葉月智子 UDA☆MAP ガールズトーク☆アパートメント2020Ver 観賞記
小生が応援していた3Bjuniorの最年長、葉月智子・ちょもが、3Bjrを卒業後に出演してきた舞台演劇は、これまで4作品。
近未来の公安警察官らのアジトと知らずに、その店の従業員として明るく笑顔振りまいて、いわばコメディリリーフのような役割を担ったデビュー作・Zero。
女性未成年者の刑務所に収容された幼なじみと、慰問する側の高校の生徒として対面し苦悩する作品・舞台013。
漫才をこよなく愛する日常が突然奪われ絶望したその時、自分が過去を変えうる力を持つことに覚醒し、運命を翻弄した者を追い時空を駆ける墨尾優を演じた・アリスインアリス デッドリースクール。
とあるサイトのチャットの「ある言葉」から、自分が、その「僕(しもべ)」達と共に、次から次へと転生を繰り返す「主(あるじ)」であると気付き、その転生させる力を持つ暗殺者を自ら呼び寄せ、次なる転生を遂げる高校生を演じた・サンサーラ葬送入門 普賢編。
これらの4作に、直接間接を問わずに必ず描かれていたものは
死
自身も襲われて死にかけたZero、服役した幼なじみを追い詰めた者が自死した013、慕う先輩達が仲間の犠牲として自死を選ぶデッドリー、そしてサンサーラでは、先述のとおり転生のために自ら死を求め、舞台上では直接には描かれてはいないが、最後に望んだとおり殺されるという役回り。トークポートというテレビ電話の特典会で小生が聞いた、
難しい役で・・・
というフレーズには、口調こそ悲壮感は無いものの、稽古や公演中の苦労が伺いしれるというものだったがしかし!ついに、その苦労からは開放されて、全編におよびふんだんに笑いが巻き起こるというコメディ作に出演する機会に恵まれた。それが、ここ、
池袋シアターKASSAYで、6月16日から21日まで全10公演上演された、
UDA☆MAP ガールズトーク☆アパートメント2020
という舞台演劇である。
・・・って、でも待てよ?
聞けば、
コメディって、
実は笑わせるという点で、
一番難しいって言われてね?
うーむ、アイドルでさえ、スターダストプラネットを少しかじっているだけの小生が、まして演劇なんて素人なのに、ちょものコメディ初舞台を喜んで良いものなの?
→はい!いいんです!
なぜ演劇○貞の小生でも、そう自信持って言い切れるのか?それは、この舞台の座長が、
宇田川美樹さんだから!
・・・真面目な話、小生ホントに演劇には素養なくて、それこそ、3Bjr出身のちょもや、平瀬美里・みぃちゃんが出演するから、いざなってもらってるだけなんだけど、それでも、この宇田川さんはねえ、
先述の舞台サンサーラで、
人を殺すシーンなのに、
ガチで笑わせてもらったくらいの、
不思議な舞台俳優さんなんだもの!
セリフがセリフらしくない、実に自然に、
自分の意思で発しているなあ、と感じさせられながらも、素人の小生でもアドリブだなあと分かるんだけど、でも、それか脚本のキャラクターなら、そう動きうるよね、って納得できてしまう、実に素晴らしい表現者なのよね。そんな彼女が座長の舞台なんだもの、ちょもが万が一失敗してもさ、
それは宇田川さんが悪い!
ちょもは与えられた役割を、
自分なりに表現すればいい!
