進化系缶レモンサワー紹介③『こだわり酒場のレモンサワー』(後編)
こんばんは。ストロングおじさんです
進化するお店のレモンサワーからインスパイアをうけ開発された"進化系缶レモンサワー"を紹介するこのnote。今回は、『こだわり酒場のレモンサワー』の後編です
前回は開発経緯までを語りましたが、今回は技術的なこだわりの説明、そしてレビューを掲載しています。まだ前編を読んでいない方は、下記をご参照ください
それでは、今回もいってみましょう!
技術的なこだわり
『こだわり酒場のレモンサワー』の核となる技術は2つあります。1つは「レモン丸ごと仕込み」、もう一つは「黄金比率ブレンド」です。それぞれ解説していきましょう
レモン丸ごと仕込み
こだわり酒場のレモンサワーには、前述の「果実を皮ごと丸ごとお酒に漬け込んだ浸漬酒」を使用しています
しかし、サントリーが得意とするこの浸漬酒技術ですが、この技術は缶チューハイ独自の文脈で発展してきました。そのため、この技術で"酒場のお酒"を表現するにあたっては、今までとは異なる工夫があったそうです
レモンやお酒の配合の調整にも苦労したらしいですが、一番のポイントは「浸漬酒のみを使用」したことです
今まで、果実浸漬酒を用いた多くのサントリーのレモンサワーは、レモン果汁とレモン浸漬酒の双方を使用してきました。果汁により酸味やフレッシュ感を付与しつつ、一方で缶にすることで失われやすいレモンの香りを浸漬酒で表現しているわけです
しかし、『こだわり酒場のレモンサワー』は果汁を用いず、レモン浸漬酒のみでレモン感を表現しています。これにより、酸味やフレッシュ感は抑えられているものの、その分レモンの香りやうまみが強調されています
この味わいが、おそらく酒場で感じた"うまいレモンサワー"の味わいだったんでしょう。こうして『こだわり酒場のレモンサワー』のレモン感の骨格が定まります
黄金比率ブレンド
続いては「黄金比率ブレンド」です。これは焼酎を含む複数の原酒を独自の黄金比率でブレンドし、レモンの味わいを引き立てるお酒のうまみや余韻を表現したものです
前述の果実浸漬酒はあくまでベース酒の一部に使っているので、それ以外にも様々なお酒を使ってるんですね
個人的にポイントとなっているのは「焼酎を使用している」ところだと思います。近年のサントリーの缶チューハイはほとんどがウオッカベースです。ウオッカにより酒感を抑え、缶チューハイらしいフレッシュさを強調した製品が多いです
しかしながら、『こだわり酒場のレモンサワー』は焼酎を使用してます。缶チューハイはウオッカが主流になっても、酒場のレモンサワーはやはり焼酎ベースが多いですからね。酒場の味わいをイメージした製品だから、焼酎ベースなんでしょう
だってほら、『寶 極上レモンサワー』の時にも言ったけど、、、
やっぱり酒場の酒ですからね、しっかりと酒の味も感じられる焼酎じゃないと、つまらないでしょう!(あくまで個人の感想です)
酒の味があまりしない、レモンの味ばかりするサワーじゃ味気ないでしょう!(あくまで個人の感想です)
うまい焼酎を使ってこそ、居酒屋のレモンサワーの味わいでしょう!(あくまで個人の感想です)
話を戻しましょう。そんなわけで、サントリーの缶チューハイには珍しく焼酎を使った本製品。焼酎以外にも複数の原料酒をブレンドし、お酒の風味をしっかり感じられるうまみたっぷりの味わいに仕上がっています
実はこのブレンド技術も、サントリーが得意とする技術なんですよね。サントリーといえば、複数のお酒をブレンドしてつくるウイスキー等、洋酒づくりの専門家です。その洋酒づくりで培ったブレンド技術を缶チューハイのベース酒づくりに遺憾なく発揮しているわけです!
いや~、さすがサントリーですね。酒場で出会ったレモンサワーの味わいを、自社に元からある得意技術を用いて、見事に表現してしまうわけですから。これが、日本一の缶チューハイメーカーであり、日本一の酒類メーカーでもあるサントリーの懐の深さでしょう
それでは、次は実際の商品を紹介しましょう
こだわり酒場のレモンサワーのラインナップ紹介
前回お伝えしましたが、『こだわり酒場のレモンサワー』は"素"が1種類、"缶チューハイが2種類というラインナップ展開です
今回は、"素"のほうは割愛し、缶チューハイの2種を紹介しましょう!
