【感謝を込めて】演劇観賞③ 3Bjunior出身役者が追うべき背中
一昨日9月26日は、主現場・アメフラっシとB.O.L.Tが登場し、1枚のチケットで2度おいしい、グリ○のような状況をスルーしてまでお邪魔したのは、ここ、
西日暮里キーノートシアター。西日暮里と言ってもそれは住居表示がそうであるだけで、実際は京成の新三河島駅が近いというこのスタジオで、
朗読劇・リーディングガールズ
を観賞。その動機は、表題にも書いたように、我が3Bjunior出身役者たちは、たとえ事務所はスターダストプロモーションであっても、○盤、北○、永○らという、言葉は悪いが「事務所のCM俳優」を追うのではなく、舞台という、役者として一番逃げ道のない世界で、いつか名声を得ようとする若い役者をまずは目標とすべき、という勝手な思いから、主現場をほかした次第。
というのは、この背中を負うべき役者には、3Bjr出身の役者の先行勢である、葉月智子・ちょも、小田垣陽菜・ひなちゅん、平瀬美里・みぃちゃん、そして声優を目指しながらもまずは舞台演劇のキャリアを重ねている有沢澪風ちゃんが何度もお世話になっている方々が集結していたのね。ざっと列挙すれば、
石川凛果(みぃちゃんと「アリスインデッドリースクール永遠」、ちょもと「サンサーラ」の別組で同じ役で顔合わせ)
岩﨑千明(ちょもと「アリスインアリスデッドリースクール、澪風ちゃんと「朗読劇魔銃ドナー」)
沖田桃果(澪風ちゃんと「朗読劇魔銃ドナー」、ひなちゅんと「愛を探す怪物」)
花梨(ちょもと「アリスインアリスデッドリースクール」)
河地柚奈(ちょもと「アリスインアリスデッドリースクール」)
清水彩(ちょもと「アンダーグラウンドアンソロジー」)
鈴木千菜実(ちょもと「サンサーラ」の別組別役で顔合わせ)
須山朱里(ちょもと「サンサーラ」)
長谷川麻由(ちょもと「アリスインアリスデッドリースクール」、みぃちゃんと「デッドリー邂逅」)
と、なんと出演者中9人がこれまでに本編と稽古で共演させてもらっている方々。そして、
紘ユリナ
という方の10人で、この、4つのストーリーからなる朗読劇を9月23日から26日までを上演していました。小生もいちいち上演中に、ああ、みぃちゃんとあのシーンで、ちょもとあの掛け合い、とか、朗読劇に全集中すべく邪念と戦うところも正直あったけどwww、それくらい、3Bjrの彼女たちが、追って良い演技表現者だと小生は思っているので、今後の共演時には大いに話をしていってほしいな。
さて、本劇は4つのストーリーからなるオムニバス形式の朗読劇で各作25分程度の100分で、あいだに10分の換気休憩をはさむ2時間弱の世界。このうち小生は、みぃちゃんとひなちゅんが共演した、「アイガクストーリーズ」という配信イベントで、1作品目の「なごり雪」と3作品目の「メモリーレコーズ」を観劇したことがあるが、生の役者さんの立ち振る舞いによる観賞はもちろん初めて。
1 なごり雪(岩﨑・鈴木・長谷川・紘)
これは、高校入学式から数週間ほどたったオリエンテーリングの日に、うまくクラスに馴染めず、班つくりであぶれてしまった4人が、結果的にひとつの班を作り、おのおの境遇を語り合ううちシンパシーを感じあい、初の遠足では一人の弁当のおかずの取り合いをするほど意気投合し、いつしか充実した1学期を終えて夏休みを迎えるのだが、そのある日に4人で出かけるため待ち合わせていた駅前で、ひとりが交通事故に巻き込まれて、その意識が徐々に薄らいでゆくという事態を迎えると、別のひとりが、私が守るから!と決意すると、ほどなく、待ち合わせの1時間前に悲惨な事故があって、ということで、あの事故にあったはずのひとりは命拾いをした場面になっていた。だが、私が守る、と言った彼女はその場にはおらず、しかも3人にもその記憶はない。実は、消えた彼女は、遥か未来からやってきた人間で、仲間の窮地を救うために自分の記憶が一切消し去られることを厭わずに時間を遅らせたのである。それを露ほども思い出せないまま高校卒業の春を迎えた3人だが、何となく、あの遠足のときに集めたクローバーは四葉であり、もう一葉である誰かが自分たちを待っているんじゃないか?という気がしてならない。そんなときに、あの入学式同様空からふるのは、季節外れのなごり雪だった。
2 月の光(石川・花梨・須山)