ということで小生今回は、初演・折返し・千秋楽の3公演を観賞してきましたが、いやあ、これがもう、あと2~3回は観に行きたたかった、というほどに、千秋楽が名残惜しくてリアルな世界に戻りたくない、単にコメディで笑うだけでなく、しんみりホロリとさせられながら、カラリと未来に向けて歩いていこうと気持ちにしてもらえる、素敵な作品でした。
・劇の概要
世田谷は祖師ヶ谷大蔵駅近くにある、女性だけが住むシェアハウス・やえがしの家で、昨年2020年の春夏秋冬各季節に起こった、ある一日の出来事をオムニバスで描くというもの。出演者は、こちらの、
公式台本記載にお任せするとして、各季節のストーリーは、さすがに長すぎるとキャパオーバーなので簡潔にまとめますと↓
1 春 マスク外すのって勇気いるね
やえがしの家管理人の、やえがしさんの姪である八重樫柚子に、うちのシェアハウスに住んじゃいなよ!と誘われた、沿線の看護学校に通う真梨田優は、おっかなびっくりやえがしの家を覗きにくるが、朝から動画配信に勤しむ祖師枝胡桃、夜勤明けの看護師東海林麦子、明るくスーバーのレジを打つ玉利しず、芋ジャー似合うフリーター茶丸平子、婚活余念がない水道橋陶子ら個性的な住人らに圧倒され、シャワー浴びてさっぱりした納豆菌研究を究める女子大生垂直類に、名前は?と聞かれて名乗ったものの、私には無理!と逃げ出してしまう。
住人らに、叔母のやえがしから管理人になるよう言われたと自己紹介した柚子は、そんな優を追いかけて引き留める説得と、優が無理だと思った原因は、自分が人前でマスクを外せないことに由来するものだという。
そんな優の不安を解消するには、と思い立った柚子は、住人らに手持ちのマスクを付けさせて、一人優にだけマスクを外させたら良いのではないか?ともちかけてみれば、その姿に安心したのか、優がおもむろにマスクを外せば、その顔は可愛い学生さん。自らの境遇を話し始めてすっかり打ち解けた住人らは、優が慣れるまでは、こうしてマスクの着脱交換をしてゆこうと提案。晴れてやえがしの家の住人としての一歩を踏み出す優に、チャーミングな笑顔が宿る。
2 夏 そうだ、海に行こう
100日ぶりの休日を満喫したい麦子だが、同室の平子と、その友人の、永遠の出席番号1番相田愛のゲーム騒ぎにリビングに待避するが、そこは胡桃、類と、大学の友人九価美恋らに既に占拠され、落ち着ける場がない。平子や愛はリビングでもゲームを始め、おまけに、ことあるごとにやえがしの家に遊びに来て寛ぐ近所の高校生名波陽瑠には、水鉄砲で容赦ない水浴びを受ける始末。キレないキレないと懸命に耐える麦子は、上手く休むことが出来ない体質の模様。そんな彼女に、カウンセラー資格あるという柚子が川を漂う葉っぱに、感情を乗せて流せとアドバイスする時、麦子のスマホに、勤務先の看護師長から電話が。
明らかに出勤を命じる連絡と分かるが、住人らはなんとか麦子の休みを死守すべく知恵を絞るが、麦子は、あんた達に私の気持ちは分からないと怒り、もう、仕事止めると自棄的になった時、ニューヨークでビジネス留学中の住人能連早希から、(春の時にニューヨークで見つけた)やえがしさんが、おたふく風邪のテレビ電話が入ると、手際よく早希に指示する麦子。私は結局、これが好きなの、と自嘲する麦子だが、折から類が注文した、駅前の蛇目ドーナツの、少年院上がりのアルバイト鋤田花苗に、お姉さんいつも長いこと悩んでドーナツ選ぶんすけど、その後の笑顔が素敵で、自分仕事続けられるんっす!と励まされれば、折り返しの師長への連絡では、
分かりました今から行きます。
でも、ドーナツ食べる時間だけは譲れないんで、
ちょっと遅れます。
と、ささやかに抵抗する麦子であった。
3 秋 納豆女子の恋愛
婚活サイトで失恋し、失意の真っ只中の陶子に、恋ばなをもちかける陽瑠。レジ打ち帰りのしずは、高校生に慰められる陶子を地獄と評するが、そんな陶子も、陽瑠の「蛇目ドーナツ」の奥さんの不倫疑惑の話には目が輝き、折から柚子の注文したドーナツを届けにきた花苗を拘束し、町内の6人との不倫の事実を突き止める。
