小田垣陽菜 メイホリックシアター05 舞台 嘘つきの世界(9/23)
今年2021年の9月から10月は、小生にとっては、主現場はズバリ、
舞台観賞!
残念ながら、アメフラっシの歌唱を支える鈴木萌花・もえちんの、五反田タイガーさんの「DEMON ありがとうって言えなくて」が新コロ禍の影響で再度の公演延期となってしまった―でも、昨日の浪江女子発組合の明治座ライブのミニ劇場での、彼女の演技は、通算3作品出演の実績を発揮していたでしょ?―が、以降、9月8日・10日から12日は平瀬美里・アリスインデッドリースクール邂逅、9月19日はOYUUGIKAIと、実に6週間に最低1回の観賞が待っている。
その中、9月23日には、今日26日に千秋楽を迎えた、メイホリックの
「嘘つきの世界」に、
元3Bjuniorの、
小田垣陽菜・ひなちゅん
が朗読含めて通算4作品目の有観客演劇出演していたので、ここ、
シブゲキCBGKに訪れて、初日公演を観賞。当初は、お、おカネの兼ね合いでこの初回のみ観賞も、作品自体の「やられた!」を確かめたい部分もあり。千秋楽の日のマチネを配信でも観て、そのもやもや解消と、改めてひなちゅんの芝居を書いていこうと思います。
1 作品概要
岡本芽子さん主宰のガールズ演劇ユニット「メイホリック」の5回目上演作品で、4つの短編で構成されるオムニバス形式のもの。これでメイホリックを卒業するという高羽柊奈さんが脚本で、主演は一応ストーリーテラーたる案内人の久代梨奈さんが該当するのかな、幕間と作中移動しながら出演。一部重複して登場する人もいるが、シーンは少なくほぼひとり一作品に出演の約1時間40分の作品。
①第1作品
ある森で暮らすというリリア(鷲見友美・松岡ななせのダブルキャスト)、チェシャ(青柳伽奈)、ロロ(岡田千優季)は、毎日平和な生活を送っていて、午後には物知りのザベラ(小林未往)の元へいっていろんな話を学んでしるが、ある時リリアが、自分たちが同じ毎日を繰り返してるのではないか?と疑問を持ち、イザベラに打ちあけるが、鐘がなれば家に帰るの、と諭すイザベラは何かを知っている様子。そのうちリリアの悩みは日に日に深まり、ある日、私たちの住む森から出ればわかるのではないか?と思い、その境界を越えようとするが、どうしても越えられない。
あくる日、チェシャとロロのあいさつの言葉が微妙に違うと感じたリリアは、イザベラの元へ行く途中で、今日から森で暮らすんだ、というアンヌ(瑠香)と知り合い、ますます「新しい日常」を信じ喜ぶリリア。
イザベラの家では、アンヌが自己紹介の中で、あろおじいさんからこの森で過ごすようにと言われ、みんなのことを良く知っているという。そのおじいさんのこと、森の外のことを尋ねるリリアだが、イザベラがアンヌを止めて、また明日!と喜ぶリリア達。その背中に、イザベラは「私たちは、それぞれの明日の役割があり、私たちは同じ日常を繰り返す毎日」と目を伏せる。
所かわって、よつば市の広場では、大きなからくり時計が飾られていて、そこでは3つの人形が座って腰かけている。その故障があけて、時間がくると動き出した姿を見ていたある女子高生のみぞれ(小林れい)となつめ(唐仁原伶)は、その中継のニュースキャスター(真砂佳奈子)に感想を聞かれると、みぞれは「かわいそうな人形たち」と答え、なつめはその場を取り成して去ると、また「見えたの?変に思われるよ」と注意する。
みぞれが感じた可哀そうだということは。この人形たちがからくり時計の外には出ることが無く、毎日同じ日常を繰り返すしかできないこと。そう、3つの人形はリリア・チェシャ・ロロであった。
②第2作品
