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えっ!業務分掌ってあんまり使わない言葉なの?

あなたは「業務分掌」ってご存知でしょうか?
業務分掌(ぎょうむぶんしょう)とは、企業や組織において、各部門や担当者ごとに業務の範囲や責任を明確に分けることを指します。これは、業務の効率化、責任の明確化、円滑な運営を目的としています。
みたいな内容なんですよ。

業務分掌をしっかり書いておくと、人事異動や急な退職者が出た時に非常に役に立ちます。あと、新しい組織とか事業とかだと「そのボール、誰が拾う?」となりやすいので、大枠でいいので決めておくのがオススメです。


で、タイトルの話に戻りますと、「人事異動や新しい人が入ってきますし、業務分掌の整理が必要ですね〜」なんてチャットで言ってたら、『え、なにそれ。ぎょうむ・・・何て読むの?』となったんです。


あれ?業務分掌ってあんまり使わない言葉なんですか?
冒頭の説明をお伝えしてみても『なるほど、わかったようでわかんない。』と言われてしまいました。

どうしよう、うまく説明できないぞ。業務分掌の実際のものをお見せする・・・うん、もっとやさしく説明してほしいと?

そうだ、物語にすることで説明のアプローチを変えてみよう!


ということで架空の物語を書いてお伝えしたところ、意外と有りでした。相手が聞きやすい伝え方ってあらためて色々ありますね。まさか物語が良かったとは思いもしませんでした。相手に合わせて伝え方を変えられる柔軟性を持てるように努力しないとな、と思った次第です。


話はここで終わりなのですが、せっかくなのでつくった架空の物語、置いておきますね。


新入社員の山田さんには、入社して経理に配属され3ヶ月経っても理解できないことがありました。

頼まれた仕事でわからないことがあっても、誰に聞いていいのかわからないのです。先輩の鈴木主任に聞いたら「あー、これは◯◯さんに聞いて」と言われたり。◯◯さんに聞くと「え、俺、これわかんないよ。ごめん!」とたらい回しになってしまうことも。
結局1人でわからないなりにやることになってしまい、「これで合ってるのかな...」と不安で仕方ないのです。


「どうして皆、自分の仕事をそんなにスムーズにこなせるんだろう...私が要領悪いのかな。」


ある朝、山田さんが悩みながら資料を確認していると、営業部田中さんが慌てた様子で駆け込んできました。

田中「すみません!A商事の新規案件の見積書、誰が担当しましたか?」

山田「え?見積書...あ、私、先週金曜に送りました!」

佐藤「えっ!?私も先週木曜に出してるわ!」

鈴木「...申し訳ありません。私も水曜に送っています」

一瞬の静寂の後、田中さんが青ざめた顔で言いました。
「やっぱり!クライアントから『なぜ金額の違う3つの見積書が届いているんだ』って言われてます!!」


これは緊急事態。経理部で緊急会議が開かれました。
そこに営業部兼新設のDX課から斉藤課長も参加します。

斉藤課長がホワイトボードに図を描き始めました。

「こういう混乱、実は前職でもありました。でも、こんな風に『地図』を作って解決したんです。」

斉藤課長は、まるで街の地図を描くように部署と役割を書き出していきました。

「例えば、皆さんが住んでる街には、それぞれの店の役割がありますよね。パン屋さんはパンを作り、八百屋さんは野菜を売る。コンビニは深夜も営業する。」

「会社も同じなんです。経理部は家計簿をつけるお母さんのように、会社のお金を管理する。営業部はお父さんのように外で新しい仕事を探してくる。総務部は、家族みんなの予定を把握して調整するお姉さんのような存在...」

会議室で聞いていた全員が、少しずつ頷き始めました。

「これを『業務分掌』と言います。簡単に言えば、会社の中の『誰が、何を、どこまで』担当するのかを、地図のように描くことです」


斉藤課長は続けます。

「でも、家族だって、お母さんが具合悪い時は、お姉さんが家計簿をつけることもありますよね。だからカバーし合う範囲も決めておく必要があります。あらかじめ決めておけているからこそ、通常時も動きやすくなるんです。正直面倒ではありますが、明日の自分たちが働きやすくなるためと思ってやりきりましょう!」


全員で意見を出し合いながら、新しい「地図」作りが始まりました。
経理部ではまず3つの観点で決めていくことにしたようです。

  • 「レポートライン」を明確にする(例:請求書の最終確認は経理部の主任以上が担当。山田さんの請求書の最終確認は鈴木さん、など。)

  • 「協力体制」を設計する (例:担当者が休みの時は、事前に決めた代理者が対応)

  • 「チェックの仕組み」を構築する (例:重要書類は必ず2人以上で確認)

1ヶ月後、新しい「地図」が完成しました。

山田さんにとって「地図」ができたことで起きた最も嬉しい変化は、分からないことがあった時の「道順」が明確になったことです。「この案件については◯◯さんに聞けばいい」「この決定は△△さんの承認が必要」といった具合に、仕事の進め方が見えるようになったのです。


1年後、山田さんは新しく入った後輩に自信を持ってこう説明できるようになっていました。

「私たちの会社には『地図』があるんです。その名前は業務分掌。道に迷った時は、この地図を見れば、誰に聞けばいいか、どう進めばいいかが分かるんです。だから悩まずに、遠回りせずに、安心して前に進めるんですよ。」

                                終。



どうでしたでしょうか?
いつかもっとじっくり時間をかけて具体例入れて書いてみたいな、と思います。

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こじま りょう | 司会 × DXコンサルタント
ありがとうございます!記事書く時のコーヒー代にさせていただきます!