見出し画像

このブログでは、ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」執筆者が、本で書いたことの要点や、書ききれなかったことを、お伝えしていきます。

今回のテーマは「手の動きに関わるもの」です。

●手の中の骨と関節

手の骨の数は?数えてみると指が5本なので5本、ということにはならず、指には関節があるのでその部分で骨と骨が結合していことになります。
人差し指から小指までは3本、親指は2本の骨、計14本で構成されています。
足の指も同様で人差し指から小指までは3本、親指は2本です。
人によっては足の小指の骨が2本ということもあり、これは退化してしまったということのようです。
この先、細々した骨や筋肉の名前が出てきますが興味があれば手を眺めながら読み進めてみてください。

手の骨一つ一つに名前があり、手のひら側から基節骨、中節骨、末節骨といいます。
手でも足でもどこかにぶつけてヒビが入った、骨折したということであればどれかが傷ついているということです。
指の関節は指骨間関節という名称で、第1関節、第2関節というように呼ばれることが多い部分です。


指の曲げ伸ばしの筋肉は指屈筋、指伸筋という部類です。
屈筋というものは指を曲げるための役割をします。
指先を動かすためのものですが、その本体は腕から始まっています。
浅指屈筋という筋肉は前腕部からはじまり、人差し指から小指までの中節骨まで付着していて第2関節から折り曲げる働きをします。
深指屈筋という筋肉が重なるように付着して、こちらは指先の末節骨に付着していて第1関節からの動き、指先から動かす役割をします。

第1関節、第2関節のみで指先を折りたたむようにできるのはこれらを使い分けて動かしているからです。

深指屈筋が指先の末節骨、浅指屈筋が第2関節の中節骨を動かしますが、指の根元の基節骨を動かすには別の筋肉の働きがあります。
その一つが虫様筋です。
この筋肉の特徴は付着しているところが骨ではなく深指屈筋の一部である「腱」であることです。
(「アキレス腱」などと同様の「腱」、筋肉が骨に付着する手前の組織)
深指屈筋の腱からはじまり、指の基節骨まで付着しており、手の面積の中でかたちを持っている筋肉です。
指の第1関節と第2関節を曲げずに伸ばしたまま、指を根元から折り曲げてみましょう。
この動きが虫様筋を意識的に使った動きになります。


●短いけれどよく動く親指

親指を外に開いて反らせてみたときに手首のところにはくぼみができます。
これくぼみはタバコツボ、解剖学的嗅ぎタバコ入れというそうです。
くぼみの両脇で、皮膚を押し上げているのが親指の動きに機能する、長母指伸筋と短母指伸筋という筋肉の腱です。
これらは親指を反らすための筋肉で、前腕部に本体があります。
対称的に親指を曲げるためは、長母指屈筋、短母指屈筋という筋肉が働きます。
さらに手のひらを外側に大きく広げるためには長母指外転筋、短母指外転筋という筋肉が働きます。
親指を反らす、曲げる、外に開くというそれぞれに筋肉があり、微妙な動きをコントロールしています。
そのなかで親指を曲げる短母指屈筋、外に開く短母指外転筋は手のひらの中で筋肉の大きさが収まっていて、手首を越えて前腕までには付着していません。
手の中で筋肉の大きさがつくられているものは純粋に手の筋肉と考えられるものです。

手のひらを見ると、真ん中がへこんで親指側と小指側にふくらみがあります。
それぞれ母指球と小指球といい、いくつかの筋肉が集まったふくらみです。
母指球筋には短母指外転筋、短母指屈筋、母指対立筋、母指内転筋があります。
小指球筋には小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋と短掌筋があります。

母指球筋と小指球筋の個々の名前は、大部分が筋の働きや指の働きからついています。
屈筋、外転筋、内転筋、対立筋といったものです。


●指を閉じたり開いたりも関節運動

外転筋というカテゴリーに当てはまる筋肉があります。
たとえば腕を身体の側面から外側にむかって上げる動作、身体の中心から外側に離していく動きを外転といいます。
反対に外側にあるものを身体の中心に向かって動かすことを内転といいます。
指の動きにも外転と内転という動きがあり、親指を外に広げる動きは母指外転筋が使われるものでした。

