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「三位一体の経営」でみなで豊かになる、を米国企業では実践している

「三位一体の経営」(みさき投資株式会社 中神康議著)について、ある東証一部上場企業 経理部の方と話をしました。その会社のIR部から紹介されたそうです。

「経営者・従業員・株主がみなで豊かになる」とは、

・経営者や従業員が十分に自社株式をもち、経営の長期的成果を享受できる構えを持つ。

・売上・営業利益率を高めるだけでなく、「複利」「超過利潤」で儲ける

・経営の長期的成果を、経営者・従業員・厳選投資家の3社で享受し、みなが報われていく。

この話を聞いて、わたしが新卒で入社したP&Gを思い出しました。ところで、P&Gの株価の推移はこんなかんじです(Yahoo Financeより)。2021年4月現在、P&G株は一株$134です。さて、1996年は$20? わたしが入社したころは$10だったようです。え、こんなに上がった?

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入社時には、会社の補助が10%ついた持株会による自社株買いをMaxで行いました。30代で部長になったときにストックオプションが付与されました。その後課長レベルにもストックオプションが付与されました。

部長になったときに、上司が満面の笑みを浮かべて書類を持ってきてくれました。「君も大金持の仲間入りだ!」とは言いませんでしたが、そんなイメージです。ストックオプションの付与を受諾する、というサインをする書類です。これが財産を作る一つのツールだったんですね。

2000年に、一度P&G株価が暴落して半減したことがあります。当時の社長がアグレッシブな経営を進めてうまくいかず、業績予想を大幅に下げ、社長が退任したことがありました。それ自体は問題ですが、きちんと株価は戻りました。下がったときに付与されたストックオプションがその後に従業員に富をもたらしました。

わたしは18年勤めてP&Gをやめているので、大した恩恵は受けておりません。しかし、P&Gで勤めていた時の上司が外人たちが、毎日自社の株価の話をしていたのを思い出します。退職金も株だったようです。毎日株価を気にしていました。

ほかの外資系企業の話ですが、業績と評価がよい場合は、ボーナスで株をもらえます。

外資系企業では転職が多いというイメージはありませんか?わたしが勤めた製造業・小売り等では、転職は多くありません。本社が田舎にあり、家族を連れての転職は大変なことで、家を売ったり子供を転校させたりしないといけなくなります。それもありますが、ストックオプションの付与が、従業員を会社に引き留める大きな要因であったでしょう。ストックオプションは、付与されてから数年は行使できませんし、退職したら権利がなくなります。退職するときに、行使期限が来ていないものは権利を捨てることになります。行使できるものも、株価が低い場合は、自分で現金を出して株を買い取って株価が上がるのを待つ必要がありますが、それは自分でリスクをとるということです。よっぽどの理由がないと、会社を辞められません。ちなみに、会社都合で退職する際や、引退するときは、ストックオプションの行使期限は数年伸びますので、退職してからゆっくり、よい行使タイミングを狙うことが可能です。

さて、日本企業の話に戻ります。その企業さんでは、ストックオプションは役員以上にだけ付与されているそうです。従業員持ち株制度はありますが、みなさんが加入されているわけではないそうです。これでは、皆が幸せになる三位一体の経営はできませんね。従業員がみな自社株をもって、株価を高めることを楽しみに業務に打ち込める仕組みをつくりませんか?

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