グランドリームで行く人生初の夜行バスの旅
皆さんは夜行バスに乗ったことはありますか?修学旅行とかで大型バスに乗ったことはあるかと思いますが、それを「夜に乗って寝る」となると未経験の人がちらほら出てくるのではないでしょうか。
夜行バス、どことなく治安が悪そうと思って敬遠しがちですよね。快適性に欠けるのも避けられる要因でしょう。安いので貧乏旅行者には嬉しい存在なのですが。
ところで先日、金沢へ弾丸旅行をした際、東京から経由地の大阪まで人生で初めて夜行バスを利用しました。今回は僕が乗車した「グランドリーム」という夜行バスをご紹介します。
夜行バスのイメージがちょっとでも上がることを祈って。
「グランドリーム」とは
旅の前に、僕が乗車した「グランドリーム」について少しご紹介します。
グランドリームはJR東海バスおよびJR西日本バスが運行している夜行バスで、東京駅・バスタ新宿〜大阪駅・三ノ宮を結びます。バスによってはTDLから出るものや、京都・奈良へ行くものもあります。
他にも「グラン金沢」などのグラン◯◯シリーズがあります。恐らく同じ車両を使っているものと思われます(知らんけど)。
今回は東京〜関西のグランをご紹介します。
このグランドリームの大きな特徴は、座席のほとんどがゆったりとした3列シートだということ!普通の高速バスは前後左右窮屈な4列シートが主流です。昼間ならいいですが夜となると辛いものがあります。
しかしグランドリームは3列シート。前後広々、席の間にはプライベートカーテンがあり、席と席がくっついていることはありません。個室ではありませんが、プライバシーの確保は十分可能です!!
では気になるお値段はというと、最安値の時期でなんと5000円ちょいで乗れちゃいます!安いでしょう?
僕が乗車した時期も閑散期であったため、早特割付きの6200円で新宿~大阪間を移動できました。ハッキリ言って、神です。
そんな神のバス、グランドリームの旅はどんなものなのでしょうか?
ここから本編スタートです!!
バスタ新宿
僕の人生初の夜行バスの旅はバスタ新宿で始まりました。新宿駅の甲州街道口の近く、駅の建物の上にあります。徒歩1分、神アクセスです。
いつものクセで早めに到着。ターミナル構内を少し散策しようかと思います。
バスタ新宿は駅ビルの上にドカンとつくったターミナルで、ターミナル自体は2階構造になっています。降車場がある階、ラウンジと出発口がある階が異なるので注意です。
4階のラウンジに到着。ラウンジ入り口にはコンビニとセブンATMがあります。夜の旅はある種の忍耐が必要です。腹ごしらえや朝食を買うためにぜひ立ち寄っておきましょう。
そしてラウンジ内にはバスの発車案内が載っている電光掲示板があります。下の写真より大きいものもありました。まるで空港です!
たった1時間の間でもたくさんのバスが出て行きます。一番右にオレンジや青や緑のマークに記号が書かれているものがありますが、これはバスの乗車口です。出発前に確認しておきましょう。
ラウンジには多くの人がベンチにたむろしています。安くて寝れる(?)手段なのでバスを重宝する旅人は少なくないようです。意外にもお年寄りの方も多いように見えました。いくつになってもひょいッと旅に出たいものです。
夕食は事前に食べておいたのですが、バス内でお腹が空いては大変だと思いコンビニで夜食用のおにぎりと朝食用のパンを購入。おにぎりは乗車前に食べることにしました。
出発
さて今回僕が乗るバスは、22時30分発の「グランドリーム3号」大阪駅行きです。始発は東京駅ですが、バスタ新宿を経由します。
面白かったのが、次発の「グランドリーム5号」がなんと同じ22時30分発であったこと!こちらは京都・奈良行き。乗車口を間違えると大変です。
ラウンジを出てロータリーをうろつくことにしました。夜のターミナルをバスが行き交います。
思い出してみればここは駅ビルの上。狭い空間を上手く使っています。
発車時刻の10分くらい前でしょうか、我がグランドリーム3号がやってきました。スカニア製の2階建てバスです。2階部分が3列のグランシート、1階部分が普通の4列シートです。
今回は西日本バスの車両でした。切符にあるQRコードを運転手さんが読み取って検札をします。
階段を登り、狭い通路を器用に抜けて自席に着きます。東京駅始発ですので、既に乗車している人もいました。
ベッドではありませんが、このゆったりとしたシートはとてもいいものです。グリーン車並みに倒れるリクライニング、前にはフットレスト、足元にはレッグレストも完備されていて、至れり尽くせり。バスの揺れを除けば快適そのものです!