五本ある指の中心には中指があり、それが手の中心軸とされています。
中指を基準に、外側に広がることが外転、中指に向かって指が閉じることが内転になります。
中指に向かうか離れるかになるので、親指と小指では反対方向に向かう動きをします。
親指には母指外転筋、母指内転筋という親指専用、小指の外転には小指外転筋というそれぞれ専用の筋肉があります。
人差し指と薬指の外転と内転、小指を内転する筋肉には、手のひら側の掌側骨間筋、手の甲側の背側骨間筋という筋肉が使われます。
手の甲から骨が触れますが、その骨と骨の間にある筋肉です。
中心にあり、人差し指と薬指に挟まれている中指もそれぞれの方向に動くことができます。

●発展を支えた母指と小指の対立

指には対立と表現される動作があります。
いろいろな漢字の組み合わせの筋肉が多いですが、母指対立筋、小指対立筋というものが存在します。
指の対立とはいがみ合っていることではなく、近づいていく動きになります。
親指と小指の腹が向き合って近づいていくことをさします。
母指が他の指と向かい合う対立運動は、霊長類でもオラーウータン、テナガザル、オナガザルくらいで他のサルでは十分な動きができないといいます。
原猿といわれるメガネザルなどでは対立運動ができず、枝を握れないとされています。


人の手と指先を使い、つかむ、つまむ、握る、つねる、捻るといったことができます。
ボールをつかむ、細い糸などをつまむ、皮膚をつねるなどの動きは母指と他の指の腹が向かい合わせになる動きです。
母指対立筋以外の、母指外転筋、短母指屈筋などもが細かな作業に働いています。
このような対立運動が発達してきたことで我々の祖先は道具を使うといったことが可能になり、発展をしてきたといわれています。

●解剖学にみた手相

手のひらにはいくつもの深い溝があります。
生命線や運命線と呼ばれる手相とされるものですが、解剖学では皮線(ひせん)と呼ばれます。
手首や指の関節部分に対応する皮膚には1~2本の横方向の皮線が見られ、それぞれ名前がついています。
手のひら側の手首には2~3本の線があり、掌側手首皮線と呼ばれます。
指の関節部分にも皮線があり、母指指節間皮線、近位指節間皮線、遠位指節間皮線という名前があります。
手のひら握ってグーをつくる時に手のひらを横切る深い溝ができます。
それの皮線であり、親指側から中央に向かう線を近位手掌皮線、手相でいえば頭脳線といわれるものです。
小指側から中央に向かう皮線は遠位手掌皮線で、手相では感情線と呼ばれます。
生命線にあたる部分は母指球皮線、中央の運命線にあたる部分は正中皮線という名前があります。
これらは手の皮膚を動きに合わせて溝が深くなったり広がったりします。
手相は過去や未来を見ることができるとともに、手の運動をかなえるものです。


●手のひらのしわにも役割がある

手のひらには明確な皮線以外に細かいしわが数多く見られます。
これは表層が盛り上がった細い線です。
指先ではこの細い線が指紋をつくっています。
この細い盛り上がった線は皮膚隆線といわれ、手のひらでは大部分がほぼ平行に走っています、掌紋をつくられています。
皮膚隆線は角質層の隆起でその中央には汗腺管が並んでいます。
手や指がしっとりしていて紙などがめくりやすいのはこのためです。
水仕事のやりすぎや薬品によって指紋が消えたようになると手指がつるつるになってしまいます。
この皮膚隆線は物をにぎったりつまんだりする手の動きには欠かせないものなのです。

●まとめ

他の身体の部分でもあることですが、似たような名前の筋肉名がたくさんあるのが人の手です。
それだけ様々な方向に器用に動かすための筋肉が備わっているのだと思います。

・指には細かい骨と動かす筋肉が備わっている。
・対立ができることで運動の幅が広がる。
・手相やしわも手を動かす役割がある。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ストレッチ専門店ストレチックス
https://stretchex.jp/

本部著書&公式ブログ 監修・執筆

本部研修トレーナー 渡辺 久進

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★ストレッチ専門店ストレチックスは、全国展開中の”アナタの街のストレッチ専門店”。ボディワーク経験者を積極登用する「高い専門性」と、指名料なしの完全担当制による「高い個別性」がウリ。「マッサージ店と何が違うの?」「競合他店との違いは?」「お客様の声は?」について知りたい方は、次のページからご確認ください!

今なら特別価格でご利用できる!詳しい情報はここをクリック! <

▼LINE友だち登録で、ストレチックスの初回利用が超おトク!

▼ストレチックス本部著書「70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ」全国書店・アマゾンで発売中!

#ストレッチ専門店
#ストレッチ整体
#ストレッチマッサージ
#ストレッチトレーニング
#ストレッチジム

いいなと思ったら応援しよう!