ライゾマティクス_マルティプレックス
ライゾマティクス_マルティプレックス
2021.3.20-6.22
@東京都現代美術館 企画展示室 地下2F(東京都江東区三好4-1-1)
入場料:1500円
★★☆☆☆
ライゾマティクス設立15周年かつ、美術館における初の大規模個展。
Rhizomatiks x ELEVENPLAY "multiplex" 2021
写真では分かりづらいが、手前の少し小さなスペースにELEVENPLAYの実際のパフォーマンス映像が流れており、その奥の展示室で実際に舞台装置だけが動きながら展示されている。(次の写真)
ダンサーが乗ったりしながら一緒にうごく白い箱と、それを追いかけるカメラ。すべてが縦横無尽に動き、もちろんカメラワークまで完全にコントロールされている。
実際の大きさということで、なかなかの大きな箱とスピード感が間近で体験できて迫力があった。
次の展示室はR&D(リサーチ&ディベロップメント)。様々なプロジェクトのプロセスなどが映像で紹介されていた。そこから見える中庭にはうごくロボが。
次はモニター内の作品のみ撮影不可だった。
国内外で展開された多様なコラボレーションやクライアントワークなどの展示。ひとつひとつの映像は面白かったが、ほぼ座らずにたどり着いた部屋で大量の映像を見る体力がなくなってしまった(ひ弱)。
Perfumeとのプロジェクトは、昨年パルコミュージアムで見た展示でも見覚えのあるものがあった。(→記事はこちら)
次の展示室の大型作品「particles 2021」は圧巻だった。
始まるまではタイマーがカウントされていて、0になると暗転。
巨大な立体のワイヤーレールを、光る玉が転がって下へ向かっていく。
実際には玉が発光しているのではなく、転がる白い玉をトラッキングするレーザー光線があってそのように見えているのだ。
はじめは何が起こっているのかわからないけど、じっと見ているとそれがわかってきて面白かった。レーザー照射はトラッキングしつつ、すべてが連動して明滅したりする。
実は最初に表示されていた、上演までのタイマーもこの複数のレーザー照射によって浮かび上がっていたことが分かる。
最後の部屋は「Epilogue」。
本展覧会で使われているシステムやデータなど、普段は目にしない部分が映像化されていた。
以上、ほぼ撮影可能な展示室でありがたかったが、とにかく映像作品が多く疲れてしまった。
映像作品は見るのに時間がかかるしいつ終わるか分からないし、多少の時間をかけないと自分が興味のある作品なのかどうかもわからないから苦手だ。座ることもできないし、みんなが立っている隙間から見つつ、自分が誰かの邪魔になっていないかが気になる。
小さなディスプレイがたくさん並ぶ展示室に入ると、またか・・・となってしまうし、大きな展示室を使い大人数の鑑賞者で見られる作品では、映像が1周するとみんながどっと移動してその次の展示室が激混みになるサイクルが繰り返されてしまっていた。
鑑賞者の動きをトラッキングしたりはするのに、このシステムはどうにかしないんかい・・・と心のなかでツッコミながら、全部の映像を見る元気は無く、いくつも通り過ぎてしまった。
作品をただ並べるだけではなくて、展覧会として「おぉっ、新しい」と思うような鑑賞体験を期待していた自分がいた。大きな作品以外のアーカイブ映像的なものは、正直、自宅でPCで見る方が快適だっただろう。
また、この展覧会のチケットは基本事前予約制で、普通のチケットと「デバイス付きチケット」というのが販売されていた。値段はデバイス付きでも同じだったので、なんかよく分からないけどじゃぁ・・・とよく分からずデバイス付きを選択すると、早々に売り切れていた。
結局、そのデバイスがどういう働きをするものなのかが分からなかった。あとから調べてみても、使用した人も「この記録が後日アート作品になるらしい」「実験の一貫らしい」などと曖昧な認識。
チケット販売ページには「実験デバイスは、お客様の展示室内の位置や動きのスピードのデータを、個人が特定できない形で取得します。展示鑑賞中のデータは、個人が判別できない形で作品に反映され、作品の一部になります。」と書かれているが、これも曖昧な感じだ。どの作品に反映され、いつどこで見られるのか?(さらによくよく調べてみると、こちらのオンライン展覧会場に反映されているらしい。が、それもよく分からなかった・・・。 https://mot.rhizomatiks.com/)
もう少し展覧会として鑑賞方法が配慮・工夫されていたら快適だったなぁ・・・と思わずにはいられなかった。
展覧会URL