削ぎ落した結果、残った物を愛でましょう
断捨離が苦手でした。
全てに愛着を持ってしまい、全てが必要に見えてしまうんです。
だから、切り離してしまったモノを必要と感じてしまう時が来るかもしれない、という不安がいつもありました。
思えば、その不安と、以前まで内でぎらぎら滾っていた物欲は比例していたのかも知れません。収集癖も相まい、手元に置いておかないと気が済まない。いつくるかわからない「いつか」のために。
そんな物欲と不安も、三十路に近づくにつれ、薄れていき、在宅になってからは、それまでの滾っていた物欲は急速な勢いで薄れていきました。
そうして周りを見回したとき、手放しても良いかもしれないと思えたのです。
様々なSNSでものが綺麗に整頓された空間や、ミニマリストについて見たり読んだりすることが多い昨今。
そんな空間に憧れたりもするけれど、自分の好きなモノを自分なりに整え、物量に関係なく好きと貫き続けられるモノを身近に置いておいても良いのだと、最近少し思えるようになってきました。
肥えていったのなら、そこからは、削ぎ落していけばいいのかな。
そうして残っていったモノをただひたすら、愛していけばいいのかな。
おしまい
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