このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。
今回のテーマは「不調を起こす慢性炎症」です。
●ケガや病気で起こる「炎症」とは?
▼炎症は身体の回復プロセス
風邪、肺炎、肝炎、胃腸炎、結膜炎などはすべて炎症による病気です。
捻挫や筋肉の損傷でも患部に熱感があり、腫れてしまう場合も炎症反応です。
患部が燃えるように見えることから炎症と名づけられました。
これらは身体に備わっている防御反応で、痛みを生じこともありますが機能としては必要なものです。
炎症とは身体にとって必要な反応です。
特に急性炎症は、一時的に起こる炎症は身体を守るために欠かせないものです。
炎症の4兆候として、腫れ、発赤、熱感、疼痛、また機能障害を加え5兆候といわれることもあります。
炎症反応は不快感があるかもしれませんが、ダメージではなく回復のためのプロセスです。
例えば、包丁などで誤って指先を傷つけてしまった際、身体は緊急事態と判断して炎症を引き起こす特定の化学物質を放出します。
これにより、損傷した部分に白血球が集まり修復し、病原体と戦います。
痛みや腫れ、赤み、熱が生じますがこれらは治癒過程の一部であり、身体が恒常性を回復するために必要な反応です。
細菌の感染やアレルギー反応に対して同様で、炎症が細胞内でも進行しています。
治癒が進み、白血球が病原体を排除すると急性炎症は数日以内に収まり、傷も治り、発熱が解消され体調が改善されます。
風邪はのどがヒリヒリすると思ったら、次の日から咳などが発症し、数日で収まります。
▼炎症と免疫システム
急性炎症は主に自然免疫によるものです。
自然免疫とは身体に異常が発生したときに真っ先に働き始める、第一の防御システムです。
この防御システムを担当するのが白血球です。
白血球には5種類あり、好中球やマクロファージというものは細菌などの異物を食べる能力に優れています。
食べた細菌を消化、殺菌することで細菌感染を防いでいます。
ナチュラルキラー細胞というリンパ球もあり、全身をパトロールしながらがん細胞やウイルス感染細胞などを見つけて攻撃します。
しかし、炎症が激しいと白血球中心の自然免疫では対処しきれないときがあります。
ここで、獲得免疫が活躍します。
獲得免疫は体内に侵入した異物に対して抗体をつくり、異物排除の仕組みをつくる免疫です。
獲得免疫で活躍するのは抗体をつくるよう指令を出すT細胞や抗体をつくるB細胞といったリンパ球です。
抗体をつくるにはある程度時間がかかるので炎症が長期化する場合があります。
時間がかかりますが長期的には良い面を持っており、異物を記憶し、再び同じ抗原が入ってきたときに素早い対処が可能になります。
一度麻疹に感染したら一生かからなかったり、ワクチンを打つと感染症にかかっても軽傷で済んだりするのは獲得免疫によって身体に抗体ができているためです。
外からは見えませんが免疫システムを活性化させ、感染症と戦っていることになります。
●不調を起こす慢性炎症
急性炎症で起こる腫れや赤み、熱感は怪我や感染症が治癒すると解消されますが、長引いてしまうものが慢性炎症です。
慢性炎症の症状は他の多くの病気の症状と似ているため、血液検査によって炎症の兆候を確認することになります。
慢性炎症は急性炎症のような腫れや赤みが見えませんが、緩やかに細胞や臓器にダメージを与えている状態です。
その兆候は疲労感、筋肉や関節の痛み、消化器官の不調、頭痛など、数か月や数年続くことがあります
このような兆候を早期に発見するように健康診断など、定期的な検査が勧められます。
急性炎症とは異なり、慢性炎症は免疫システムの役割が終わっても続くことがあります。
例えば、Ⅰ型糖尿病や関節リウマチなどの自己免疫疾患では身体が誤って自分の組織を攻撃するため、持続的な炎症が起こります。
その結果、痛みや発疹、組織の損傷などが現れます。
長期間にわたる慢性炎症は健康な細胞を損傷させます。
主な死因にあげられる心臓病、がん、脳血管疾患も何らかのかたちで慢性炎症が関連しているとされます。
その他、アルツハイマー病やその他の認知症、さまざまな種類のがん、うつ病、高血圧、アレルギーや喘息なども関連が考えられています。
最近の研究によると、炎症がメンタル面の健康に大きく影響するとされています。
長期間の炎症はアルツハイマー病などの神経変性疾患や不安障害などの精神疾患を引き起こす可能性があります。
不安障害を人は炎症の発症率が高いことがわかっていますが、不安が炎症を引き起こすのか、炎症が不安を引き起こすのかはまだ完全にはわかっていません。
動物実験では人工的に炎症を引き起こされたマウスは抑うつ状態や不安行動を示しました。
