このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」
執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。
今回のテーマは「腹部のインナーコア」です。
●深層で働く腹部のコアマッスル
肋骨や胸椎で構成される胸郭と骨盤のあいだには腹腔と呼ばれる空間があり、そこには内臓が収まっています。
その空間内にかかる圧力のことを腹圧、または腹腔内圧といいます。
英語ではIntra Abdominal Pressureの頭文字をとりIAPとも呼ばれます。
腹部の筋肉は表層でわかりやすい腹直筋などがありますが、腹圧を高めるには腹直筋よりも深層に位置する、インナーコア、インナーユニット、インナーマッスル、コアマッスル、深層筋という呼ばれ方をする部分が働きます。
このインナーコアが腹腔を周囲から囲むようになっていて空間を円柱状に安定させます。
上部には横隔膜、下部には骨盤底筋群、側面から前面には腹横筋、背面の背骨部分には多裂筋という筋肉があり、ユニットとして機能をしています。
デスクワークなどで体幹の力を使わずに座っているようなことが続くとインナーコアが機能低下を起こし、不良姿勢になり、腕の動きの悪さや腰痛なども起こりやすくなります。
・横隔膜
横隔膜は肋骨と腹腔の逆目にあるドーム状の筋肉です。
息を吸い込むときは横隔膜がお腹の方向に向かって下がっていくことで胸郭内の肺の容量が大きくなり空気が入り込むことができます。
この横隔膜が下がる動きが腹腔内の内臓を動かしていくことになります。
横隔膜の動きがカタくなってしまうと下にさがることができなくなってしまい、その分、肺の容量が広がりません。
それを補うように首周りの筋肉を使って上方向に肺の容量を広げようとする方式をとるようになり、それが首こりや肩こりの原因の1つとなります。
反対に横隔膜が下がった状態が優位になり動きにくくなると肋骨が外側に広がったままで内側方向への可動域が低下する傾向があります。
横隔膜が下がらなくても、肋骨が広がり姿勢が崩れてしまっても腹圧はかかりにくくなっていくので身体は安定感をなくしていることが多くなります。
・骨盤底筋群
骨盤底筋群は骨盤の下からハンモックのようについている筋群です。
骨盤内にある子宮や直腸、膀胱といった臓器を下から支える役割をしています。
排泄に関わる症状で注目され、骨盤底筋群を意識した尿漏れ改善のトレーニングなども推奨されています。
女性の骨盤底筋群は男性と比べると長さがあり、薄くて弱いため出産や加齢で負担がかかったり、弾力性が低下したりしやすいといわれます。
・腹横筋
腹横筋はお腹の筋肉のうち、深層にある部分です。
お腹の中央でボコボコと割れて見えるのは腹直筋です。
その両脇に外腹斜筋、内腹斜筋という脇腹の筋肉があり、さらにその深層に存在します。
左右の肋骨下部、骨盤の側面からお腹の中心に向かってついており腹腔を外側から取り囲むコルセットのように付着しています。
腹横筋が収縮すると腹腔の容量が小さくなりウエストが絞られるような締まり方をします。
咳やくしゃみのときにも働く部分です。
・多裂筋
多裂筋は背骨に付着する筋肉で、背骨の一つ一つをつないでいます。
その細かい筋肉の集まりで、首から腰までの長い距離をつないでいます。
背骨を支える筋肉には脊柱起立筋という表層の筋肉がありますが、多裂筋は一番、深層に存在します。
持久力のある筋肉で背骨を安定させるように機能をしています。
多裂筋は骨盤の後面、中央にある仙骨を前側に傾けるように動き、骨盤底筋群のなかに仙骨を後ろに傾ける筋肉があります。
筋肉が互いに協力しながら仙骨の位置を安定させるようにコントロールもしています。
●インナーコアによる動きの安定化
運動時にスムーズに動くためには一つ一つの動作を展開していくなかで無駄なブレやぐらつきが少ないことが必要です。
たとえばサッカーやバスケットボールなどドリブルで相手をかわす時に余分な動きが入っていればその分、相手に対処をさせるための時間を与えてしまうことになります。
一見、滑らかな動作に見えていても連続写真のように身体の動きを切り取るとワンテンポ遅れてしまうような動きが出ていたりすることがあります。
反対に、相手を置き去りにしてしまうような動きをしているプレイヤーは余分な動きがなく、自分の動きをコントロールしているといえます。
競技自体のテクニックの差もあるかもしれませんが、それができるのも身体の安定させるところと動かすところが使い分けられていることがあると思います。