①こだわり酒場のレモンサワー
まずは2019年3月に発売されたレギュラーの『こだわり酒場のレモンサワー』を紹介します。度数は7%です。
その味わいの特徴は、レモン浸漬酒により表現される染み入るようなレモン感。強すぎないんだけど、一本筋の通ったレモンの香りが印象的です
一般的な果汁ベースのフレッシュなレモン感とも違う、他の進化系の濃厚・複雑な味わいとも違う。酸味・苦味・甘味・香り、全てのバランスが取れた飲み飽きない不思議なレモン感なんです
そして、しっかり残るお酒の後味。お酒の風味もしっかり感じられるのがこの製品のよいところです。焼酎のうまみも感じるこの味わいは、いい意味でサントリーらしくないです
甘さは甘味料によりほのかにつけている程度。辛口まではいかず、若干の飲みやすさをつけている程度でしょうか。この控えめな甘さのおかげで、後味のスッキリさも抜群です
スッキリしてるんだけど、レモン感もお酒感もしっかりある。その絶妙なバランスのおかげで、本当に飲み飽きないレモンサワーに仕上がっています
②こだわり酒場のレモンサワー〈キリッと男前〉
続いては、2020年3月に発売された『こだわり酒場のレモンサワー〈キリッと男前〉』です。度数は9%。
人気になった缶チューハイは、度数濃いめがでるのが缶チューハイ界の定番なんですよ。でも、『こだわり酒場のレモンサワー』はレギュラーのバランスが成立しているんですよ。だから度数が濃いのがどうかなと、正直思いました
実際、私サントリーのマネージャーの方に「こだわり酒場のレモンサワー最高っす!今のままのバランスが良いので、安易に濃いめとかやめてくださいね!!」と、言い放ったことがあります
しかしその後、度数9%で濃いめな本製品の発売が発表されました。そして、サントリーさんに言い返されましたよ。「安易な濃いめじゃありません!よく考えた濃いめストロングです!!」とね
実際、飲んでみるとそうでした。。。
レギュラー同様スッキリしたレモンの香りなんですが、中盤からしっかりと濃い酒とレモンの風味を感じられます。度数9%らしい飲みごたえがあり、レモン感はさらにしっかりしています
お酒感、レモン感双方ともが、バランス良く濃くなっているんですよね
そして、焼酎含む酒のうまみがよりしっかり味わえるようになったのが素晴らしいですね。本当に酒場感が出てきて、うまいお酒です
かといって、酒臭さは少なく、後味は本シリーズらしいキレがあるんですよ
安易な濃いめとか言って、申し訳ございませんでした。酒とレモンのうまみが増々たっぷりつまった、新世代のストロングでございます!
おわりに
いかがでしたでしょうか。『こだわり酒場のレモンサワー』が誕生した理由と、その魅力が伝わっていれば幸いです
最後にもう一つ申し上げたいのですが、本製品にはもう一つすごいところがあります。それは、その驚異的な売上です!
こちらを見て下さい。こだわり酒場のレモンサワーは、過去10年で発売された新作缶チューハイで、発売初年度で最も売れた製品なんです。2019年の1.7億本(350ml換算)は過去10年でNo.1の数字です
※実質10か月の売上であったため、他の製品も10か月に換算してます
しかも、さらにすごいのはその記録をたった1フレーバーを達成したこと。2019年はまだ〈キリッと男前〉が発売されていなかったので、レギュラーのみでこの記録をたたき出しました
缶チューハイなんて、レモン・グレフルを中心に複数フレーバーをラインナップするのが当たり前です。実際、他の製品は初年度から複数の製品を出してます
ですが、『こだわり酒場のレモンサワー』は、レモンサワー一本でこのそうそうたるラインナップを凌駕する売上を記録したんですよ!
これはもう、業界全体が騒然となったとんでもない記録でした。。。
こだわり酒場のレモンサワーはなぜここまで受け入れられたか?
私なりに、何故ここまで『こだわり酒場のレモンサワー』が世に受け入れられたか、分析しました
品質の高さももちろんなんですけど、その最大の理由は圧倒的な"ちょうど良さ"なんですよ。色んな層に受け入れられるバランスといいますか
今世の中の缶チューハイは、3つの方向性の流行があると思います。各社競い合うように、その流行に合わせた缶チューハイを発売しています
1つ目は『寶 極上レモンサワー』、『檸檬堂』に代表される進化系の濃厚・複雑な味わい
2つ目は『タカラ焼酎ハイボール』、『本搾り』に代表される辛口の味わい
3つ目は『ストロングゼロ』、『キリン・ザ・ストロング』に代表されるガツンとしたストロング系
しかし、『こだわり酒場のレモンサワー』はいずれの要素もありながらも、行き過ぎてはいないんですよ。レモン感はしっかりしてるけど、濃厚・複雑すぎない。甘めではないけど、極端な辛口ではない。しっかりしたお酒の飲みごたえがあるけど、ストロングすぎない
つまり流行りのお酒の要素がありつつも、古き良き缶チューハイらしい良さもあるっていうかね。本当に、いずれの要素も丁度いい位置にあるんです!パワポにまとめると、下記のような感じです
そして、この"ちょうど良さ"ゆえに、流行の味を求める人、昔ながらの味を求める人、新参の人。色んな層を受け入れることができるんです。色々な立場の人の好みを集約したその味わいを、私は「レモンサワーの最大公約数」と呼んでいます!
『こだわり酒場のレモンサワー』は、レモンを丸ごと使った酒場の進化系レモンサワーを参考に作られました。しかし、進化系の技術・エッセンスは取り入れつつも、進化系の味を追求しすぎず、皆に愛されるちょうど良いバランスを目指し、そして受け入れられました
つまりこれは、サントリーさんが目指した"ど真ん中"のレモンサワーを体現した製品となったと言えるでしょう
今回、『こだわり酒場のレモンサワー』を進化系缶レモンサワーの一つとして紹介しました。実際、進化系の技術を使っているので、それは間違いないと思います
しかし一方、このお酒は進化系の枠組みを超え、かつての『タカラcanチューハイ』や『氷結®』の様な、新時代における缶レモンサワーのスタンダードとなっていると言えると思います
ストロングおじさんは缶レモンサワー界の"ど真ん中"をゆく『こだわり酒場のレモンサワー』に、これからも期待します!進化系も、缶レモンサワー界全体も、まとめて引っ張っていってください!!
それでは、本日は以上。前編後編の長きにわたり読んでいただき、ありがとうございました!
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