日本十進分類ソロジャーナルのつづき
そんなわけで本日はついに12月27日!借りた本の返却日です!
もちろん返してきましたよ!(証明するモンねえけど)
(前回までのあらすじ)
本を読まなくなってしまい発想の硬化を感じつつあった中年さとるさん。
このままでは更年期障害をきっかけに陰謀論にハマってしまうかも、という恐怖にさいなまれていたが、ある時「サイコロで読む本決めたら自分じゃ選べねえし面白いんじゃね?」というギャンブル脳天啓を得る。
善は急げと、さっそくダイスアプリをスマホにインストールしサイコロの神に読むべき本を尋ねたさとるさん。
はたしてサイコロの神が出した答えは……
あろうことか、物理など一度も選択したことのない正真正銘完全無欠文系のさとるさんに、物理学の歴史を知れというのである。
おぉ…サイコロの神よ…さすがネタ記事の作り方をよくご存じこれは文系に偏り凝り固まった脳を解きほぐすべしという神の与え賜うた御神託に違いない。
こうして、さとるさんは嫌々ながらも身に余る光栄に感じ入りつつページを捲ることになるのであった…
日本十進分類ソロジャーナルプレイログ
第1回(後編)
正直に申し上げましょう。無理でしたm(_ _;)m
……いやまあ、読めるとこまではがんばりました!
しかしアリストテレス先生が天体の動きについて論じ始めた2章あたりが私の限界でした…さとるさんの天体知識はせいぜい中世レベル(♪月天水星天金星天太陽天火星天木星天土星天恒星天原動天さーらーなーるー)なのでな…
とりあえず、決めたルール(印象に残った部分を書き写す)に則りジャーナル(記録)を書いたのでうpします!
これがどこに書いてあったかというと…まえがきです。
……いやいや、サボったんじゃないよ!もう本文読むの諦めてまえがきからテキトーにそれっぽい文章引用したんだろおまえって思われちゃうのは百も承知だけど一応ちゃんと2章まではマジで読んだよ!読んだ上で一番印象に残った部分がこれでした!マジで!
真面目な話すると「後世の人に残す」っていう言葉がいいな~って思ったのよね。『託す』とは言わずに『残す』っていう。
『託す』っていうとなんか「あとは頼んだ」っていうか、自分にできなかったことを残された人に押しつけたっていうか「こんなに素晴らしい仕事をお前に任せたんだぞ(だからお前が全部やれ俺はもう疲れた)」みたいな気がするんですよ(※個人の感想です)
でも『残す』だと「本当は俺がやりたいが…もう時間がない…悔しいがあいつにやらせるしかない…いや、むしろこれはあいつのためだ…俺はあいつのために、おたのしみを残しておいてやるのさ…」みたいな「本心から自分がやり遂げたい(他の誰にもやらせたくない)」というかなんというか…若干の負け惜しみのような心残りが感じられるんですよね(※個人の感想です)
んで後世の人側の視点(?)でいうと。
『託す』だと、興味ないのに「頼まれちゃったからやるしかない」みたいな覚悟がいる気がするけど、『残す』だと「あの人がそんなにやりたがってたなんて、もしかしてすごくおもしろいことなのでは?」みたいな興味をかき立ててくるイメージ(※個人の印象です)
ちょっと考えさせられる一文でしたってことで。
読書力判定サイコロを振る
さてジャーナルも書いたので、おまちかね!
ステータス【読書力】がいくつUPするか、サイコロを振ります!
ウオオオオオ!1㍉も興味ない本を頑張って読んだんだからこれはもう高得点やろ!来い!
えっ…まって…いやその、サイコロ神?
あ、あの…えっと、大変うれしいんですけどその…ここはその…数字が少ないほうがネタ記事的にはおいしいといいますか…
(しばし熟考)
え~サイコロの神におかれましては、わたくしのアフォなネタ記事のために高得点を出していただき勿体ない限りであり大変有り難く光栄に存じますが、身に余りすぎますゆえ今回は辞退させていただきたく…
(要約※すぐゲームクリアしてしまいそうだしそれだと面白くないので)
ということでルール追加(改正?)です!