※この感想はのちに逆転することになります(笑)。
肘掛け下には充電ケーブルを繋げるUSBポートがあります。コンセントの穴はないのでご注意を。
22時30分、定刻通りにバスタ新宿を出発。出発するとすぐに室内は暗くなり、謎に青いライトが室内を少しばかり照らします。
深夜のハイウェイを駆ける
中央環状線・3号渋谷線を経由して東名高速道路に入ります。
以前「新特急スーパーライナー」という東名高速道路を突っ走る昼行バスに乗ったことがあるのですが、そのときは渋滞がひどくて大遅延したのを覚えています。3号線の利用者が多いクセに、立地上片面2車線しかつくれなかったからです。周辺ビルをぶっ壊してでも3車線にすべきだといつも思います。
しかし今は深夜。乗用車の姿はほとんどなく、珍しくスイスイと走っていきます。ストレスフリーです。
ちなみに発車後数分間、後ろの人の咳がひどくうるさく、思わずイヤホンをつけて防音を施しました。夜行バスで寝れない人がいるのはそういった“妨害”が発生するからなのでしょう。
※その方はお休みになったのか、東名に入ってからは車内全体はとても静かになりました。
ゲームをしたり友達とLINEのやり取りをしたりしてふと顔を見上げると、船の形をしたホテル、いかがわしい色を放つホテル群が目の前に現れました。それを見た瞬間、横浜町田にいることを察知しました。あそこは沿道に「そういった」ホテルが多いのです。
ところで乗車前、僕は「このバスは足柄SAに休憩でとまるのかな~」と思っていました。ところが今夜乗車したバスは鮎沢PAで休憩とのこと。夜のサービスエリアをぶらつくのが好きなので、そこは少し残念でした。
23時何分かは忘れましたが、日付を越す前にバスは鮎沢PAに到着。ここでしばらく停車します。せっかくなので席を離れて外に出ようと思います。幸運なことに隣の席にはだれもやって来なかったので、好きに出歩けます。
実はバスにもトイレはあります。どうしてもの場合に使えるようになっているのです。しかし一般的に、バスのトイレは“狭い・汚い”というイメージがあります。僕も使うのは敬遠していました。でも中はちょっと気になる。「トイレはPAのとこで済ませるとして、中だけは覗こう」と思い、扉を開けました。
すると・・・、
いやはや、最近のバスのトイレってキレイなんですね。洗面器も便器も純白を保っています。これなら使おうと思えますね!
結局使ったのはPAの方なのですが・・・。
長々し夜をひとりかもねむ
時刻は午前1時を越そうとしておりますが、、、
寝れねえ
快適なシートとはいえベットではありません。DanDan足がキツくなっていきます。さらに血流悪化対策で靴を脱いでいるので、足先が冷えてきます。ブランケットとかスリッパとかを持ってくればよかったものを。
先月寝台特急「サンライズエクスプレス」を満喫していた体は徐々に疲弊していきます。どうして寝るためのバスで疲れているのでしょう?