その最中に町内会費回収にきた張本人蛇目玲香に、それとなく不倫事実を探る3人がはしゃぐ中、遊びに来ていた美恋に、止めてよと恥じらう類。なんでも、明日から茨城の大学に転勤してしまう教授が好きで、その思いを打ち明けられないと暴露されて恥ずかしがるのだが、玲香は、自分の思いのまま行かなきゃ!と類を励ますと、妙に納得する陶子・しず・陽瑠。やがて、胡桃の助力で教授とテレビ電話で話せた類が、好きです、と思いを告げたとき、悪しきタイミングでニューヨークの早希から、帰国決めたはずのやえがしさんが逃亡したとの速報が。この中断で類の告白は半端に終わると思いきや、陶子の推理で、教授のラストメッセージまで探ることができた時、類は意を決して、茨城に行ってみるという。駅まで時間がない、となった時、少年院上がりなめんな!とばかりに花苗が原チャリ飛ばすから、と背に股がる類に、柚子はポケットに町内会費に渡す予定だった小銭を忍ばせ送り出す。
4 冬 やえがしさんの帰還
大晦日、優の、ネズミのチュー太郎一家を何とかして、の助けで柚子が飛び出し、不在となったリビングに、ひとり忍び込む不審なピンクトレーナーの女性。年越し蕎麦販売を終えたしずと愛から見つからぬよう隠れ、疲れ果てテーブルに寝入る麦子の頭を叩き、住民が集うや再び窓から逃げ出すが、中の様子は気にする怪しい人物。
そこに、ニューヨークから戻り、玉ねぎ加工工事に左遷された早希が戻ると、帰国したらしいやえがしさんの話題に触れるや、左遷はやえがしのわがままに翻弄された結果だという意識の早希は、絶対優しくするな!とおかんむり。そんな中で、2020年最後の遊びに来た陽瑠が、早く入れないと凍え死んじゃうよ、と窓の外を指差せば、なんと、その不審者こそが、やえがしさんだった。
その姿をみるやスイッチオンの早希、やえがしを追い回して詰るが、決して謝ることはしないやえがしさんで、二人は全くの「いちがいこき」。胡桃がその、いちがいこきの意味を教えろと発狂寸前で、優が「頑固者」という意味だと検索したその時、早希が、一緒に過ごすことはできないと荷物を纏めて出る覚悟で、折から年末挨拶に来た蛇目ドーナツ玲香にまで当たり散らかす。埒が開かない二人を見兼ね、柚子は「あっちむいてホイ」勝負を提案すれば、早希がやえがしを下し、泣きの詫びを入れるやえがし。その姿に、私もいちがいこきだと自嘲する早希は、新コロ禍では、実力が足りないのを容赦なく暴かれた、とやえがしだけが左遷の原因ではないことを明かす。その早希を、新コロを言い訳にしただけだと再び一蹴したやえがしさんに、いよいよキレかけた寸前の早希は、彼女がお土産だと持ってきた木彫りの梟の置物を改めて見つめれば、これは、ジョージの手彫りの梟、と見つめる。ジョージとは、やえがしと共通の、入浴姿を覗いた覗かないで仲違いしてしまった友人で、彼はその梟に隠した秘密アドレスに、メッセージ動画を残しており、やえがしに、失意でニューヨークを離れた早希が、捨ててしまった一枚の写真を返すよう託したんだという。その写真はカビて煤け、もはや復元出来ないと思われたが、写真修復士の有資格者の柚子が皆の力を借りて復元すれば、それは早希がニューヨークへ旅立つ直前の、やえがし・麦子・類・平子・しず・胡桃・陶子が映る集合写真だった。勿論、ちょっと半目になりながら映る早希自身も含めて。
この半目を、柚子の加工でパッチリ二重で可愛らしくなった早希に、ちゃんと笑ってください、と願う柚子。その時初めて帰国してから真底の笑みが浮かべられた早希に、新コロで進めなかったなんて違う、一歩進めたのよと諭すやえがしさん。やっとわだかまりが溶けて、ジョージも喜んでいた早希の歌を披露して、とやえがしのリクエストに、超音波のような「佐渡おけさ」で回りを苦しめる早希だが、なんとあのネズミのチュー太郎一家をも撤退させるとは!
これですべての災いが晴れたやえがしの家の大晦日は、いよいよ待望の鍋パーティー、ようやく類からゆずぽんを買ってきてと頼まれた美恋が買ったのは、残念にもごまぽん。でも、食べないとは言っていないわよ、と並んで頬張るやえがし・早希のいちがいこき同士であった。
エピローグ
明けて元日。片付けに早起きの柚子に、同じく早起きの優と愛。愛は、兼ねてからやえがし家に住むことを打診していたが機会を逸していた。そこで、改めて、あっちむいてホイで、愛が住めるかを決めようと柚子が挑めば、なんとわざとらしく愛の誘う方向に顔を向けて負ける柚子。
これで愛は晴れて住人に。柚子は、やえがし叔母が完全復帰した時に、また新たな場所にゆくという。そんな柚子に、優は、柚子さん、いろんな資格を手にしていたのは、実は、
災害ボランティアになるためでしょう?
