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バッティングパフォーマンスを高める
【記事は無料/セミナー動画は有料】
みなさん、こんにちは
チームストリングス代表の矢部和樹です!
今回はバッティングのパフォーマンスを高める上で
知っておいてほしいことを発信します。
なぜこの練習をするのか?
何を高めるためにやっているのか?
この練習が最終的に何に繋がるのか?
これを日々考えながら行うことが重要です。
そのための一材料として今回の記事をご活用ください!
【バッティングで重要な能力】
バッティングにおいて、重要な能力とは何でしょうか?
遠くに飛ばすこと?正確なバットコントロール?
配球を読むこと?場面に応じたバッティングができること?
どれも正解だと思います。
今回はそもそもの野球のルールに基づいて考えたいと思います。
公認野球規則【1.05】によると、
「各チームは、相手より多くの得点を記録して、勝つことを目的とする」
とあります。
勝つためには、得点を上げなければなりません。
この得点は特に長打率と相関関係があると言われています。
つまり、長打を打てるほど、得点に繋がりやすいということです。
まあ考えてみれば当たり前ですよね。
このことから試合に勝つためには長打を打てること
つまり遠くに速い打球を飛ばせる能力がバッターには必要とされています。
次はその「遠くに打球を飛ばす」ことについて考えたいと思います。
【飛距離が決まる要因①】
打球の飛距離が決まる要因は何でしょうか?
これは物理の法則に基づくと理解できます。
・どのくらいの高さから
・どのくらいの角度で
・どのくらいの速さで
・どういう回転で飛ぶか
これらにより物体が飛ぶ距離が変わります。
これを打球に当てはめると
・打点高
・発射角度
・打球速度
・打球の回転
になります。
このうち、打球速度はバッター自らが高めることができる要素で
飛距離とも強い相関があると報告されていることから
「打球速度」を高めることが重要だと考えられます。
【飛距離が決まる要因②】
打球速度を高めるためには
投球されたボールとバットを正面衝突することが重要です。
これが一番打球速度が高まる方法ですが、これだと打球に回転がかかりません。
飛距離を伸ばすためには、「バックスピン」を加える必要があります。
シミュレーション研究において、
大きなスイング速度、かつインパクト直前のバットヘッドの軌道が上向きになるようなスイングでボールのやや下をインパクトすることにより、飛距離が最大化することが明らかにされています(Sawicki et al., 2003)
また、実際の打撃を分析した研究においても
同様の報告がなされており(城所ら、2011)、
飛距離を増大させるためには、
スイング速度の向上および適切なスイング軌道の習得が重要であることが
明らかになっています。
次はこの「スイング軌道」と「スイングスピード」の話をします。
【スイング軌道と飛距離】
nathanによると、投球されたボールがファストボールの時、
上向き18.8°になるようなスイング軌道であれば、
飛距離が最大になると報告されています。
(https://tht.fangraphs.com/optimizing-the-swing/ より)
最近はスイング軌道がわかるデバイスもありますので
それを活用したり、自分のスイング動画を見て
やや上向きになったところでインパクトできているか
確認してみてください!
【スイングスピードと飛距離】
飛距離を高めるもう一つの要素である「スイングスピード」の話です。
スイングスピードは打球飛距離と正の相関関係にあります。
スイングスピードを大きくすればするほど打球は飛ぶようになります。
飛距離120mのホームランを打つためには、レフト方向で123.8km/h,センター方向で127.8km/h,ライト方向で136.4m/hのスイングスピードが必要と計算されています。(Nakashima, H.et al. Proceedings. 2020)
上記の速度に達していない人はまずはスイングスピードを上げることが必要です。
どうすればスイングスピードが上がるのか?という話は
6/26(土)のオンラインセミナーにてお話ししました。
記事の最後にセミナー動画を載せています。
有料にはなりますがワンコインですので、興味のある方はぜひご視聴ください!
【セミナー受講者の感想】
【スイングスピードアップの利点】
前回は「スイングスピード」と「飛距離」の話をしました。
スイングスピードを高めるメリットはたくさんあります。
バッティングの課題は,
■投球に対して速い打球を打つこと
■飛距離を出すこと
■狙った方向へ正確に打つことに分けられます。
Szymanskiらは
「バットのスイングスピードを向上させる」ことが重要であるとしています。
(Szymanski DJ, et al. J Strength Cond Res, 2009)
理由として、スイングスピードが大きければ、
ボールにより大きな角運動量が加わり、
打球速度の向上や飛距離の向上に繋がります
また、スイングスピードが大きいほど、スイング時間が短縮でき、その分ボールを見極める際の認知情報処理に、多くの時間を費やすことができるので、狙った方向に打つことにもつながります。
このようなメリットからスイングスピードは
バッティングのパフォーマンスを高めるのに非常に大きな要素です。
ここを理解した上で、練習に取り組みましょう。
【スイングスピードを速くする】
最後に、スイングスピードを速くするための考え方について解説します。
詳しい内容・メニューは6/26(土)のオンラインセミナーでお話ししました。
また、このようなセミナーを随時していくので、ぜひ参加してください!
(この記事を購入いただくとセミナー動画を視聴することができます)
スイングスピードを高めるにはまずはパワーを向上させることが重要です。
パワーは車に例えるとエンジンになります。
軽自動車とF1カーだとどちらの方がより速く走れるかはわかると思います。
そして、パワーは筋力とスピードを掛け合わしたものです。
ウエイトトレーニングにより筋肥大を起こし、最大筋力を向上させるだけではなく
スピードを意識したようなトレーニングも必要になります。
また、体幹回旋および全身のメディシンボールエクササイズをウエイトトレーニングや素振りに追加して行なった群の方が、体幹回旋パワーの向上とスイングスピード向上が認められたと報告されています。(Szymanski, DJ, et al. J Strength Cond Res, 2007)
このことからメディシンボールも有効な手段の一つでしょう。
あとは動作(メカニクス)や
それを可能にするモビリティー(可動性)も必要です。
このような要素を組み合わせて、自分に今何が足りないかを知ることが重要です。
そして、今している練習やトレーニングはどの要素を高めるものなのか
これを理解しながら練習に取り組みましょう!
今回の記事は以上です!
スイングスピードをはじめとして、
バッティングを考える一つのきっかけになれば幸いです。
そして、これらを高めるためには
ある程度の専門的な知識や専門家・トレーナーが必要になることが
感じてもらえたと思います。
ストリングスでは今後、
そのような専門家やトレーナーと現場を繋ぐ活動をします。
今後ともよろしくお願いいたします!
ご覧いただきありがとうございました!
チームストリングス代表 矢部和樹
【おまけ】
最後に今回の内容から一歩踏み込み
「スイングスピードが上がる効果的なトレーニング」についての
オンラインセミナーの動画を配信しています。
興味のある方はこの先へお進みください!
■セミナー内容
このような資料を用いて解説しています
特典内容
・セミナー動画(約30分)
■セミナー受講者の感想
科学的かつすぐに現場に活用できる内容であり、セミナーで学んでいただいたことを活かしていただければと思います。
では、こちらからどうぞ!
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