とはいえ少しでも寝ておきたいので、目を閉じて入眠を強制的に促します。時刻はすでに1時を回りました。車窓には日本平SAの文字。どうやら新東名高速道路は使っていないようです。
気付かぬうちに眠っていたようで、減速時の揺れで目を覚ましました。外はまだ真っ暗。PAに入るところで目が覚めたようです。ところが駐車場に停めるスペースが無かったのか、通過しただけで本線に復帰していきました。
再び目を閉じ、入眠。またしても駐車場に入るタイミングで目を覚ましました。今度は運転手のアナウンスで目覚めたようです。
到着したのは土山SA。滋賀県にあるサービスエリアです。道路名はいつのまにか新名神高速道路となっていました。いやぁ、随分と遠いとこに来ましたねぇ。
このサービスエリアは上下線で一つになっている、合体型サービスエリアです。建物を境にして上り用・下り用の駐車場があるので、自分がどこの駐車場に停めたか覚えておく必要がありそうです。普通は忘れないと思いますが。
時刻は忘れましたが、恐らく3、4時位だったかと思います。大阪まであとわずかとなりました。
土山SAを出て、三たび目を閉じました。SA到着前から若干足が痺れていたので、休憩中に屈伸をしておきました。それもあってか、この三度寝は道中で一番長い睡眠時間でした。
終着・大阪駅
「皆様おはようございます。まもなく終着の大阪駅に到着いたします。」
こんな感じの放送で目を覚ましました。もうバスは大阪府に入っていたようです。いやはや、最後の最後で熟睡するとは思ってもいませんでした。
時刻を確認するとなんと、まだ6時になっていませんでした!!
「え、ダイヤでは6時半着だよね。いくらなんでも早すぎね?!」
旅前では2、30分の遅延を前提に計画を立てていました。そしたら何としたことか、むしろ2、30分早く大阪駅に着くようです。道路が空いていたのでしょうか。にしても「早着」ってあるんですねぇ。
こうして何のトラブルも無く、バスは終着の大阪駅に20分以上早く到着しました。着いたら旅情の余韻も◯ソもありません、呆気なく降車します。
このあと乗車する特急「サンダーバード3号」金沢行きは7時発。時間はべらぼうにあります(Rさんの口癖です)。
まだ早朝、なにもやっていないので、現在開発中の「うめきたエリア」辺りをブラブラと散歩することにしました。
人っこ一人もいません。いや、犬の散歩中のおじさんならいたのですが、それ以外ほとんど人に会いませんでした。本当に大阪駅周辺ですか、ココ(笑)?
以前Rさんが言っていた「大阪は田舎(かなり悪口)」の意味が分かったような気がします。というより、東京こそ異常なのかも知れないと思いました。朝6時、この風景こそが普通なのだ、と。
夜行バス、結局どうだった?
結論から言って、夜行バスもかなり面白いです。
一度だけ使ってみるだけでもいい経験になるでしょう。移動をいかに快適に作るか、そのノウハウが身につくと思いますよ。例えば足の冷え対策でスリッパを持っておく、とか。僕は快適グッズを何一つ持っていきませんでした(笑)。
大学の友人で夏休みに夜行バスを使った人がいるのですが、彼が使ったのは4列シート。キツくてかなり大変な思いをしたようです。やはり使うなら、特に夜行バス初心者は、ゆったりとした3列シートをオススメします。
あともう一つ、本気で寝たいなら耳栓とアイマスクは必需品でしょう。僕はバスタ新宿出発時にそれらを忘れたことに気がつきました。おかげで騒音に悩まされたので、最低耳栓は必要でしょう。バスターミナルの近くのコンビニに売っていますので、お忘れなきよう。
それ以外は普通に快適でした。移動が好きという性分もあるのでしょうが、安く体を休めながら移動を楽しめる夜行バスはいいものです。ぜひ一度お試し下さい!!
最後に、2025年大阪万博のキャラクター・ミャクミャク様のマンホールを貼っつけておしまいにしたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!