かつてアイドルとして活動していたが、ピークを終えて誹謗中傷に悩み引きこもっていた光は、唯一心を許した野良猫のキママ(自由気ままから名付ける)に癒される日々を送るが、ある日キママが来なくなり意を決して3年ぶりに夜間外出、すると、ある空き地でキママにしゃがみこんで話している一人の若い女性・月子から、この猫死んでしまったと聞かされる。泣き崩れる光に、わたしが見えるなら友達になってほしいと月子が頼むと、気味悪がって家に戻る光だが、しつこく後を追う月子が、あの空き地から動けた!これも光のおかげと喜ぶ。実は月子は昭和20年に22歳でこの世を去った地縛霊だったが、光のおかげて解放されたのである。
そんな月子が気味悪くて疎ましい光は、成仏させるべく月子からすれば便利な未来世界を見せつけるが、成仏するには未練がまだあるという月子は、成仏を逆手にとり光をこき使い様々な願いを堪能し、ついには小説を書くので光に手伝ってほしいという。当初成仏させることを試みていた光も、いつしか月子との時間は楽しくもあり、これを叶えるとお別れかもと躊躇うと、突然二人の心が入れ替わってしまう。懸命に元に戻ろうと家に戻る月子の姿の光は、そこで死んだキママに遭遇し、いつまでも入れ替わっていると戻れなくなると警告を受けると、私が死んで月子さんが生きた方がと自嘲する光を、月子がそれを喜ぶのかよと一喝するキママ。するとほどなく光はもとの姿に戻るが、月子はもう現れない。代わりに、いつの間にか書いた「月の光」という、途中までは光と月子そのままの話が遺されて、途中の「続きは光が書いて」という月子のメッセージを目にした光は、後は私次第・・・と決意の眼差しを向けたのだった。
3 メモリーレコード(岩﨑・河地・須山・長谷川)
ある研究所の職員2名が、二人の、記憶を喪っている高校生らしき少女たちの治療の開始を宣して観察を開始。少女たちの過去を記憶するが、日記を書くように気楽に行ってほしいという。すると開始三日目にひとりが運動会のリレーの思い出を告白すると、もうひとりは遅れること8日目に5歳の誕生日にクレヨンをかってもらったこと、ケンタウロスの絵を描いたことなどを告白する。さらに9日目には、二人が高校の同じクラスメイトであることが思い出され、さらには片方が絵のコンクールで入賞するなどの過去も思い出し、治療は順調に、未来に向かって記憶を取り戻しているかに見えた。
だが、16日目から思い出される事実は減り、22日目に異変が起きる。旅行に行きたいという話から急に真っ暗になると、片方が、一方がバスの横転事故で頭から血を流すほどのけがを負い意識不明になったことを思い出し、同時に研究員のひとりが、実の姉であることさえも思い出す。そして、意識が戻らぬまま亡くなってしまった片方の少女をよみがえらせる一心で、その彼女の姉が、亡くなった子のアンドロイドに心を持たせるために記憶を植え付けていたのだ。その過程でアンドロイドも心の負荷に耐えきれなくなったのか、失われゆく意識の中で、姉のこと、そして同級生のことを、ずっと覚えているよといいながら、ぞの機能を停止。研究員たちは、この実験が将来必ず役立つことを期待して目を閉じた。
4 唯一度だけ(石川・沖田・清水・鈴木)
世の中は嘘に溢れているが時にはそれが救いになる―。
ある3人の高校の同級生たちが、社会人となxっつえも継続している年に1回に繰り出し、とあるカフェを訪れる。そこは、「昔なつかしい」を売りにしているようなところで、女主人ひとりで切り盛りしている。だが、もう一つの売りは、その主の「占い」だというので、ひとりが「これからも3人の旅行が続けられるのか?」を占ってほしいと頼み出る。乗り気でない残りの2人を尻目に主は、どうやら今年が最後のようだと告げると、3人のうち2人は信じないという。するとい主はディープなことを占うといい、うち一人の、仕事を続けるか否か悩んでることを占いから言い当てる。するとそれは的中していて、2人に言えなかったと認めると、なんとさらに一人は、同じく仕事で悩んでいてすでにその仕事を辞めていたことを告白する。そして、そんな状況なので実はこれからの旅行は難しいと思っていたのだが、その時最後の一人が、突然声を荒げて、これからも旅行は続けるの!と断定するように命じると、ほっと肩の荷がおたように二人は笑い、また続けようと一致して、主に、あなたの占いは外れますから!と言い捨ててカフェを後にする。
ほどなく、あの、旅行を続ける!と命じた一人が、主の元にやってきて謝罪をする。いわく、旅行は終わるという占いをしてという嘘をお願いしたこと、自分が病気に冒されて旅行が最後かもしれないことを言えず、嘘の占いをきっかけに病気のことを言おうと画策さいたことを。その彼女に、主は優しいまなざざしで、来年も3人で旅行はできますよ、私の占いは当たるんですから!と告げ送り出す。そして空を見上げて、優しい嘘が救いになることだってある、とつぶやくと、通り雨に見舞われるが、その先には虹が待っているから、と微笑む。