姿勢が安定せずに動作をしようとしても動く、ブレる、安定する、また動くといったことでは連続の動きにはなりません。
力が入るタイミングと抜くタイミングが適切に入っているとスムーズな運動動作になってきます。
●赤ちゃんからはじまるインナーコアの発達
インナーコアの発達はヒトの発達の過程で最初に獲得する機能の1つです。
大人は腰痛あったり背中がカタくなっていたりするという方は、仰向けに寝たときに腰が浮いているといった訴えことがあります。
赤ちゃんはどうでしょう。
赤ちゃんは仰向けになっているとき呼吸をしていてお腹全体が大きく膨らんでいるようになっています。
これは腹圧がしっかりとかかって中心を安定させています。
大人は赤ちゃんに比べて筋力はあるはずですが身体の中心部がなかなか安定しません。
それによって動くときに無理が生じて部分的に不具合を起こします。
インナーコアが機能しにくくなっていても外からの負荷によって筋肉は発達します。
外側の大きなパワーに対して内部が負けてしまうとその大きなパワーを活用しにくくなったりケガにつながったりすることもあります。
深層にある筋肉なので見た目で太く大きくなるとう発達よりもいかに活用されているかということが大切な部分です。
活用というのは、強い筋力よりも身体の動きに対して素早く反応をするかという速度が重要です。
日常で立ったり座ったり身体の向きを変えたりしていますが、そのときに体幹が安定していないと背骨への負担が増えていきます。
意識的にインナーコアを働かせているよりも、自動的に働いていることが必要で、この自動的に反応する速度が遅いと腰への負担がかかり腰痛を起こすということがいわれています。
●インナーコアで体幹の上下を水平に
腹部上には横隔膜、底辺には骨盤底筋群というのが腹腔のかたちでした。
背筋が伸びたスラっとした姿勢というと背中の筋力を使い、腰を反らせたようなかたちをイメージするかもしれません。
しかしこのようになると背面側は狭く、お腹側は広く開いたようになることで、腹腔のかたちが均等になりません。
姿勢がよく見えても背骨のS字カーブも過剰に反ったり丸まったりして一部に負担がかかるようになります。
腹圧はお腹に風船があるような状態なので、弱いところからは圧力が逃げていきます。
腹圧が適切にかかるためには上部の横隔膜と下部の骨盤底筋群が平行の状態になっていることが理想的な位置とされます。
前面には腹横筋、背面には多裂筋がありますがそれら4つの機能のどれかが低下するとその部分から崩れていきます。
●現代のストレスでもインナーコアが使いにくく・・・。
不良姿勢の代表、猫背というと丸くなっているイメージですが、全てが丸く姿勢が悪くなっているわけではありません。
インナーコアが機能せずお腹側が前に突き出て腰が反っているとう背中の上下で対になっている姿勢をしていうタイプのかたもいます。
横隔膜が下がったまま肋骨が広がってしまい、それに伴って骨盤底筋群や腹横筋も働きにくくなり、骨盤も前に傾いて腰が反ってしまうというつながりが考えられます。
現代はデスクワークのかたが多くなり、運動不足の傾向にあり、いろいろな身体の動きでインナーコアを働かせることが少なくなりました。
そしてスマートフォンなどで常に情報が入ったり、仕事の時間も早朝でも深夜でも可能になっていることがあり、それをストレスとして脳や身体が受け取り自覚はなくとも緊張状態になっているということもあります。
それが腹部を使う呼吸を減少させてインナーコアの働きを低下させ、背面の筋肉の緊張を優位にさせて過剰に反ってしまうことになります。
一方、背中の上部は反ってしまった下部とのバランスをとるために丸まる、頭が前にでる、デスクワークの影響で前かがみになるといったことが起こりやすくなっています。
インナーコアの機能低下によって姿勢の悪さが起こるということはありますが、それをつくってしまうライフスタイルにも原因があることも注目しておきましょう。
●まとめ
・腹部のインナーコアが姿勢を安定させる。
・インナーコアの機能低下は姿勢の崩れや腰痛などの要因になる。
・ストレスのかかるライフスタイルによってインナーコアの働きの低下も考えられる。
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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/
本部著書&公式ブログ 監修・執筆
本部研修トレーナー 渡辺 久進
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