読書力追加サイコロを振る時、アプリのD10で「10」が出た場合は「0」としてカウントすることにします。
というか、リアル10面ダイスの場合、数字の表記は「1,2,3,4,5,6,7,8,9,0」ってなってるのがほとんどで「10」っていう表記あまり無いんですよね。なのでリアルダイスに合わせた方がいいかなと。
今回さとるくんの読書力は…
というわけで。
第1回の日本十進分類ソロジャーナルプレイで主人公さとるくんの読書力は…
+0なので「50」のままでした!次回に期待したいですね!
さてそんなかんじで第1回日本十進分類ソロジャーナルのプレイログはこれにて終了!
……とか、ここで終わってもなんかこう〆らない気がしたので。
今回の設定に基づいてちょっとした小話を書いてみました。ヒマな方はお読みください(´∀`*)
プレイログ小説『さとるくんと物理学の本』
さとるくんは、本を読むのが大好きな小学四年生です。
学校の図書室の本も、面白そうなものは全部読んでしまったくらい、本が大好き。図書室の本で読んでないのは、もう、ぼろぼろの古い本しかありません。しかたないのでそれを借りてみたのですが、読んでみたら以外と面白くて、おうちで夢中になって読んでいたら、お母さんがきて「その本、お母さんもこどもの時に読んだよ」なんて言うからびっくり。しかも、あとからおうちに帰ってきたお父さんまで「うわあ、なつかしいなあ。お父さんもこの本が大好きだったんだ」なんて言いだすので、家族みんなで大笑いしてしまいました。
そう、さとるくんのおうちは、お父さんもお母さんも、家族みんな本を読むのが大好きなのでした。
おかげでおうちには本がいっぱい。なんと、本だけのお部屋、ようするに『図書室』まであります。それは、さとるくんにとってはあたりまえのことでしたが、おともだちの話を聞いていると、おうちに図書室がある家はめずらしいみたい。だけど、おうちに図書室があるからといって、おともだちから特になにか言われることもありませんでした。最近はみんな、タブレットで動画を見たりマンガを読んだり、勉強だってタブレットがあればできます。重くて大きい本がたくさんあっても、別にそれほどすごいことでも良いことでもないと、みんな思っているのでしょう。さとるくんだってそう思っていました。
でも、おうちの図書室は、どうやら特別な場所のようでした。
その図書室は、元々は、お母さんのお祖父ちゃん、つまり、さとるくんのひいお祖父ちゃんのお部屋だったそうです。
ひいお祖父ちゃんは『作家さん』で、さとるくんが生まれるずっと前に亡くなっていました。おうちの図書室は、ひいお祖父ちゃんが書いた本や買った本がいっぱい置いてあるお部屋なのでした。
時々、有名な大学の先生だという人が「○○先生(ひいお祖父ちゃんの名前)の書斎を拝見させていただきたいのです」とお母さんをたずねてくることがありました。むすっとした怖い顔の先生でしたが、ひいお祖父ちゃんのお部屋から出てくる頃には、なんだかとっても楽しそうな顔になっていて「非常に有意義な時間でした!ここにある書籍は大変貴重なものです。ご苦労も多いでしょうが、できる限り○○先生の書斎を維持していただければ有り難いです」なんて言うので、ひいお祖父ちゃんの本はすごいものなのかもしれないと、さとるくんもなんとなく思っているのでした。
と、そんなすごい『図書室』ですから、当然さとるくんは、ちっちゃい頃から「入っちゃダメ!」とお母さんにもお父さんにも厳しく止められていました。
ちなみにお母さんとお父さんは、自分で買った本もひいお祖父ちゃんの『図書室』の本棚においてるようです。あちこちに本棚があっても無駄だからね、とお父さんは言っていました。ずるいなあ、とさとるくんはちょっと思っていました。
よく考えてみたら、家族の中で、自分の本棚を持ってないのはさとるくんだけでした。……というか、さとるくんは自分のお部屋もありませんでした。いえ、ついこのあいだ、お父さんとお母さんに「今度、さとるの部屋を作るから、お片付けを手伝ってね」と言われて、改めて自分のお部屋がないことを思い出したのですが。
自分のお部屋に、自分の本棚。なんだかちょっと、ワクワクしてきました。
(そうだ、僕の本も、ひいお祖父ちゃんの図書室の本棚に置いてもいいかな?きっとだいじょうぶだよね?だってもう四年生なんだよ。ちいさい子じゃないんだし、大事な本がある大切な場所だって、ちゃんとわかってるからね!)