王家の血を引く双子の少女・シロ(渡邉ひかる)とユキ(窪田美沙)は、成人を迎えた時、片方は王女に即位、もう一方は国から出てゆかなければならないと定められているが、その選定は魔法の鏡に委ねられており、鏡は姉のシロが王女に、妹のユキが国を出るよう告げる。シロは元々妹の優しい面を良く思っいないとそれまでと態度は一変、直ちに出て行ってと、友人のアイラ(照)と喜ぶ。一方ユキの友人アリア(杉田真帆)は、性格悪いシロが残るなんてと怒り心頭だが、ユキはそんなシロにも昔は優しかったの、と自分の運命を受け入れ、近所の魔女と呼ばれるエステリカ(岡本芽子)の元で残り少ない国内での日を寛ぐ。エステリカはあるパトロンに養われているといい、ある事情を知るのだが二人の行く末を優しく祈る。
そんな二人に仕えている執事のクレア(桜井理衣)は、成人式前日、シロに、4年前の事故の時に、なぜ入れ替わったのかを問い詰める。どうやら先に意識を取り戻したユキが、王女の座を欲しくてシロに先になり替わったのだが元々シロが嫌いだったと開き直る。クレアから、最後まで自分にも本当は自分がシロだと言わなかったユキが、本当のユキのことを優しい人だったとの話を振り切るように翌日を迎える。
その成人の儀式をnい終えた王国は、その日から本当のユキであるシロの姿が消えてしまい、クレアとアイラは事情をしりそうなエステリカの元を訪れると、自分のパトロンが消えた本当のユキであることを教え、入れ替わりの真実を知る。それは、王女になった者がことごとく消え失せることを知っていたユキが、シロに成り代わることで本当のシロを生かし王国の災いを回避するために入れ替わったのだということで、本当のユキの優しさにクレア達は涙する。
本当のユキが消えたことを知らず、アリアとの旅の道中で、ある花を見つけたユキ、つまり本当のシロは、これは妹が好きだった花ね、とつぶやく。とても冷たく、憎悪に満ちた表情で。
③第3作品
あの、からくり時計のインタビューを受けたみぞれとなつめは大学生で寮生活へ。図書館で白雪姫ならぬ「シロユキ姫」という、嘘をつく人の話を読んでいたみぞれはなつめと一緒に落ち合い寮へ戻る途中、また「誰もいないのに一人で話しかける」という姿を見られる。寮では、あかり(高野渚)、まい(前垣さら)、ななみ(高羽柊奈)が寛いでいて、テレビの、あのからくり時計の撤去のニュースや、話題の舞台「嘘つきの世界」の出演者楽屋情報、などのコーナーを見ていて、それを受けたななみのボケを何故かスルーする二人。まもなく、みぞれとなつめが帰寮し、さらに、もう一人の学生みこと(大槻りこ)も買物から帰り、アイスを3つ買ってきて、人数分無いから、とあかりとまいはジャンケンを始めると、みぞれはいらないという。遅れて、なつめとななみもいらないと言い、勝負つけることなくアイスを得る2人。
何かしようというあかりの提案で、夏らしく怪談話をとなり、あかりが「「女に注意」という看板は車内から消える女性客への注意を運転手に呼び掛けるものだった」という話、まいが「マンション最上階に引っ越した者が、ないはずの上の階の騒音」の話をすると、次のみことは、この寮いるよね?誰かとぶつかったり猫みたいな気配しない?と問うと、赤い鈴の猫とみぞれだが、猫アレルギーのまいは一切発症したことはないと否定。すると、みことが申し訳なさそうにみぞれに、見えない物が見えているならその正体を、と問うと、なつめが急にみぞれに用事があるから行こう、と連れ出し、見えない物にはもう話かけないでとみぞれに願う。そこに、一人後を追ってきたみことが追い付くと、なつめが代わりに謝るがみことは反応しない。みぞれからも言って、となつめが頼むと今度はみぞれも無反応。なぜ?とさらに問うなつめに、見えない物とは話すな、と言ったのはなつめちゃんだよ、と辛く返す。そう、みことは、一人急に飛び出たみぞれを追ったのだ。
