにたち)に、台形というレストランがある。
ホームページには、
"『台形』は、 台形のかたちをした小さな飲食店です。"
という自己紹介。
SNSで存在を知った私は、まずその料理の見た目から惚れ込んだのだった。
そして先日、2度目となる台形でのディナーをいただいてきた。
初めて行ったときは夏だったので、それから半年くらいした時、またあの料理が恋しくなって、冬の台形に行ってみたくなったのだ。
これは初めて行ったときのツイート。
旬のお野菜と果物がいーっぱい使われてて本当に美味しかった。食べたことがない組み合わせばかりで新しい世界との出会いを経験した…。ごちそうさまでした😌 pic.twitter.com/TGIQujBQWX
— サトリマス (@satori_desu_) July 6, 2020
期待どおり、今回もこれ以上にないほどの満たされた(お腹と)気持ちで帰路につくことになった。
素材の名前しか書かれていないコースのお品書きを眺めながら、次々と出てくる宝石のようなお料理を楽しむ。
今回は、3品目のエビのグラタンが本当に衝撃的な美味しさだった。
エビの殻を粉砕して南瓜やスパイスと合わせたソースを、殻のないエビの上にもう一度(?)かけて、少量のチーズとともにこんがり焼かれているものだ。
今までの人生で味わった中で最上のエビ料理・・・。
言葉で表すのには私の筆がおいつかないが、本当に素晴らしかった。
一滴も残したくなかった。
ちなみにこれを食べながら私がつぶやいた感想は、
「エビのアレルギーがなくて本当に良かった。」
だった(笑)。
台形は、私が東京でいちばん好きなレストランだ。
それはもちろん出てくるお料理が大好きというのもあるけれど、それ以外の部分も大きい。
お店のおふたりのお料理への愛と、来た人をもてなそうという愛。
こじんまりとした店内で過ごしていると、それを全身で感じるのだ。
どこかのおうちに"お呼ばれしている"ような錯覚を起こす。
実際には自分が行きたくて行っているのに。
だからここは特別なんだ、と今回わかった気がした。
今回行ったのは、なにか特別な日でもなんでもないふつうの日曜日だった。
むしろ、自粛生活を強いられている上に雨が降っているさえない日曜だ。
それが、特別な日になった。
実は家から1時間半もかかるのだけど、それすらもウキウキする時間に変わる。
ここは、何かを祝うために行くレストランじゃなくて、ここに行くことが祝いになってしまう、かけがえのない場所だと思う。
今回もしあわせをありがとうございました。
ご馳走さまでした。また行きます。