お母さんにはまだ、図書室に自由に入っていいとは言われてません。でも、もう自分のお部屋を作ってもらえるくらい大きくなったのです。自分の本棚がどんな場所なのか『下見』をしておかないと。それくらいなら、いいよね?
思いついたら、いてもたってもいられませんでした。さとるくんは、学校の宿題をてきとうに片付けて、ひいお祖父ちゃんの図書室に向かいました。
夕食前の時間なので図書室は薄暗くて、ちょっと怖いです。入っちゃダメ、といつもきつく言われていたのもあって、さとるくんは、急にこわくなって入るのを止めようかと思ってしまいました。でも、と思いとどまります。
(もう四年生なんだぞ。暗いからこわいだなんて、ちいさい子みたいで、はずかしいだろ!)
勇気を出して、さとるくんは扉を開けて、図書室の灯りをつけました。
中を見るなり、わぁ、とさとるくんは声を上げました。
(……すごい。本がいっぱいだ!)
本が大好きなさとるくんは、本がたくさんあるのを見ただけでうれしくなってしまって、他のことはどうでもよくなってしまうのでした。
さっきまで、ひとりで入ったことのない図書室に入るのがちょっと怖かったのですが、今はもうそんなことは全部忘れています。ワクワクしながら室内を見渡すと、奥の方に、古めかしい仕切りで入れないようにしてある、古い木製の本棚があるのが見えます。あれがきっと、ひいお祖父ちゃんの本棚なのでしょう。
(あそこは、お母さんがいいっていわないと、大人でも、大学の先生でも入っちゃダメな場所なんだ。念のため、あそこには行かないようにしなくちゃ。ひいお祖父ちゃんのだいじな場所だからね)
確認したさとるくんは、手前にある、もっと新しい本棚のひとつに目を向けました。
(こっちの本棚はきれいだな。お父さんかお母さんが使ってるのって、きっとここだ。……ひいお祖父ちゃんの本棚じゃないなら、僕が触ってもだいじょうぶだよね)
そう思ったさとるくんは、本棚に近づきました。
そこには、いろんな本がありました。難しい漢字のタイトルの本もあれば、さとるくんでも読める字のタイトルもあります。大人の本棚ですから、小学生のさとるくんにはちょっと難しい本ばかりです。……なんとなく、さとるくんはムッとしました。
(もう四年生なんだ。むずかしい言葉も、漢字だっていっぱい覚えた。それに僕は、他の子より本をたくさん読んでるから、中学で習う字だって、少しならわかる。大人が読む本だって、わかるかもしれないだろ。よし、ためしに読んでみよっと)
本棚を眺めていたさとるくんは、一冊の本に目をとめました。
『絵でわかる物理学の歴史』
背表紙にはそう書いてあります。ぶつりがく。以前、ノーベルぶつりがくしょう、のニュースを見たことがありました。よくわからないけど、科学の本だと思います。絵なら、小学生の僕でも、もしかしてわかるかも。ドキドキしながら、さとるくんは本を抜き出して手に取り、ぱらぱらページをめくりました。
(……う~ん、ちょっとむずかしすぎて、よくわかんないかも……)
見たこともない数字とか英語とか、数式?みたいなものが書いてあって、やっぱりムリかなぁとガッカリしましたが、それでも一応、はじめのほうを読んでみようと、一番最初のページを開きました。図鑑などの最初のほうのページには、その本を書いた人が、どんな気持ちで書いたのか、どんな人に読んで欲しいのかを説明してくれる文章があって、意外とおもしろくて読みやすいということを、さとるくんは知っていました。
最初のページ、まえがきにはこんなことが書いてありました。
――自然のすべてを解明することは、一人の人どころか一つの時代ですら大変難しい。たとえ少しでも確かなことを突き止め、あとは後世の人に残した方がよい。
さとるくんは、少しだけ驚きました。
なんだか難しそうな本ですから、きっとすごく頭のいい学者さんが書いたのでしょう。だけど、そこには「自然のすべてを解明することは難しい」なんて書いてあるのです。頭がいい学者さんなのに、難しいって。
自然、というのは森とか山とか海とか、動物、昆虫、他にもいろんなことがあると思います。さとるくんが持っている動物や昆虫の図鑑には、とってもたくさんの動物や虫のことが、すごくたくさん書いてありましたし、大人が読むような図鑑なら、動物や昆虫のことがもっとくわしく書いてあって、えらい学者さんは、それを全部知っているのかと思っていました。
でも。……もしかしたら、そうじゃないの?