と言い当てる。そのとおり、柚子は、誰もやっていないことを仕事にしたい一心で働き、やえがしの家の一年ですべてを得られたと喜ぶ。優は、でも、もうひとつ、資格得ましたよ、それは、
女子共同生活お悩み相談2級
であると。そのお悩み相談に救われた面々が起き出した2021年、いい年になるかな?と問う愛に、なるよ!と、明るく振り返る柚子の笑顔が、なんともさわやかなものであった。
・素人のざれごと
上演時間は1時間50分。ただでさえ文才無い小生には、あの芝居を読むだけで笑ってもらうのは無理なんだけど、そもそも、劇だから、あらすじだけ要約すると面白さは伝わらないかもしれないね。さらに、これからあの役者のあのシーンが面白くて、なんてことをやはり書き連ねてゆくけど、これもやはり限界かも。とどのつまりは、
観てみてください
ってことなんだが、いやあ"百聞は一見にしかず"が、今痛切に口惜しいね。
さて気を取り直して、今回小生いつも以上に、作品が気に入ってしまったので、その雑感と出演者さんの素敵だった場面を字数ある限り、とはいっても、ひとつだけになるけど、書いていって、最後にちょもの熱演に触れてゆこうかしらね。
でも、作品についてはツイッター#ガールズトーク2020で、出演者始め、プロアマ諸兄姉の評価が語られていて、もう無条件に同意なので、言うことは無いの。とにかく、登場人物紹介なんかも、いきなりリビングで動画配信する胡桃に、同居人映っちゃって、なんて言わせつつ数人はそこで紹介するとか、逆に、春では、主人公の優がついにマスクを取って、自らを語るか!となったのを、なんとBGMを流して談笑している体で、こちら観客一人一人に想像させるに任せたり、まあ、珍しいやり方ではないんだろうけど、素敵だなって思いました。
新コロ禍の昨年が時期設定なので、時事ネタやその世情も取り入れながら、それを笑いに繋げる台本と、忠実に噛んだり澱んだりも少なく表現する演者達。そうなの、台本部分は小生の記憶の限りでは、しっかり演じられていたと思う。それを、演者の動きやタイミング(間の取り方)などで、台本の笑いをさらに昇華していたのが素敵でした。あと、秋冬の芝居で、テレビ電話を物語のターニングポイントになるシーンにしているのは、演劇的では無いのかもしれないが、これも世情としては相応しい演出でしょうかね。
続いては演者さんの、ここが素敵!
大別すると、
やえがしの家の管理者 やえがし・柚子
やえがしの家の住人で四季の主人公 優・麦子・類(ちょも)・早希
やえがしの家の、主人公を盛り上げる住人 しず・陶子・平子・胡桃
やえがしの家の住人の縁故者や近所者 陽瑠・美恋・愛・玲香・花苗
のカテゴリーで、まずは縁故近所者から始めると、
花苗役の柏木さんの、夏の芝居での、麦子がドーナツ買うのに悩みつつ決めた後の笑顔に自分が癒されることを教えるシーンが、馬鹿にしたような笑いながらも心底麦子に癒されてるんだと伝わる芝居が素敵!
玲香役の鶴田さんの、秋の芝居での、類に説得する姿全般から、あっ、この人だけは、不倫をすることが不倫理(悪)ではないのではないか、と納得させられる芝居が素敵!
愛役の大橋さんの、夏の芝居での、給付金で遊ぶだけと麦子に詰られた時の、好きでそうなった訳じゃない、と抗う時の目の感じや力のこもり具合の芝居が素敵!
美恋役の立石さんの、夏冬の芝居での、買ってくる物を間違えた時の表情が、素なのか彼女は?と思えるくらい自然な表情とセリフ回しだったのが素敵!
陽瑠役の渡邉さんの、冬の芝居での、「紅白飽きたからガキ使見せて」のセリフが、リビング中央のメンバーを軽く見るか、または殆ど見ないままテレビを着ける、すっかり住人と同化している感が伝わる芝居が素敵!
主人公を盛り上げる住人達では、
胡桃役の今川さんの、春の芝居での、芝居始めただ一人、暇だよね~こんな朝っぱらから何人も配信見てるとか、のセリフでの呆れた表情が、芝居開始の内面の緊張とどう折り合いつけていたのか聞きたいくらいで素敵!
平子役の黒木さんの、季節事の転換での、観客がからりと次の季節にリセットできるようなはしゃぎっぷりが素敵ながらも、平子の闇みたいなものを、そうね、梅雨あたりで一作ぜひ見たくさせられたのがまたまた素敵!