炎症を起こすタンパク質である炎症性サイトカインは気分の変化を引き起こし、うつ病や不安の元になります。
ネガティブな感情は傷の治りを遅らせて炎症が長引くリスクを高めます。
慢性的なストレスは炎症の主な原因の1つです。
不安な状態の脳は体内の炎症を引き起こしたり悪化させたりする可能性があるということです。
●炎症を起こすものと抗うもの。
▼慢性炎症の要因になるもの
慢性炎症を改善するために何かをプラスするよりも、まずは起こす要因になっているものを避けることが必要とされます。
その要因には次のようなものがあげられます。
・アルコール
適量のアルコールは楽しい時間をもたらしますが、飲み過ぎると腸に炎症を引き起こすとされています。
腸内細菌のバランスを崩し、脳にも影響を与えるものとなります。
血を上げて脳卒中や心臓病のリスクを高めることもあるので適量を守って楽しみましょう。
・乳製品
これは個人差があるものと考えられます。
乳製品に不耐症やアレルギーがある場合は発疹や蕁麻疹からアナフィラキシーショックまで様々な炎症反応を引き起こす可能性があります。
その一方、牛乳やヨーグルトは炎症を抑える効果もあるため問題がなければ必ずしも避ける必要はないものです。
・コーヒー
コーヒーには抗酸化物質が含まれており、炎症を抑える効果があります。
しかし、飲み過ぎや、砂糖、シロップを大量に入れすぎると逆効果になる場合もあります。
好みによりますが、ブラックで飲むのがおすすめといえそうです。
・喫煙
タバコは炎症にも深く関わっています。
タバコの煙には有害物質が多数含まれており、炎症悪化の要因になるとされます。
肺だけでなく、全身の炎症を引き起こし様々な病気のリスクを高めるものという見解が多いものです。
・孤独
孤独を感じ過ぎると身体の中で炎症が起こりやすくなります。
ストレスホルモンの増加や免疫力の低下が原因と考えられています。
▼炎症を抑えるための栄養素
身体をつくるもの、筋肉や骨はもちろん、ホルモンや血液なども重要です。
栄養面からみて炎症改善に役立つものは以下のようなものがあります。
・食物繊維
食物繊維は血糖値を安定させ、腸内環境を整える効果があります。
腎臓機能の低下は腸内環境の悪化、有害な炎症発症物質によるものともされていて、食物繊維により有害な炎症物質を防ぐことにもつながります。
水溶性食物繊維は水分を引き寄せて腸内でゼリー状の物質を形成し、消化を遅らせることで食欲を抑えることに役立ちます。
体重管理や糖尿病の予防にも効果的です。
不溶性食物繊維は腸内を掃除する役割を果たし、便や毒素を排出して健康的な腸内環境を維持します。
水溶性食物繊維を多く含む食品
豆類、サツマイモ、オーツ麦、梨など。
不溶性食物繊維を多く含む食品
全粒小麦、プルーン、ナッツ、葉物野菜など。
・抗酸化物質
抗酸化物質は身体の炎症反応を抑える役割を持っています。
植物性食品に含まれるこれらの微量栄養素は強力な抗酸化物質として働き、炎症性のダメージを軽減、または防止することができます。
特にポリフェノールは抗酸化作用があり、体内の酸化ストレスを軽減する働きがあります。
抗酸化物質が含まれる食品
ベリー類、トマト、ビーツ、赤キャベツ、サツマイモ、ハーブやスパイスなど
・タンパク質
タンパク質中心の食事は血糖値を安定させ、過剰なインスリンの放出を防ぐことで炎症を抑えます。
また、エネルギーを持続させ、満腹感を保つのにも役立ちます。
特に朝食で十分なタンパク質を摂取することで安定した血糖値にすることができ、炎症を引き起こす可能性のある炭水化物の急激な変動を防ぐことができます。
タンパク質が含まれる食品
卵、肉類、魚介類、豆類など
●まとめ
怪我や病気を治すための炎症反応ですが、急性、慢性によって身体を回復させるためにもダメージを与えるものにもなります。
バランスの取れた食事や適切な睡眠時間などのライフスタイルは体調にあらわれるものです。
身体が疲れる、頭が働かないといったときには炎症が関連しているということも一つの要因なのかもしれません。
・炎症は急性炎症と慢性炎症がある。
・慢性炎症が疲労感や頭痛、病気の原因になることがある。
・慢性炎症を起こすものを減らしていくことが大事。
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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/
本部著書&公式ブログ 監修・執筆
本部研修トレーナー 渡辺 久進
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