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このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」

執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。


今回のテーマは「広背筋の特徴とストレッチ」です。


●背中のかたちをつくる、広背筋の機能


▼広背筋の付着と役割


広背筋は広い背中の筋肉という名前の通り、背面の60%程度を覆っているとされ、表面積が最も大きい筋肉といわれます。

大きさもあるのでパワーもあり、鍛えていくと背中の外側への幅ができ、いわゆる逆三角形のような形状になります。


広背筋の機能はいくつかありますが、背中を動かすといったことよりも肩関節を動かすことに多く働きを持っています。

背筋という名前を持ちますが、教科書的には肩関節を動かすための筋肉というカテゴリーに入ります。



起始:

胸椎6番~腰椎5番の棘突起、正中仙骨稜、腸骨稜の後方、第9~12肋骨、肩甲骨の下角

停止:

上腕骨の小結節稜

主な機能:肩関節の内転・伸展・内旋


▼広背筋による肩の内転の動き


肩関節の内転というのは腕が外側に広がった状態(このような動きを外転といいます)から身体に近づけるように、身体の中心方向に向かって動いていく関節運動です。

外側にある腕を下げるのは重力ですが、真下よりもさらに中心側に向かうのは関節を動かす筋肉の役割であり、それが広背筋の動きです。


お尻のポケットに手を入れる、トイレでお尻を拭く、腕を下方向から回すようにして背中を掻くなどは肩関節の内転運動になっています。


スポーツ動作では水泳のひと昔前の平泳ぎのように腕を外側から水を描いて後ろに押し出す動きやスポーツクライミングでホールドをつかんで身体を引き上げるときなどは肩関節の内転が伴っています。


▼広背筋による肩の伸展の動き


肩関節の伸展というのは腕を縦方向に後ろに振る動きです。

腕を正面側に伸ばす、持ち上げる動きを屈曲といい、伸展はその反対方向に動かすことです。

内転と同じく持ち上げた腕を下げるのは重力ですが、背中方向にさらに後ろに振り上げるのは重力に逆らうように肩の動きを使っています。


歩く、走る際に腕を自然に身体の後側に振って入れば伸展運動になります。

また、ドアを引いて開ける、大きな引き出しを引っ張るなどは意識をしなくても前から後ろ側方向に力が働きます。


スポーツではランニングなどで腕を振る、柔道で相手の道着をつかみ引き付ける、水泳のクロールで前方に伸ばした腕を後方に向かって動かし水を掻くという動きなどがあります。


