ロシア戦勝記念日の変化 (2000年〜2023年)
BBCのその年ごとの報道と、Wikipediaから調べてみました。
ロシアの戦勝記念日
ロシアの戦勝記念日は、第二次世界大戦におけるドイツの降伏を記念し、特に東部戦線の終了を祝う日であり、毎年5月9日に祝われています。この日はロシアで非常に重要な祝日で、軍事パレード、花火、コンサートなどが行われます。
2000年
2000年の戦勝記念日パレードは、ナチス・ドイツの降伏から55周年を記念して開催されました。このパレードは、モスクワ軍管区の指揮官であるイーゴリ・プザノフ大将によって指揮され、ロシア連邦の国防大臣であるイーゴリ・セルゲーエフ元帥によって検閲されました。このパレードでは、新たに選出されたロシア大統領のウラジミール・プーチンが演説を行いました。また、他の記念パレードとは異なり、このパレードには外国の元首や政府の代表、外国の代表団が出席していませんでした。2000年のパレードに参加した部隊は多岐にわたり、その中には軍楽団、退役軍人、各種軍学校の生徒や教官、さらには内務省の内部軍などが含まれていました。
2005年
2005年パレードのテーマは「ロシアは世界の平和を守る」とされていました。7,377人の参加者があり、その中には元老院議員や外国の代表団も含まれていました。パレードには多数の軍用車両や飛行機が参加し、それらの中には新型の装備も含まれていました。当時のロシア大統領プーチンはスピーチで、人類の運命を左右した戦争の英雄たちを讃え、全世界の平和を祈りました。出席者には、ウズベキスタンのイスラム・カリモフ大統領など、他国の首脳も含まれていました。
2010年
2010年のパレードは第二次世界大戦終結から65周年を記念したものでした。ロシア連邦軍参謀本部長のニコライ・マカロフ大将によって指揮され、ロシア連邦軍陸軍のヴラジミール・ボルジレフ大将によって監察されました。これは、当時のロシアの歴史で最大規模の軍事パレードであり、20の外国からの代表団が参加しました。出席者には、アルメニアのティグラン・サルギシャン首相などが含まれていました。パレードは2005年と同様の順序で行われました。
2015年
2015年のパレードは、ナチス・ドイツの降伏から70周年を記念するもので、大祖国戦争(第二次世界大戦)でソビエト連邦が勝利を収めたことを祝うものでした。パレードは、ロシア連邦軍総司令官セルゲイ・ショイグ大将により指揮され、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが閲兵しました。この年のパレードは、記念行事としては最大規模のもので、80年前に開催された最初のパレードを彷彿とさせるものでした。多くの高官や指導者が出席し、中には中国人民共和国の習近平国家主席も含まれていました。
2023年
2023年の戦勝記念日パレードは、ロシアのウクライナ侵攻と、国際刑事裁判所からウラジミール・プーチン大統領に対する逮捕状が発行されたことを背景に、規模が大幅に縮小されました。パレードには約51台の車両が出場し、その中にはIMVやRemdiesel Z-STS Akhmat MRAPなどが含まれていました。また、パレードでは唯一の戦車として、ソビエト連邦で1944年から1946年にかけて生産されたT-34-85が展示されました。飛行機のフライオーバーは2年連続で行われず、パレードは通常の1時間半から45分に短縮されました。また、ミサイルランチャーや大砲もパレードに含まれていました。
パレードには、ウクライナ侵攻における子供の誘拐の疑いで国際刑事裁判所から指名手配されているプーチン大統領を含む多くの人々が出席しました。また、ベラルーシのアレクサンダー・ルカシェンコ大統領、カザフスタンのカッサムジョマルト・トカエフ大統領、キルギスのサディル・ジャパロフ大統領、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領、そしてアルメニアのニコル・パシニャン首相などが出席しました。
プーチン大統領は、ロシアは平和、自由、安定の擁護者であり、あらゆる優越性のイデオロギーは本質的に嫌悪すべきであり、犯罪的で、致命的であると主張しました。また、彼は"西洋のグローバリストエリート"を非難し、彼らが"血なまぐさい紛争と混乱"を引き起こし、"攻撃的なナショナリズム"を教唆し、憎悪とロシア恐怖症を蒔き、伝統的な家族の価値を破壊していると非難しました。
以上が2000年から2023年の戦勝記念日パレードの違いを概略したものです。