自然というのは、もしかしたら、さとるくんが思っていたよりも難しいものなんでしょうか。
(ふ~ん、そんなこともあるのか。……でも、あとの人に残しておいてくれるっていうのは……なんだか、やさしいのかも?)
と、さとるくんは思いました。なぜかというと、おばあちゃんのことを思い出したからです。
月に一度は会う、さとるくんのおばあちゃん(お父さんのお母さんです)は、とっても元気でおもしろいひとです。「もう歳だからボケ防止に!」なんていって、いろんな事にチャレンジするのが趣味なんだそうです。あみもの(ぶきようなので今はやってないそうです)とかウォーキング(まだ続けてるみたい)とかしょうぎ(難しいからやめちゃったんだって)とか。とにかくいろんなことにちょうせんするのが大好きなおばあちゃんです。
そんなおばあちゃんは、ある時、ジグソーパズルにチャレンジしていました。初めてジグソーパズルを見たさとるくんは、なんだかものすごく面白そうだと思って、おばあちゃんと一緒に遊ぶことにしました。
けれど、その頃のさとるくんは、まだ年中さんくらいで小さかったので、パズルのピースを見つけられなくて、その日は完成させることができませんでした。
「大人向けのジグソーパズルだからね、さとちゃんにはむずかしかったね」
おばあちゃんはちょっともうしわけなさそうに笑っていました。おうちに帰る時間になっても完成させられないのがくやしくて、大声で泣きながら、お母さんに抱っこされておうちに帰ったことも思い出して、さとるくんは恥ずかしくて顔があつくなりました。
(あのころ、僕はまだ小さかったからな)
小さかったさとるくんがジグソーパズルを完成させられなかったのはしかたのないことでしたが、でも、思い出したのは、そのあとのできごとです。
その次に、おばあちゃんに会いに行ったら、なんとおばあちゃんは、前回さとるくんがやり残していたジグソーパズルを、そのまま置いておいてくれていたのです。
「おばあちゃん、老眼だから、このジグソーパズル難しいのよ。さとちゃんは若いから目も良いでしょ。おばあちゃんのお手伝いしてほしいな」
そんなお願いをされて、大人のお手伝いができるなんて、おにいさんになったような気がしてとってもうれしかったことを、さとるくんは思い出したのでした。
でも、小学四年生のさとるくんはもう知っています。今でも、その時のジグソーパズルはおばあちゃんのおうちに飾ってありますが、もっと細かくて難しい大きな絵のジグソーパズルを、さとるくんは別の場所で見たことがありました。……おばあちゃんのジグソーパズルは、大人ならきっと誰でも作れるような、かんたんなものだったのです。
けれどおばあちゃんは、さとるくんにお手伝いをさせてくれました。おばあちゃんひとりだけでも作れたはずなのに、小さかったさとるくんがやりたがっていたから、さとるくんが作れるように、ジグソーパズルをやり残しておいてくれたのでした。
そんなことを思い出したので、さとるくんは「後世の人に残した方がよい」ということばを、やさしい思いやりのように感じました。
(きっと、これを言ったひとは、やさしいひとだったんだ。えらい学者さんだもの、難しくてわからない、なんてこと、本当はないと思う。でも、あとのわかいひとたちのために、かんたんなことでも、わからないってことにして、残しておいてくれたんだ。おばあちゃんが僕にしてくれたみたいに)
さとるくんは、物理学、というのが、とても思いやりのあるやさしい学問のように思いました。
いつか、もっとちゃんと勉強して、この本を全部読んでみたいなあ。そんなことを思いながら、さとるくんは本棚にその本を戻しました。
あとがき
物理学が思いやりのあるやさしい学問かどうかは未だ解明されてませんが、さとるくんが思いやりのある優しい子であることは確かな事実ですね。
作者のさとるさんとは大違いやで…