この内転と伸展は外側から、または正面、上方から身体の中央、後方に向かって引きつける動きだということがわかります。


▼肩関節の内転と伸展に働くということは・・・


広背筋は肩の内転、伸展という動きに引き下げる、引き付けるということがわかりました。

この動きはどちらも上にある腕を下げるという動きなので、広背筋がカタく縮まってしまうと

腕を上げにくくなってしまうということが考えられます。

腕を上げたときに肘が曲がってしまう、上げたときに腰を反ってしまうというのは肩の動きが狭くなっている傾向があります。

適切な可動域は腕を正面からまっすぐ上にあげると真上に来る、つまり180度あがること、外側からあげていくと指先が真上に来る、こちらも180度あがることです。

このときに身体を後ろに反らせたり、横に傾けたりして代償するのは肩関節以外の部分で補っていることになります。

広背筋一つの原因ではありませんが、距離が長く大きい筋肉の影響は強いと思います。


▼広背筋による肩の内旋の動き


肩関節の内旋というのは肩が身体の内側方向に回るという動きです。


肩関節をつくる上腕骨の骨頭が身体の前側に移動しやすくなり、いわゆる巻き肩というかたちになります。

日常では意外と内旋する動きが多いものです。

胸の前で腕組みをする、肩にかけたカバンを支える、など腕を内側に向けておくことがあります。

内旋という動き自体は肩を滑らかに動かすため使い、スポーツでボールを投げたり、ダンスで動きを表現したりするのには必要なものです。

肩が内側に入っているのが悪いわけではなく、それが定着してしまって姿勢にあらわれてしまっているのが悪く見えてしまっています。

そのようになる一つには広背筋の付着のしかたの影響あります。



広背筋は脊柱である胸椎の下部と腰椎、骨盤の上側の部分から背中の下半分をマントのように覆って、上腕骨の前側にある小結節という部分までついています。

腰から肩まであるので距離としても長い筋肉です。

距離が長いことで肩関節の内旋が大回りになります。

回る際の円周が大きくなるので肩関節の位置も大きくずれやすくなっていきます。

肩をコンパクトに回すのは肩関節につく距離が短く安定させるための筋肉の働きです。

距離が短いので大回りにはならず、肩関節のずれを止めておくインナーマッスルが機能します。

広背筋のように筋肉の距離が長いタイプのものは回転の幅が大きいので遠くに向かって回ろうとします。

その分、大きなパワーがあり関節を大きく動かします。

一方で中心からはみ出しやすく、これが定着してしまうと方は前側に動きやすく巻き肩のような位置になってしまいます。


肩関節を安定させながら強い筋力を出すということで考えれば両方が必要です。

見た目としても広背筋が外側にあり、大きく動かしやすいのでそこに頼ってしまい、深層のインナーマッスルが働きにくくなっていることがあります。


姿勢をよくするため背筋を鍛えようとして広背筋に頼ってしまうと肩が内側に入っていくことを助長してしまうことがあるということです。


●背中のカタさを予防する広背筋のストレッチ


▼広背筋と姿勢の影響


広背筋の役割には骨盤の動きにもあります。

肩関節への作用では上腕骨が一端である骨盤方向に動きます。

反対に、骨盤が上腕骨側に向かって動くようなことも起こります。

そのような場合は骨盤が上半身側に引き上がり、腰が反っていくようにして近づきます。

広背筋が力み過ぎていることで背面が丸めにくく、立位体前屈で背中が曲がりにくかったり、しゃがむときにお尻が落としにくかったりすることなどが起こることがあります。

対称的に脊柱を支える力が弱いことも起こることがあります。

座った時に背中が丸くなって起こすための緊張が生じにくいときは広背筋の筋力の弱化が考えられることもあります。


猫背で背中の上から首にかけて丸まっている、一方背中の下側から腰にかけて反っているような姿勢、背中は反っているように見えて巻き肩のように腕が前に出ているような姿勢にときには広背筋の緊張やカタさがあることが考えられます。


姿勢が悪いからと背筋をしっかり鍛えようとしても腰の痛みがでたり、腹筋をしようとしてもうまくお腹に力が入らなかったりするときには、広背筋を緩める、背中を丸めるといったことから行うことが有効な場合があります。


▼しっかり伸ばそう!広背筋のストレッチ


広背筋は腕を下げる方向に働くため腕を上げたかたちにします。

付着している部分を離すように、腕と骨盤の距離を広げるようにして伸ばします。


●運動の連鎖、連動、背面のつながり


皆さんが歩く時に手足はどのような動きをしているでしょうか。

当たり前かもしれませんが、手と足を交互に振りながら前に向かって進んでいて、同じ側の手足を出しながら動くのは不自然だと思います。

これは広背筋を含めた背面の筋肉のつながりがあるからです。

背面の筋肉のつながりの一つに「ポステリアキネティックチェーン」と呼ばれるものがあります。

特に広背筋とお尻の大殿筋のつながりが運動時には活用されます。

手足を交互に出す際は、右腕を前に出す時は左足が前、残った左腕は後ろ、右足は前にきます。

このような動作は片側の広背筋と、その対角線側の大殿筋が働き背面側で身体の動きをコントロールしています。

野球のピッチャーがわかりやすいですが、右利きのピッチャーがボールを投げ終わったときは、左腕が後側に引かれ、右足が浮いた状態になっています。

これは左の広背筋と右側の大殿筋のつながりで身体を保持しています。

また投げるための右腕はテイクバックの際に広背筋でパワーをためておいて一気に開放するという動きをしています。



●まとめ


広背筋は背中を覆う大きな筋肉で鍛え上げれば逆三角形の形状になり、それに伴いウエストを細く見せる効果があります。

肩関節の動きでは引き付けるという動きに働きスポーツにおいても働きが必要です。

その一方、背骨の柔らかさを低下させたり巻き肩になる原因になったりするがことがあります。

しっかりと柔軟性を保ちながら筋力低下を予防しましょう。


・広背筋は腕を後ろ方向に動かす筋肉。

・スポーツ、運動時で背面の力で大きな力を出す。

・背骨や肩の動きのために広背筋の柔軟性が大切。

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ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

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