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FP&Aキャリア相談㉕ 大企業の事業管理部の方、一人では変革を起こせそうにもない。

日系大企業の事業部門に勤めており、事業管理を担当されている20代の方。FP&Aに関心があり、自分の仕事がFP&Aなのかを確認したいとのこと。

実は、その企業は、外部から来られたCFOがFP&A部を作られたということで、知られている企業です。ただし、中がどうなっているかをお聞きするのは初めてでした。 お聞きしてみると、FP&A部が作られているのはコーポレート経理部門の部分でした。また、経営企画部門があるので、コーポレートFP&Aの機能は限定的だろうとのこと。経営企画部門が中心に策定した中長期計画や予算の数字をまとめて予実管理をされているのではないかとのこと。

一方、相談された方は経理部門所属ではなく、新卒で事業管理部門に配属され予算や業績の取りまとめを担当されているとのこと。業務はやりがいがあるのだが、将来的なキャリアが見えないそうです。実際同じ仕事で配属された新卒の方は、この方を除いて皆さんやめてしまったとのことでした。

この企業は業界シェアが高く、業績もよく、経営管理に大きな課題がなさそうです。外部から来られたCFOが経営管理変革をしようと思っても、事業部門の賛同が得られなかったのでしょう。

この方には、米国企業でのFP&Aの役割と貢献、それから日本企業で導入が進んでいる場合はどのように進めているかをお伝えしました。そのうえで、お勤めの企業で、できる範囲でFP&Aとして貢献できないか、まわりに仲間を作ることをおすすめしました。特に事業管理部門として、管理するだけではなく、事業の日々の意思決定の質を高めることに貢献できれば素晴らしいです。

米国企業のFP&AはCFO組織の一員なので、コーポレートの経理・財務部門、事業部門のFP&Aなど会社の中の様々な部門へのローテーションがあり、キャリアを進めていくことができます。この方の今の状況ではそれは難しいのですが、たとえばコーポレートの経理部門や、経営企画などのポジションに社内公募で異動することはできないでしょうか?自ら動くことによってキャリアを進めることができます。

今まで日本企業でFP&A組織を立ち上げる場合、経理部長や経営企画部長などのミドルリーダーが変革を始めるケースを多く見てきました。この方々は経営者やCFO、事業責任者を説得することができます。しかし、まだ20代の方が経営層を動かすことができるかといえば、なかなか難しいです。特にこの企業は外部から来たCFOの方でもできなかった変革です。なかなか打ち手が見いだせないのが残念です。

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