『ああ、ワタシは思想のない人間に成り下がってしまいました』ボカロPとして活動できてない1年間を振り返る
ああ、ワタシは思想のない人間に成り下がってしまいました。
この記事はこの一年間、ボカロPとして言うほど何も活動できなかったワタシの思う所を書いていこうと思います。この瞬間だけはちゃんと思想を露出して、せめてこれからこの記事を読んでいただく皆様の見世物となれるよう精進いたします。
「今年一年間何をやってたんだ」と思われるかもしれないので、ついでに今年の振り返りも兼ねて書いていこうと思います。
この記事の推奨読者
この記事の推奨読者だけ一応先に列挙しておきますね。
最初、対象読者と書こうと思ったのですが、正直どの人が読んでも後ろ指を指して笑えるくらいには面白い内容となっています。
その上で、以下の方にはそれぞれ刺さるものがあるのかなと思います(多分刺さり方は違いますが)。
「創作をやらなくなって久しい方」
「周りに創作をやっている人がいるけど自分はやっていない方」
「クリエイターしか勝たんと思っている方」
自己紹介から
思想のない人間らしく、何の脈絡もなくとりあえず自己紹介からしていこうと思います。
kasaikou(かさい)と言います。Twitterなんかだと「ボカロP・絵描き・動画師・プログラマ」という肩書を持って色々なことをできる限り楽しんでいます。
私事(いやまあボカロPも私事だが)ですが、ワタシは晴れてこの4月から晴れて新社会人になりまして、初めてで念願の一人暮らしをしております。仕事はバックエンドエンジニアを自称しながら色々やっております。
今年のワタシの趣味はいわゆる「可視化」を支出とか人間関係といった実生活に取り入れるのが趣味です。
たとえば、Notion で日記を書けば、誰といつどんなことをしたかを記録しています。元々ワタシ自身記憶力がよくないのでどこでどんな人と出会って、その人はどんな人だったのかを忘れてしまうことが多く、その反省の意味も込めて始めてみたのですが、Notion を使って管理するとこんな感じのグラフもかけたりします。
細かい考慮もなくはないのですが、概ねボーマス(特に超ボーマス)の時にかかわった人が急増する、というわかりやすいグラフになりました。
あと、最近では絵を描いたりします。ワタシの場合は自分で使っていたこともあり特に鏡音リンの絵が多いです。
今年1年を振り返ってみる
さて、それではさっそく今年一年を振り返っていこうかと思います。振り返ろうと思えば元旦のおみくじから振り返ることができるのですが、そんなことをしても仕方がないので、すでに絵を紹介してしまったのでここからは簡単に3パートに分けて紹介していこうと思います。
ボーマス・ボカスト関係
今年参加したボカロ系のイベントは以下の通り。個々の細かい思い出を振り返ることもできるのですが、あまりにも長いので割愛。先ほどのグラフからもわかる通り、どの会も打ち上げなどを通して色々な人の話を聞くことができました。
3月 ボカスト(売り子として参加)
4月 超ボーマス(ブースを出してCDを販売したほか、超オフ会に参加)
7月 ボーマス(一般参加)
11月 ボーマス(一般参加)
特に4月と11月のボーマスに関しては、遠方からやってきたボカロPを家に泊めてお泊まり会をしたりもしました。
動画関係
今年はボカデュオで動画を作ったりしました。何気にはじめての After Effects だったので慣れない作業が圧倒的に多かったのですが、とりあえず完成して今となってはほっとしています。
また、今年はテックカンファレンスでセッション前のカウントダウン動画を担当させていただきました。特に、Platform Engineering Kaigi 2024 に関しては今年から初開催されるテックカンファレンスとしてTrack B の司会進行もさせていただきました。これは本当に貴重な経験となりました。
ホームパーティ関係
今年は一人暮らしを始めたのを良いことに、ホームパーティを開きまくりました。
ホームパーティ開催回数: 6回(ボーマス等イベント参加のための宿泊回を除く)
うち宿泊者が発生した回: 3回
のべ参加者数: 19人
超ボーマス・11月ボーマスでお泊まり会を別途2回実施(のべ参加者数: 6人
のべ合計宿泊者数: 12人
当初の予定では月に一回、と言ってはいたのですが、実際には1年で8回なので、目標には届きませんでしたが、それでもかなりの回数ホームパーティやお泊まり会を実施できたと思っています。
基本的には話したことのある人であれば割とラフに泊めちゃっています。そしてほぼ毎回、夜まで楽しむゲストの方向けにカモミールティーを提供したりなど、その都度楽しんでいます。
作曲は?
さて、ここまでのキラキラ映える暮らしぶりとはおさらばして、年貢を納めてまいりましょう。
ワタシは曲を公開しなくなってから久しいです。表に出していないだけでDAW は触っていて新しいプラグインなんかも買っていたのですが、どうにも作曲が進まなくなってしまいました。
購入して増やしていったプラグインの力もあり、中身のない曲であれば上手く作れるようになりました。しかし、本当に伝えたいことの一つもない、中身のない曲ばかり増えていきました。ワタシは、何かを残しておきたいことがあるから歌にして形を残したい、という気持ちで作曲をしていたので、どれほどいい音の曲ができてもワタシにとっては無意味なものばかりでした。
つまるところ、音はよくなったのに満足のできる曲は書けなくなっていたのです。
思想のない人間
昔のワタシには、ボカロを作り始めて色々なボカロPと仲良くなっていくにつれて「こんなにも面白くて芯のある自分の考え方を持っている人たちがいるんだ」と思うと同時に、「今まで会ってきた人たちは本当に中身のない人たちなのだ」と嘲笑する時期がありました。
実のところ、今もその考え方は大きく変わっていません。実際、会って話す人はその人なりの考え方があって、やりたいことや目指したいことがはっきりしていて芯のある人ばかりでした。
しかし、思想がある・ないで語るのはあまりにも稚拙だと思うようになりました。創作者の思想は全体的に強いと思う点は変わらないのですが、それと同じくらい、曲で自身の考え方や伝えたいことをはっきりとさせていた、ということが大事なのです。
つまり、今まで会ってきた人も表に出していないだけで思想のつよい人はいたのかもしれない。そう考えるようになりました。しかし、これは逆に、歌を通じて自分の考えを表に出さなくなった自分は、思想のない人間になってしまった。ともいえます。
結局、何をもって思想がつよいのか、という点の違いであるためどちらが正しいという話ではないと思います。ただいつからか、ワタシは満足のいく歌が作れない自分のことを後ろ指で刺しながら自嘲するようになってしまいました。
ああ、ワタシは思想のない人間に成り下がってしまいました。
この気持ちは前半に述べたようなキラキラした暮らしぶりで埋めることはできませんでした(できていればきっとこんな記事も書かないでしょう)。
ただ、勘違いされたくないので最後に一言。
ワタシは歌を作ることをあきらめたわけではありません。それゆえに、「今の楽しい日々を守るために物を作り続けなければいけない」そんな風に考えることもしばしばあります(実際どうなのかはわかりませんが、少なくとも同じ創作者として同じ場所にいられなくなってしまいます)が、正直今更という感じです。
ですので、自分自身の嘲笑に後ろ指をさされながら、後ろから色々な人に追い越されながらですが、これからも自分のペースで創作をしようと思っています。
この記事における教訓
最期無理やりいい話風にまとめましたが、口に出していなくても、思っていたことが自分に跳ね返ってくる日々はつらいです。
ワタシは割と手遅れかもしれませんが、みなさんは嘲笑などせず作りたいという動機だけで創作活動を続けてくださいね。