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FP&Aキャリア相談㉚ 大企業の子会社経理でFP&A機能強化に取り組みたい

FP&Aキャリアに関心のある方の相談に応じています。キャリアは自分で決めなければなりませんが、参考にしていただければ幸いです。

この方はキャリア相談に来られた方ではなく、私のFP&Aに関するウェビナー講演を見て、話を聞きたいと来られた方です。

日系大企業の子会社で経理をされているそうです。以前は会計事務所で勤務されていて、会計で企業価値を高める仕事がしたいと思って事業会社に転職されたそうです。

ただ、その企業は伝統のある大会社の子会社で、資金繰りにも問題なく、役員も親会社から派遣されてきています。サービス業であり、PL中心の事業管理をしており、あまりバランスシートやキャッシュフローの話にならないそうです。自分はFP&Aとして知識やスキルを深めたいが、あまり使えるところがない。

赤字部門があり、そこで赤字縮小のために貢献したいと思うが、あまり歓迎されず、協力もない。

Zoomでお話をしました。確かに、FP&Aは、うまく行っていない事業や変化が起こっている事業において、活躍の場が大きいのは確かです。この方のところは大企業の子会社で、何かを迅速に変えなければいけないというニーズがないようです。でも改善点はあり、貢献できることはありそうです。いくつか、アドバイスをしました。

  • 商品・サービスごとの損益はわかっているか?粗利だけでなく、年に一度くらいは販管費なども配賦して、営業利益がどうなっているか見ては?

  • 赤字部門で、その改善に協力してくれそうな人がいないということですが、だったら、黒字部門に行って、なぜうまく行っているかを調べてみては?よい手法があって、赤字部門に伝えられるかもしれません。FP&Aは組織の横串をさせる立場にいます。

  • 親会社の経理部や経営企画部に声をかけて、FP&Aを一緒にやる人を見つけては?CFO協会のFP&A研究会にもぜひ入ってください。

  • 本社とのやり取りで、赤字でサービスを販売しているのは、税務上よくないかもしれない。その点で、値上げ、黒字化を提案しては?

  • 子会社の経営者と話して事業部門の協力を求めては?

  • 支援してうまくいったら、その部署が表彰してもらえるような仕組みを作っては?

その後、この方からうれしいメッセージをいただきました。
「今年は筆者と出会ったおかげで、新しい扉が開いたような感覚がありました。経理担当者としてのキャリアビジョンを描きかねていたのですが、新たな目標ができました。」とのことです。

  • 経理担当者として経営幹部が出る経営会議に出席して、会議冒頭の経理報告をし始めた。

  • 来年の予算会議に作成段階から参加している。

  • 事業部リーダーと話す機会が増えた。

  • 事業を知ることの重要性に思い至り、日々の仕事の中で探求を進める中で「事業を知ると現場へのリスペクトが生まれる」ことに気が付いた。

引き続き成果がでたら連絡してもらえるようにお願いしました。

https://strat.jp/


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