5 所感
個々の作品については、朗読劇として書き下ろされたのか、演劇としてのものかはわからないが、率直に言って、
立ちの演劇でも観てみたい
という感じを覚えた素人でした。2作目の「月の光」は、石川さんも花梨さんも立ちの朗読がほとんどで、特に花梨さんは身振り手振りがほぼ演劇だったくらい、全身で表現されていたので一層そう思えたけど、そこを各自が抑えての、できるだけ読みだけで表現して、我々観客に画を想像させるのが朗読劇の俳優の役割だとすれば、これもまた高度だなあと思うわけです。そうした点でいえば、今作で一番、その人の読みで、画の想像力を掻き立ててもらえたなあと思ったのは、小生は、
沖田桃果さんでした。
最後戻って謝った一人に向けた優しいまなざしは、立ち演劇だと、もっと慈愛満ちた表情だったんだろうなあって浮かんだものね。謎めいた女主ってのがホント想像すると、ああ、彼女みたいな感じなんだなって納得できたね。途中で台本をわざと落として、台本なんて言わないでって石川さんにアドリブで返されたシーンもあったのは、千秋楽の余裕だったんでしょうなwww。また同じく楽日のカテコの挨拶でも、私たち出演者にみなさんこれからもまた会いに来るの!私の占いは当たるのよ!って口上が劇中そのままに格好良くて、はい!どこかにまた恩返しさせてもらいます、って返したもの。そして同時に、3Bjr関係者とこれからも共演があったときはいろいろ教授してくださいってねお願いもしたしね。今思えば、澪風ちゃんやひなちゅんが、彼女の稽古の姿などから、少しでも得られたものがあったならうれしいことこの上ないな、という人でした。
今回チケットのお目当てに選ばせてもらった長谷川麻由さんは、朗読劇は初めてだったとか!?なごり雪では、身振りも一部交えていたけど、メモリーレコードではほとんど読みだけだった気がしたのは、やはり、朗読劇とはそうした、声主体で表現するものだとかテーマをもって演じていたのかな、って気がしたね。それと対照的だったのは、先述の「月の光」組で、花梨さんはとにかく表情が豊か。朗読としては玄人の方はどうなんだろう?と思うが、素人としては、本当に彼女の立ちの演技はもちろん未見なので、この朗読劇以上のものを表現するんでしょうね。同様に、須山さんも、キママの着ぐるみで、立ち演劇ばりにコメディリリーフとして笑わせていたけど、小生が「サンサーラ」での、宇田川美樹さん演じる陽気な殺し屋・芹沢の助手という殺し屋しか見ていなかったのもあるけど、彼女は、あの怪優蜂巣和紀さん主宰の「蜂巣祭」というコントに近そうなお笑い劇の常連らしいので、こうした笑いはお手の物みたいね。笑わせる間がいいんだろうな、と思いましたな。
石川さんも、小生はベテランかと勝手に思っていたら、やはり朗読は初めて!?と言うけど、声も高いくて良い方だね。紘さんや岩﨑さんは声が声優さんめいた感じを受けていたら、岩﨑さんはやはり声優が主業のようで納得。紘さんはアイドル活動も並行しているそうで、それだけにここまでは普通に出来るんだということで、3Bjr出身者よ、ライバルは身内だけにあらずだぞ!鈴木さんは、愛嬌ある感じが、朗読劇とはいえ、なごり雪では馴染めない高校生そのものって姿形が似合っていたし、河地さんも、白衣の大人びた研究員が似合いだったね。ちなみに小生の、アリスインスクールの竹内珠子は、ちょもの時に見た河地さんの印象が、白石さんよりまだ残ってるのね。清水さんは、小生初見の、ちょもと一緒に明るい役回りだった「アンダーグラウンドアンソロジー」と同じように、素直な社会人女子をそのまま感じさせられたが、やはり素直な役を重ねてみた人ほど、今度は、悪役とか歪んだ役とか、そんなものも観てみたいなって気にさせられるね。
いずれこの10人は、この先も、ますます我が3Bjr出身関係者とは舞台をともにする機会はあるだろうから、小生もその時は、あの舞台のときはああだったけど、今回はこうだったか、と言うことがあると思う。そう言える程度には、やはりもう少しは、そうした目を養っておかないと良くないかな、なんて思うところだけど、少なくとも、怒られること覚悟で書いておくと、そんなレベルの小生でも、テレビドラマで人気の何某さん、とかよりは、お金を出して見に来ている客前で表現する世間的には無名の舞台演劇俳優さんの方が、数段力は上だろうと、素人ですが、わかるます。根拠はない、いや、とにかくそうなのよ!百聞は一見に如かず、ひとりでも騙されたと思って、劇場に足を運んでいただくことを願わずにはいられませんね。