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長野電鉄で昔懐かしの名車たちを愉しむ旅【後編】

※これは「長野電鉄で昔懐かしの名車たちを愉しむ旅【前編】」の続きです。

大感激!!憧れのアレのアレに着席(意味不)

長野駅から約40分ほどで終点の湯田中駅に到着。駅前ではたくさんの観光タクシーが待ち構えており、多くの観光客を“地獄”へと連れて行きました。地獄というのはもちろん名勝・地獄谷のことです笑。

湯田中駅

僕はというとそのまま駅に残り、折り返し乗る予定の列車を待ちました。湯田中駅周辺から見る山々もステキです。

湯田中駅のすぐ近くには温泉施設もあります。足湯もあり、入りに行ってもよかったのですが今回タオルを持ってきていなかったので断念しました。誰かとは違って温泉にはうるさくないのです。

「楓の館」という

さぁて、帰りに乗る列車の案内が表示されましたよ~!

「のんびり号」???

S特急ゆけむりのんびり号」、これが帰りに乗る列車です。長電の特急列車にはさきほどの「スノーモンキー」と「ゆけむり」の2つがあるのですが、これは土曜・休日のみ運転する特別なゆけむり号です。

特急とされているだけに、本来はスピードを出して目的地まで速く走るのが使命であるのですが、このゆけむりのんびり号は文字通りのんびりと進んでいく、沿線風景の鑑賞を目的とした特急列車です。所要時間は1時間超と各停並みです。

そして使用される列車は…

!!!!!

じゃじゃーん!!かつて小田急電鉄の特急ロマンスカーとして活躍した10000HiSEでございます!!!これに乗るために僕ははるばるやってきたんですよ(鼻息)!!!

10000形にはロマンスカー名物・展望席があります。普段のゆけむり号では指定席の扱いなのですが、ゆけむりのんびり号に使われるときにだけ自由席として開放されているのです!!

アツい展開

小田急を愛し、ロマンスカーを愛する僕にとってはよだれの出る列車です。前から2組目として改札を通り、見事展望室の最前席を確保することに成功しました!!

ビール片手にロマンスカーの旅へ

座席を抑え、再び改札の外へ。列車に乗る前、湯田中駅の構内に志賀高原の地ビール「志賀高原IPAを売っているお店を発見したからです。

志賀高原IPAは20歳になったらぜひ飲みたいと思っていたビールです。ビール片手にロマンスカーの展望席なんて、贅沢中の贅沢ではありませんか。

一言、幸せです

お酒といえば、このゆけむりのんびり号の2号車は「北信濃ワインバレー列車」という指定席車両になっています。この旅行商品を申し込んで乗車すれば、食事の他に長野のワイン飲み放題が提供されるそうです!!

代金は大人6,500円とそこそこのお値段。なにより今回は10000形の展望席に座りたかったので今回は見送りました。また機会があったら長野ワインをたっぷり賞味したいと思います。

11:20、湯田中駅を発車しました。夢の1時間の幕開けです!!!

りんご畑を通り過ぎる

車掌の案内(音が小さく聞きづらかった)のあと、とんでもない情報が流れてきました!なんと、先ほど紹介したワインバレー列車の予約者が0名だったため、急遽全車自由席になったとのこと!!

え、ということはもしかして僕が予約していたらあの2号車は完全に僕だけのものになっていたということですか???そーいうの早く言ってくださいよ~笑。それはそれでスゴいものをお見せできていたかもしれませんねぇ。

特急列車(特に急がない列車)の旅を楽しむ

この列車は「のんびり」と銘打っているだけに、のんびりとレールの上を走行します。特急らしく少しスピードを出しますが、その分客扱いのしない駅のホームに長くとどまり、対向の列車を待つ場面がいくつかありました。総じて「各停並みの所要時間」というわけです。

対向の普通列車を待つ

小布施駅では10分ほど停車。多くの方がホームの先頭にやってきて記念撮影をはじめました。

ちょうどこのとき車内販売がやってきました。ゆけむりのんびり号には車内販売があるのです。IPAのみでは苦しくなってきたタイミングだったので、なにか軽食でも買おうと思い呼び止めました。

「すみません、おやき(車販メニューにある)ありますか?」と聞くと、ごあいにく様。おやきは本日お休みだそうです。仕方がないのでつまみとしてチーズを買うことにしました。

さらにビールが進んだ

長時間停車で退屈したので、僕も車外に出て写真を撮ることにしました。反対側のホームから撮った写真はこの記事のサムネイルとして採用しました。

色あせないロマンスカーの風格
かつてあの方向幕には「はこね」の文字が…

小布施で待っていた対向列車は、同じく10000形のゆけむり号。夢のHiSE同士のすれ違いです!!

小田急ファンなら大号泣のシーン

橋で止まって、ゆっくり終着へ

ここまでで既にのんびり運転をしているのですが、この列車は最後の最後までのんびり走ります。

日本最長の河川・千曲川(信濃川)を渡る鉄橋に差し掛かると、突如スピードを落とし始め、ついに橋上で停車してしまいました!!

何があったんだ!?!?!?

線路内でトラブルが生じたのか?いいや、これもこの列車の“演出”なのです。この列車では、乗客にお国の宝・千曲川をよーくご覧になれるようにわざと橋上で停車するのです。

千曲川

特急列車はおろか、普通列車でさえも止まらない橋上に停車。ゆけむりのんびり号、恐れ入りましたぁ!!


のんびりとした1時間の旅ももうすぐおしまい、北陸新幹線の高架線を潜り、地下に入ると長野駅はもうすぐです。

地下に入る直前、我が思い出の列車・東急8500系とすれ違いました。ロマンスカーの展望台に、ビールに、思い出の列車とは…。わたくしテラヲ、この上ない幸福に浸っております。

泣きそう

こうして終着の長野駅に到着。このあとしなの鉄道の快速列車に乗り換えねばならなかったので、呆気なく去ってしまったのが惜かったです。またの再会を願い、改札を抜けました。

また来ます

再開と再会を願って

さて最後に一つ、10月以降の長野電鉄では特急列車の一部を減便しています。運転士の人手が足りていないからです。

「人手不足、人手不足」と今年に入ってから耳にタコが出るくらい聞いた現象ですが、鉄道会社にまで及んだのには大変衝撃を受けました。地方ゆえ、という理由もあるでしょうが、生活に無くてはならないインフラにおいて人手不足は致命傷です。

僕たちが直接長電に何かをしてあげることはできませんが、長電がこの難関を乗り越え、運転を再開・回復させる日を強く願っております。そのときはまた、愛する信濃国を訪れて、愛するロマンスカーと再会したいと思います。

頑張れ、長野電鉄!!!

《おしまい》

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