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【経理】"前任者通りの作業" という説明は、1年目で終わり。

こんにちは、きくちきよみと申します。
元・舞台照明家→事業会社経理(いろいろ)→会計事務所・税理士法人(いろいろ)→税理士法人代表です。

経理部はスタッフの入れ替えがあることもあると思いますが、新しく経理担当になったスタッフは、どうしても「前任者同様」の作業になりやすいと思います。

今日は「1年目は意味がわからなくても前任者同様の作業でやむを得ないが、2年目以降は、理解を進めて業務改善を進めないと、ミスや不正の温床になる」ということについて書きます。


1年目の「前任者同様」は、仕方ない。

経理スタッフの入れ替えがあった場合、新しい担当者は「とりあえず1年目は『前任者同様』の作業をする」という判断になることはやむを得ないことでしょう。

転職経験が多いのでわかるのですが、会社によっては作業マニュアルがないことも多々ありますし、マニュアルがあっても、各作業の意味を誰も正確に理解していないこともよくあります。「この作業は、何の意味があるのか全く意味がわからない」ということが頻繁に起こり、「数か月後にやっと意味がわかった」ということもしばしばあります。(数か月後にも意味が理解できないこともあります。)

特に経理の場合、「毎月やっている意味不明作業が、実は年度決算作業のためだった」ということもあったりするので、1年経過しないと意味・意義が理解できないこともあります。

難しいところですが、同じ "経理部" であっても会社が変われば大きく変わり、手順・進め方・その企業特有の論点の違いがあったりするため、経験豊富な経理スタッフであってもその意味を読み取れないこともあります。どのような経験値の経理スタッフであっても、どうしても「1年目は放置する」状態になってしまうのは、やむを得ないことだと思います。

もちろん、1年目から「無意味な作業」「理解不能な作業」を即座にやめていくことができる方もいらっしゃいます。そのような方は「実はその作業は必要だった」ことが判明しても、うまくリカバリーできるように事前準備・事前検討されています。

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2年目以降は、業務改善を進める。

1年を経過したら、2年目以降は「無意味な作業」「理解不能な作業」はどんどんやめていくべきだと考えます。

自分が事業会社経理だった頃は、諸先輩方が無駄作業を削っていったり、手順を簡素化するのが得意な方ばかりでしたので、それが当たり前だと思っていました。ただ、顧問税理士として会社の経理部の方と接すると「これは10年前に退職した前任者がやっていた作業ですが、意味はわかりません」「この作業は二度手間なのでやめたいのですが、やめるタイミングを失っています」というお話を伺うことが驚くほど多いです。

やめ時を失う前に、とりあえず「意味不明な無駄作業は、2年目からやめてしまう」と決めてしまうのが大事だと思っています。

「実は必要だったらどうするんだ」「後で何が起きるかわからない」という意見もあると思いますが、その場合は、上司や経営者に説明をして了承してもらってからやめれば良いだけです。また、顧問税理士にもひとこと相談するのも必要かと思います。(以前に顧問税理士さんがスポットで依頼した資料を、永遠に作成しているだけのこともあるからです。)

また、意味不明な無駄作業を継続することは、本当に必要な作業への影響が避けられず、作業ミスを誘発することもあります。また、単なる「無駄作業」ならまだしも、結果的に何等かの不正に加担してしまうこともあります。「理解できない作業」の中には、「実際の取引」と「手続き」が不一致だから違和感を感じるものも含まれています。「実際の取引」に合致しない作業をすることにより、取引のあり方を捻じ曲げてしまいます。そこには不正の可能性もありますので、正しい理解を進めることは非常に重要です。

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誰も触れずに "ブラックボックス" 化する前に。

意味がわからない状態なのが何年前のことであろうと、前任者の時代からのことであろうと、自分がその仕事を担当している間は、すべて理解した状態で仕事を進めるのが望ましいと思います。意味がない(と自分が感じてしまう)作業をやることは、精神衛生上も悪影響ですし、時間の無駄です。

そして「今はとりあえず放っておこう」を何度も続けると、あっという間に "ブラックボックス" 化してしまい、改善する際にも非常に手間・手数がかかってしまいます。

意味がわからない作業、意義を感じない作業は、見直し検討を進めていくのはいかがでしょうか。


最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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