カイ説 般若心経 14


梵:tasmād aprāptitvād bodhisattvānāṃ prajñāpāramitāṃ āśritya viharaty
  a-cittā varaṇaḥ.
漢: 以無所得故。菩提薩埵。依般若波羅蜜多故。心無罣礙。
日:「得る」ことがないので、《菩薩》は《般若波羅蜜多》を頼りとして、
  心を妨げるものを取り払う。


 《智慧》が消滅し、それによって得られた「真理」が消滅してしまったので、《菩薩》は《般若波羅蜜多》に頼ることになる。《菩薩》は「メタ認知で悟りに到った境地」を以て、心を邪魔し妨害するものを取り払う。

 さて、《般若波羅蜜多》によって取り払われる、「心を妨げるもの」とは何であろうか?
現代風にいうなら「認知の歪み」であり、より具体的にいうと「《智慧》(jñā)によって得られた特定の世界観に己の認知を支配されること」である。

 己の《智慧》による歪みを《般若波羅蜜多》によって自覚し、分析し、修正する。そのとき指標になる基準が《空》である。

いいなと思ったら応援しよう!