同じく寮に残ったあかりとまいも、みぞれ一人でどうしたの?と心配するが、ななみは二人で出たと言いながら再びテレビを着けると、ニュースキャスターが、悲惨なバス事故から二年経ち被害者のひとり・ななみという名の女の子の母へのインタビューが始まるところであった。私達二人どちらもテレビ着けていないのに、と不安なあかりとまいに対して、ななみは、あっ私のニュースだ、と見つめる。
④第4作品
首に赤いリボンのようなものを付けているミズキ(小田垣陽菜)は、優しいなつめという女の子が大好きで、仲良いふりをして酷い事を言ったあいつ、(どうやらみぞれ)のことが嫌いだと、顔馴染みの少年(井上千鶴)に話している。少年は、あることの見習い修行中で、その師匠である女(有栖川姫子)の受け売りだけどと、ミズキにリンゴを引合いに、外と中は別のもの(世界)が存在しているんだよ?と教え、二人は師匠の元へ向かう。
師匠宅には、あのよつば市で撤去されたリリア・チェシャ・ロロの人形が引きとられていたようで、戻った二人に、彼らは撤去されて悲しいかもしれないけど、リリアを指差して、少し幸せそうでしょ?と怪しく話すと、見習い少年は時計の役割を終えて自由を手に入れたんだと理解するが、ミズキには分からない。そんなミズキに、師匠は、視野を広くもちひとつの視点を別の視点で見てみようと、ミズキが良く知っているという場所に連れ出す。
果たして、そこでは、みぞれが手花を供えてしゃがんでいて、ミズキは、なぜ酷い事をいうくらい嫌いなはずのあいつが、自分となつめの大事な場所にいるのか?と不思議に見つめる。師匠はみぞれに、確か数ヶ月前に女の子と赤い鈴の猫が事故で亡くなった場所ね、と語りかけるがみぞれは応じない。どうやら、なつめとの「見えない物に話かけない」約束を守っているようだ。そう、ミズキはその時なつめと命運供にしたあの猫だった。なぜ酷いことを言ったのかを問うミズキに、みぞれは本当は私がなつめを喪いたくなかったから長く真実を言えなかったが、それが彼女のためにならないと悟ったからだと答える。これが、ひとつの視点を広く見ようということかと師匠のいうことを少し理解したミズキ。みぞれはなつめから、生きている自身を大事にしてと逆にお願いされ、見えぬものとの会話を止めることを続けるといい、師匠は、いかになつめが大好きだったかをいたわる。
師匠宅に戻ったミズキは、自分もなつめを迎えにいかないとと、いわゆる「成仏」を決意するが、二人には、二人と会えた人はみんな幸せだねと感謝する。対して苦笑する二人を不思議がるミズキに、師匠はみぞれから、あなたが来たなら私もすぐになつめに会えるの?と問われたことを思い、これもまた、人それぞれにひとつの視点は別の視点に見えることかと理解する。ミズキには師匠は、幸せを呼ぶ「死神」さんであるのだから。
2 作品・役者全般への雑感
ひなちゅんに連れて来てもらった二度目のメイホリックの世界観は、前作「愛を探す怪物」が、シンプルにハッピーエンドで終わるのではなく、後味が、小生にはどちらかいえば苦い、という感じが、アリスインプロジェクトのような青春活劇とはまた違うガールズ演劇が観られて良かったが、今作はそれに加えて、男女別ないいわゆる通常演劇の、しかもトリッキーな結末を迎える作品もあり、先述のとおりそれが為に配信おかわりを余儀なくされたので、満腹なのにデザート追加しちゃった自分に素直だった、と書きたいな。
