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【強い経理】業務改善プロジェクトに際して、よく受ける質問。
こんにちは、きくちきよみと申します。
税理士です。
(トップ画像は、4年前に撮影した明治神宮外苑のいちょう並木です。)
前回、業務改善プロジェクトの実際運用の際、よく起こるトラブル例について書きました。
書きながら思い出したことがありましたので、今日は「業務改善プロジェクトに際して、企業の方からよく受けるご意見・ご質問」と、そのご意見・ご質問について思うことを書いてみたいと思います。
なお、この「自分が思うこと」は、「強い経理」を目指す企業に対して説明することを前提としています。
↓↓↓ 本マガジンにおける「強い経理」の定義
Q:当社の経理業務がうまく回らないのは、会計ソフトが合わないせいです。何か良い会計ソフトはありますか?
A:会計ソフト以外の要因も含めて、いちどすべて点検してみましょう。
同価格帯の日本の市販の会計ソフトを利用する限り、基本的な機能にそれほど違いはありません。もちろん、各企業の事業形態や人材に合った会計ソフトを選んだ方が良いですが、明らかに経理業務が「うまくいっていない」状況の場合、会計ソフト以外にその要因があることがほとんどです。
会計ソフト以外の要因も含めて、いちどすべて見直してみる必要があると思います。
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Q:業務改善プロジェクトの企画をプロに頼んだら、斬新なアイディアを出してくれるんですよね?
A:残念ながら、斬新なアイディアはありません。「基本中の基本を、その会社でどのように運用するか」を考えるのがプロの仕事です。
業務改善プロジェクトのご提案内容をご説明すると、「そんな普通なやり方をするんですか?」「もっと手順は省略できますよね?」というような反応を頂いてしまうことがあります。企業側の立場から、そのように考えることは非常によくわかりますが、「強い経理」に近道はありません。
「経理業務の基本を、それぞれの会社でどのように組み込めば運用できるか」を考えて改善案を考えます。他に方法がなければ、基本的な方法(=地味で愚直な方法)をご提案することもあります。
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Q:書類や数字の話なんだから、経理部だけでやれば良いですよね?他の部署は通常業務で忙しいから、関わらせないようにしてください。
A:経理部は、単なる「書類・数字のゴール」です。スタートからゴールまで、適切なルート・手続きで書類と数字が届くようにしなければ、意味がありません。
これは非常によく頂くご意見ですが、「そんなの経理だけでやれば良いんじゃない?」ということです。当たり前ですが、最終成果物の試算表や決算書があっても、その成果物に至るまでのプロセスが明瞭・明確でなければ、その成果物の信頼性も揺らいでしまいます。
経理部以外の部署においても、書類や数字も含めて「通常業務」なので、その理解が深まれば良いなと思います。
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Q:ダブルチェックやミスの精査は会計事務所や顧問税理士さんにやってもらえば良いですよね?
A:最初のうちはそれで良いこともありますが、できるだけ社内で完結するように考えた方が良いと思います。
会計事務所や顧問税理士さんのチェックでミスに気づく→修正する、というプロセスでも、何の問題もないこともあります。ただ、会社の外部の人は社内にずっといるわけではないので、会社内部の本当の事情やフローを知らないことも多いです。最悪の場合、重大なミスや不正に気づけないこともあります。
可能な限り、社内で完結するようなフローを「最初から」考えるようにするのが望ましいと思います。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
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