【楽園の噂話】Vol.2「老いを認めぬこどもたち」(No.0025)
昨今オリンピックやコロナでやたら再注目されているアニメ「AKIRA」はずっと長いことハリウッドで実写映画化が言われ続けていますが今更感が「アバター」の続編よりも強く一体誰のニーズなのかと首をひねってしまいます。曖昧な記憶を探ってみると作品には超能力の実験台にされていた子供達がおりその中の成功作がアキラという少年だった様に思います。そのアキラ以外の子供達はとても可哀想で姿も声も子供のままですが、顔や皮膚など肉体は老いた老人になっており気の毒ながらも恐ろしさを覚えてしまいました。
世間ではまだまだ青春だとか女はいつまでも女だとかの鼻で笑ってしまうビジネス上の世辞が本気で人生訓にさせられ毎日人身事故を通勤で経験しているのに死が彼らの思考から抜け落ちてしまっています。
テレビに映る同世代や憧れだった役者、タレントの見た目や言動に本来全く無関係な自分を何故か当てはめ比べて生きている人は全世代共通の悲劇ですが、学生よりも遥か年長の人たちがそんなくだらない誘いにどうして乗るのか不思議に思っても何しろ死が人生から抜け落ちているのだから生も曖昧なのは当然の道理として現実が証明しているのでしょう。
老人の振る舞いが世間に不快で下らない事件を起こし問題視されてますが、このように彼らは老人ですが生の論理から目を反らしたイビツなコドモ達であり「AKIRA」が現実の予言や予告であるとするならば、このコドモ達こそ実現してしまった予言のように感じます。
しかし「AKIRA」の子供達は気の毒な姿でしたが心優しく知性がありました。でも我々の身近なコドモたちにそれらは期待できるでしょうか?
生や死に限らず、避ける事の出来ないこの世の真実には1日でも早く直視する機会をもたれるべきかと思います。