やはり三作目の芝居、なつめが実は幽霊だと明かされるのみならず、脚本の高羽さん自身演じるななみもまた幽霊だった、というアレへの、してやられた感は素直に脱帽。玄人さんにはベタで陳腐的な評価になるのかもしれないが、素人の小生の称賛はお気に召しませんかね(笑)。セリフ的には、あかりが「うん!」と首肯くものが、その前の前に発せられた「よつば市ってなつめとみぞれの出身地だよね?」へのものと取れるか?が微妙かもしれないけど、二度目で辻褄が合うことを確認させられた時点でこちらが負けですからね。二作目だけが、三作目冒頭で、みぞれが読んだ本の内容とされた以外は、とりわけ不自然でもなく関連づけられていたし、これも先述とおり、それだから一部重複して出る役者もいてできる限りの、推しの登場機会増加も対応していたね。またリピーターへの笑わせも、三作目のニュースコーナーの楽屋レポでアドリブ的に別作品の役者を出していたが
今日の配信の、有栖川さんと井上さんの踊って誤魔化すネタは、あれは別の視点を見ようとしても、事故にしか見えなかったなwww。
役者では、やはり、平瀬美里・みぃちゃんの絡みで2度も観ている久代さんをまず挙げないと。「ワタシタチのキョリ」で冒頭のト書き長セリフを経験済みなので、この辺は安定といえるが、第1作目は初日と千秋楽マチネではテンポ早めて声強くした感じがあるなど、日によってアレンジしてるんだなあ、と感心。そもそも前作「デッドリー邂逅」からわずか10日の稽古しかないから、こうした役回りにされたのだろうが、これはむしろ一石二鳥でもあり岡本さんの手腕かもしれないね。嘘の世界も真実のひとつ、みたいな最後の締めは、デッドリーと全く関係ないのに、勝手にこの案内人は氷鏡庵だな、とか喜んでいたよ。
ほかには、死神の有栖川さんが、愛を探す怪物の追手役から一転、ちょっと声を変えたらあら年配のおばさん声と驚きだったね。背が大きく見栄えもした、死神の貫禄も充分表現されていたね。それと二作目の本当のシロであるユキ役の窪田さんの、まさにどんでん返し的な、憎悪満ちた、妹の好きな花だった、には、初日D席11番とセンターで見ていた小生は、ぞっとしたよね。国を出て自分は消えていないことを確認してから、本性表したなっていう、作品テーマ一番の表現者が彼女だったね。
3 ひなちゅん
ひなちゅんは4作目の主役の、実は死んだ猫役。小生は、初日は彼女のしっぽで、ああ三作目のなつめの猫だと気づいたが、赤い首輪ってのでもっと早く気づけよ、って話だねT_T。メイホリックさん三作目でセリフも増えての主役は、やはり小生も嬉しかった。師匠や見習い少年から色々教わって、成仏すると決めるまでを、こちらも納得できるように表現されていたね。捨てられてからなつめに拾われるあたりの描写が、時間の関係で描かれていないのは残念で、唐仁原さんとの二人芝居なんかも観てみたかった。またこの猫は、嘘つきが沢山いた今作では、性格的には素直な猫でもあったから、感情も押し殺すことなく出してよい点は、ある意味では楽でもあったかな。ひなちゅんには、個人的にはホント、裏あったり陰あったりの役柄を究めてほしいと願う者としては、むしろ窪田さんのような、最後あっ!とさせられる部分を観てみたい。その意味ではメイホリックさんの世界観に小生としては引き続き出てもらいたいなと思うし、勿論、さらなる舞台への出演を願います。
なお、アフター嘘つきの世界、的なイベントで、ひなちゅんが10月のどこだかの有観客イベントでゲスト出演する告知もあったので、割りとフリートークもいける彼女を久々に生で 観たい方は公式情報をご確認ください。
最後に、千秋楽終わりの、彼女のスターダストプロモーション新人部公式ツイッターを通じの彼女の所感を貼り付けて、またの作品まで待つことにしましょう。
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