自分の言葉でBL本を語れる腐女子になりたい(読書感想文)

やぁやぁやぁやぁ、ハツョだョ!🦷
今回読むのは、市梨きみ先生の『心中するまで、待っててね。』という漫画です!BLです!!!BL大好き!!!!!しかもタイトルからして不穏だ!やっほう!!

ハツョは割と本が好きな方ですが、悲しいかな読んだ本の内容をすぐに忘れるタイプなので、今後は備忘録&布教のために読むたびに感想文を書いていこうと思います。説明力(布教力?)身に付くといいな。

完全にネタバラシはしませんが、備忘録という性質上、結構ネタバレ注意です!!!


感想(上巻)

表紙を見てまず可愛い!!
上下巻を横に並べてみて、思わずニッコリしてしまいました。素直にキャラデザが好みだな……。(葵兄ちゃんの眼鏡に八重歯可愛すぎるよ〜!)

主人公の福太くんは22歳(たぶん)、180センチ台後半の、でかくて可愛い男の子。アタシこんな感じのデカかわボーイ超好き。

そんな彼には好きな人がいました。いじめられっ子だった福太を見守り、可愛がってくれた葵兄ちゃんです。

ある日、葵兄ちゃんが、「なぜか、幼い頃の姿のまま」福太の前に現れます。そのうえ、一切詮索せず、ただ匿えと言うのです。この時点でミステリーが始まっていますね。

不可解な要素は他にもたくさんあります。
序盤の方から、福太の玄関の扉には「出ていけ」などとの落書きがされています。優しく穏やかな人柄の福太が、なぜそんな仕打ちを受けるのでしょう?

他にも、福太が近所のおばあちゃんのゴミの片付けを手伝った後に、突然、葵兄ちゃんが「汚い!臭い!ばっちい!さっさと風呂入ってこい!」とブチギレて水をぶっかけるシーン。これも謎です。

葵兄ちゃんの、「僕はもう、夢なんか見ないよ」というセリフ……。

あと、同じアパートのおじいさんが、なぜか福太の鍵の置き場所を知っている。

そして明くる日、福太が家に帰ると、今度はドアの内側に血のようなもので落書きがされているのです……。

そのシーンの後から、福太が葵兄ちゃんを守ろうとどんどん必死になっていく姿がいじらしく、狂気的で、かわいいです。このときの、精神的に追い詰められた死んだような目をした顔は、ふわふわ笑顔とのギャップが効いていてなんとも魅力的です。

福太は葵兄ちゃんを連れて引っ越すことを決意しますが、葵兄ちゃんは「一緒に行けない」と言います。そこで初めて涙を見せた葵兄ちゃんを抱きしめ、「小さな子供みたいだ」と思う福太。なにしろ、年齢は福太より6歳も年上のはずなのに、体は小さいままなのです。このアンバランスさが何ともいえない。性癖にクる。普段は大人の態度をとってるだけあって、こんなに弱々しいと本当に子供にしか見えません。

そうでなくても、昔は泣いていた自分を抱きしめてくれた相手が、今は腕の中で泣いている。まるで立場が逆転してしまっている。ここで福太は「今度は俺が守ってあげなきゃ」と強く思ったんだろうなと考えると胸がキュッとしますねぇ〜。

子供扱いされたくない葵兄ちゃんもまた可愛い。どこぞの名探偵みたいな「見た目は子供、頭脳は大人」なキャラにしか出せない“良さ”ってあると思うの。

実際に読んでゾクゾク感を味わっていただきたいので詳細は伏せますが、いちゃいちゃ可愛いシーンと、不穏なシーンのバランスが癖になりますねこれは!ほのぼのしてたかと思ったら急に……ね……。

さあ、福太と葵兄ちゃんの幸せな生活は続くのでしょうか……?(下巻へ続く)

感想(下巻)

「ばかみたいに幸福だったんだ ひどく脆い八畳一間のこの世界の中で」
皆さん聞いて下さいよ!「世界の中」と書いて「ディストピア」と読むんですよ!?不穏。

こんなにも不穏なのに、いや、不穏だからこそ、二人の関係性はどんどん甘々になっていって、見てはいけないものを見ないために、蓋をするために、お互いの視界にはお互いの姿しか入れないようにしているのでしょう。

二人だけの世界はどんどん加速していきます。

見つめ合い、笑い合い、抱き合い……。
いつものように触れ合っていた二人ですが、福太はなぜか泣き出して「葵兄ちゃん、どこにも行かないで、ずっとそばにいて」と繰り返します。このシーン、あまりにも可哀想で可愛すぎるよ!!!!

そうして、福太は「葵兄ちゃん以外いらない」と考え、引きこもるように……。葵兄ちゃんは福太を外に連れ出しますが……。

駄目だもう、ここから先は……。
書けない……つらすぎる

救いは……救いはないのか……!?!、

救いは!?おい……?!どこなんだ!?

救いは……福太は、最後は幸せになれた、のか……?

そうだとしても、葵は……葵兄ちゃんは……。

うおおおおおおおおん………
読んだことを後悔するよこれは……(※褒め言葉)

なんなんだよ!
なんなんだよ!!!!!、
なんなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?!地団駄地団駄

うわああああああああああ……

うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!

ああああああああ!?!?!?

この野郎っこの野郎っ!!

作者は!?何がしたかったんだよ!!!!
俺を、こんな気持ちにさせたかったのかよ!?!?

つらい、つらいよ……

美少年同士の悲恋映画『Summer of 85』とおじいちゃん同士の悲恋映画『スーパーノヴァ』を同じ日に観たことがあるけどその日くらい落ち込んでるよ!?!?!?!?!

今日もう寝れない……。
むり、つら、むり、つら、むり、つら……
はあああん(滝涙)

総評

ウッキウキで読み始めてたけど、無事病みました。当初の目標も達成できず。気持ちの整理がついたらまた感想の内容は更新するかも。

薄々結末は分かっていましたが、それにしてもだよ……。っていうかむしろ、それ以外の考察要素の回収や、作品全体から感じられる、退廃的、背徳的な雰囲気に引き込まれたという感じ。

不穏な香りが好きな人、闇の腐女子・腐男子にオススメです!!胸糞な気持ちになりたい人は読もう。

もうこれは恋愛モノという枠を超えてるだろ。

それから、「歪んだ愛の形」というものがたくさん観測されて面白かった。主人公たちを取り巻く人々の間にも多かれ少なかれ歪んだ形の愛情が見られた。絶対作者の恋愛観歪んでるよ(偏見が過ぎる)。愛ってやっぱ綺麗な面ばかりじゃないよね。人間の心は容易に傷つけられるし、簡単に歪んでしまう。同じように、愛情と執着や欲という不純物もない混ぜになる。それでも、二人の愛はその中で一際輝いて、美しかった。歪んだ大人たちによって潰された、二人のささやかな幸せを思うと……発狂しそうだ……。怒りが……。どうして……ドウシテ……。

読書感想文として

読書感想文書くこと自体は楽しかった。また書く時は、ちゃんと考察とか批評とかできたらいいな。みんなもやってみてね!たのしいよ!

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