陶子役の松本さんの、秋の芝居での、62番としてのリモートお見合い失敗の失意が、蛇目婦人の不倫の話題を陽瑠がささやいた瞬間で、目に好奇のスイッチを宿し、あとはHPが上限越えるくらいに盛り上がっていった、人を幸せにする合コン女王を表現した芝居が素敵!
しず役の高宗さんの、春の芝居で、アベノマスクというワードに、届かなかったね世田谷は、と絶妙な返しで、初演時の小生がどこか少しだけ笑うもんかと構えていた防御の姿勢を完全に崩してくれたことが素敵!
各季節の主人公の皆さんでは、
優役の岡田さんの、春の芝居で、セリフ無き境遇語りの場面での、不安げにマスクを取った表情が、徐々に柔和に解れてゆく様が見事で、さらに夏の芝居での、麦子に負けない頑固さで言い合う姿に、きっと素晴らしい看護師になる未来を感じさせてくれたことが素敵!
麦子役の稲葉さんの、夏の芝居で、看護師長からの電話があった時点で、結局仕事に
向かう結末が分かっていながら、それを確認するためにわざと抗い、嫌な感じで皆に当たる麦子を演じて、小生ホロリとさせられてしまったことが素敵。
早希役の持田さんの、冬の芝居で、左遷されて自嘲しながらも、どこか気位を保って、いつか再び上に立つという眼の輝きを宿していたような姿で芝居しつつ、アドリブと思われる、チャンバラ用のビニール刀でパコパコ演者達をお茶目に叩きまくり自分も楽しんでいたところが素敵!
さて、管理者サイドのお二人は、
柚子役の栞菜さんの、まず全体とおした、背筋をピンと伸ばした姿勢が凛々しい佇まいであったこと。UDA☆MAP3作目の主演ということで、自ら笑いを取るシーン(二重マスク越しで聞き取れないセリフをもっともらしく言う姿など)、受けに回り笑わせた演者を引き立たせるシーン(夏の麦子へのカウンセリングのところ)、最後の最後で誰もかいないリビングを振り返り、ここはもう大丈夫、次に行かなきゃ!と目で語るシーンなど、元はアイドルでデビューしたけれど、コメディ芝居の経験重ねれば、いろんな芝居が出来るんだなあ、と感嘆させられたのが素敵!
やえがし役の宇田川さんの、リモートの画面にさえ出ず、声だけで笑わせるだけでなく、画像フリーズの体で止まった時の後ろ姿だけでも笑わせられたこと、見つからないように隠れる芝居に、亡くなった志村けんさんを思い出させられつつ、早希に、新コロのせいじゃなく自分の実力不足、新コロが私達(人間)に飽きていなくなった時、なにを言い訳にするの?と論破する芝居には、やはり名女優、故樹木希林さんを思い出させられたこと、とにかく台本の言葉を、台本と感じさせずに話していた姿など、もう素敵すぎ!
というように、素人の小生は、先述のとおり、他にもたくさんの、あの人のここが素敵に、恵まれていたわけですが、それは同じように、我らが葉月智子も、先輩のあそこを活かしたい、として恵みとなったことでしょう。
ちょもちゃん、あなたの4作目の、死という重いテーマから離、でもコメディという、死より難しい作品での熱演、まずはお疲れさまでした。今回は、ちょも自身が、笑いを取るようなセリフを発したり、一番難しい突っ込みや受けで笑いを取ったりがなくて、あくまで去りゆく教授に好意を伝える姿を表現する役回りだったのは、これで良かったのかな、なんて安心しています。
台本の言葉を、我々がちゃんと笑うように演技で表現するって、いやあ難しいんだなって、素人目にも分かったもの。間、タイミング、時にアドリブ交えてってのは、キャリアをある程度積まないとならないんだろうね。そこは、諸先輩方に任せて、その分、納豆菌培養にくそ真面目に取り組む垂直類が、不器用に教授に好きであることを伝える姿は、おぢさん初演では、ええっ、あんなタイミングかよ~って、陽瑠や陶子と同じように突っ込んだくらい、類の不器用さを表現したちょもに、素敵!を送ったよ。折しも、
また7月に、
新たな舞台
アンダーグラウンド・アンソロジー
が、またこの池袋KASSAYで、
決まったじゃない!
どんな作品であろうと、ちょもが決めた表現はこうなんだ、ってのを感じられる喜びを、また味わうことが出来ることを願っていますよ。そして、いつかは、今作の諸先輩方のように、ちょもが、おぢさんに笑いをもたらしてくれることを、楽しみに待っていますよ。