ブライヌイ「名古屋港の史跡」
場所:名古屋港
所要時間:2時間程度(徒歩)
以前、自転車で名古屋港に出かけた際に、運河の橋の跡というのを見掛けていて、そういえば名古屋港は発展とともに随分形を変えていった港である事を思い出し、その痕跡を探しに出掛けてみることにした。
写真は名古屋港から少し北、築地口駅近くに設置されている二代目南極観測船「ふじ」の予備錨。
ふじは昭和40~58年まで南極大陸の観測に従事。
以前このnoteにも書いた「七里の渡し」のあった辺りに、かつて熱田港という港があった。江戸時代以前の名古屋の玄関口は熱田港であった。
それを南へ大幅に拡張して名古屋港に発展させたようだ。
現在の名古屋港は広い港湾エリアの総称であるが、南北に走る二つの中川運河と堀川に挟まれた突端部分が、熱田港を拡張して作られた最初の名古屋港の原型であろう。
この二つの運河を横につないだ運河・用水路がいくつかあったようで、以前見掛けたのはそこに架かる橋の跡だった。
これだ。平和橋。地下鉄港区役所駅のすぐ近くにある。
昔はこの下を運河が通り、二つの大きな運河を繋いでいたようだ。
現在は埋め立てられて、とても綺麗でのどかな公園として整備されていた。
歩いていてとても気持ちの良い公園だった。
近隣にはマンションも多く、大きなショッピングモールもある。
子供たちがたくさん遊んでいた。
ふむふむ。
名古屋汎太平洋平和博覧会というのがあり、このエリアが整備されたらしい。
イベントを打つことで埋め立て費用などを回収したのか?
おお。徳川園のあの建物はここにあったのか!
更に南へ移動すると、もう一本の橋と運河跡を見ることができる。
こちらは港橋というようだ。地下鉄名古屋港駅のすぐ近く。
一つ前の平和橋周辺は新しい公園として整備されていたが、こちらは運河跡に建てられた建物も随分旧くなっている印象を受けた。
昭和レトロな建物がお好きな方はこちらの周辺がオススメかもしれない。
南極観測船「ふじ」と、名古屋港水族館。
以前南極観測隊員のお話を直接伺ったことがある。大変興味深いお話がたくさん聞けたので、機会があればその時の話をまとめてみたい。
(南極の氷でウィスキーを頂きながら、2時間ほど質問攻めにした。)
この「ふじ」が係留されている辺りが明治40年に作られた名古屋港の原型であった事を示す説明板。
そしてどうしても見たいものがもう一つあったので、名古屋港の東側の運河、堀川の方へ歩を進める。
名古屋港跳上橋。
これも以前通り掛かって時に遠目に見えていて、気になっていた。
現存最古!しびれる。
そうか、現在は終点である名古屋港駅には更に続きがあり、この跳上橋の上を走っていたのか。
地下鉄名港線の敷設に伴い、路線の整理がなされ、この区間は廃線となったようだ。
普段乗っている路線の先が、(直接ではないが)ここに繋がっていたと想像するだけでワクワクするじゃないか。
いつかこの廃線跡を辿ってみようと思いながら、この日はフィニッシュ。
周辺は現役の倉庫街で、働く街という雰囲気がとても良かった。
港というのは運搬システムなどが常にアップデートされ、それに合わせて地形もダイナミックに変化していく。
古い設備、それまでの地形などを上手に活かしながら常に最新の運搬システムが構築されていく。
島国ニッポンの、成長し続ける細胞のような。とても大事な部分を見た気がした。
撮影時期:2021年9月
-------
【ブライヌイ】
歴史散策が好きで、妻と史跡などを探して町をブラブラしています。
事前に調べ上げて出発するのではなく、大雑把な前情報だけで見切り発車。
駅前の歴史散策マップは必ずチェック。
場所が分からず右往左往する事も。
そんな時間を楽しんでいます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?