熟睡が出来る物語⑧「花畑の夢」

あ
る日のこと、リリーという名前の小さなウサギが、自分の住む美しい花畑で遊んでいました。花畑は朝日の下でキラキラと輝き、鳥たちの歌声が響き渡り、風が穏やかに花々を揺らしていました。リリーは好奇心旺盛なウサギで、新しい発見をするのが大好きでした。

しかし、その日、リリーは花畑の一角が枯れていることに気づきました。普段ならば色とりどりの花々が咲き誇るその場所には、ただ枯れた茎と葉だけが残っていました。リリーはとても心配になり、すぐにその原因を探そうと決めました。

リリーは森を探索し、花々が元気をなくした理由を探し始めました。森の中は魔法のような美しさで、きらめく小川や、木々の間を飛び跳ねる小鳥たち、ゆったりと歩く鹿の姿など、リリーの心を喜ばせる景色が広がっていました。

数多くの冒険を経て、リリーはとうとう川辺にたどり着きました。ここはいつも花畑に清らかな水を供給していた場所でした。リリーは川の流れをじっと観察し、そしてある異変に気付きました。普段は花畑に豊かな水を送り込むはずの川が、大きな岩でふさがれ、水の流れが遮られてしまっていたのです。

その岩が水の流れを遮ってしまうことで、花畑への水の供給がストップし、それが原因で花々が枯れてしまったのです。リリーはこの事実を知り、その場で固まってしまいました。

しかし彼女はすぐに決意を固め、岩をどかすための行動を開始しました。小さなウサギの体で岩をどけるのは困難でしたが、彼女はあきらめませんでした。一生懸命に岩を押し、引き、やがてその岩は少しずつ動き始めました。

長い時間が経った後、ついに岩が動き、川の水が再び流れ始めました。水は豊かに花畑へと流れ込み、渇いていた土にしっかりと浸透していきました。

数日後、花畑は再び元の美しさを取り戻しました。色とりどりの花々が一面に広がり、その中でリリーは大きな満足感を感じました。彼女は達成感に満たされた心と、花々のやさしい香りに包まれながら、ぐっすりと眠りにつきました。その眠りはとても深く、そしてとても安らかでした。