【雑感】アメフラっシ 愛来 舞台「さよならの幕明け」(10/8)

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ありゃりゃ、観劇してからもう2週間も経つのね・・・。月日は早くて忙しいなホント。ゆとりがあれば、本来この作品の宣伝記事で、

悲報 愛来 

さらなる汚れに堕ちるT_T

なんてネタでひと記事稼ごうと思ったのに、というくらい、またまた愛来にとっては、自ら知らない世界を表現することに苦悩して良い経験を積めただろう舞台作品だったので、ざっとそれを書き散らかします。

今作は10月6日から10月10日まで、中野は、

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ここテアトルBONBON(写真すら取り忘れて拾い画T_T)で上演。出演者は愛来含む12名(劇中1名がダブルキャスト)の女性で、脚本と演出は、中野坂上デーモンズというところの松森モヘーさんという方。時間は約1時間40分弱の、とある高校演劇部の物語で、その大まかな内容は、

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―演劇大会が中止となった後に、追いうちをかけるように部の憧れ的な先輩が死亡した演劇部は、3年の部員6人と2年の部員4人が、今後のことを話し合い集まっている。進学、アルバイト、やる気の喪失など、バラバラな3年たちは口論も絶えない。それを、死んだ先輩・あゆみが霊という形なのか、傍から見ていると、部長の清水が、大会など関係なく芝居をやるんだ!と熱を見せるが空回り。清水には、あゆみはかつて校内の桜の木の下で、顧問の早川と付き合ってることを告白し、そしてあゆみはその桜の下で服毒して死んだ。そこで清水があゆみのことを思っていると、3年の岩木・安藤・新井・円城寺が集まってきて。芝居をしようと一致すろ。そこに、部室が荒らされてると後輩に呼ばれた清水たちは、3年だけが暗証番号を知るという金庫のお金が盗まれていることを、先に部室に来た三並から聞く。そんな状況にもかかわらず清水は芝居をやると宣言。霊のあゆみは、そんな清水を応援するとともに、盗んだ犯人も知っているとつぶやく。演目は「ロミオとジュリエット」に決定し、そこから稽古に明け暮れる毎日で、霊のあゆみもかつて自分がジュリエットを演じたことで懐かしく、あの名セリフを演じると、岩木には、あゆみが見えているかのように演出をつける。

迎えた本番当日の誰も居ない楽屋。三並が全員に栄養剤を配り、あわただしく準備に走る2年生。3年は、最も仲が悪かったロミオの新井と、円城寺が和解。ジュリエットの安藤は、終わったら清水に話があるという。他方岩木は、なにかいる?といいまさかあゆみ?しかし、そうではなく足元にはなぜかタピオカが一粒。それが亡霊ろは悪い冗談だが、霊感の強い2年の土居も、私この前みました、と話すが今は舞台直前。その楽屋が不在となったとき、円城寺が戻り新井の座っていた鏡の前の栄養剤を自分の手持ちと取り換えようとすると清水が現れる。円城寺が戻るとあと1分。清水は疲れたといい、新井の机の前の栄養剤、そう円城寺が取り替えようとしたその瓶をあけたときに、スタンバイのはずの岩木が来る。飲み終えた清水が、もう始まるよ、と岩木を促すと、岩木がなぜか、それでは始まらないよ、と言ったその時、清水が突然血を吐き倒れ、私は、このまま死ぬのか!?

清水が気が付くと、そこは本番前の楽屋で三並が栄養剤を配り終えたところ。清水は自分が死んでいないこと、さらに本番直前の同じ光景に不信を覚えるが、顧問の早川の辞めた話は前には無かったこと。微妙な違いに、岩木が極めて明晰に、清水はあの時毒を飲み血を吐き、でもまた同じことを繰り返してるという別世界に居ると言い当てる。そしてなぜそんなことが起こってるのかは、清水が何かを思い出せていないからと指摘する。早川のことだけでなく、土居がみたもの、部費を盗んだ犯人、タピオカのこと、そしてあゆみの死の原因。それはあゆみも思い出せないというが、ひとつずつ解決すればいいと言う岩木の言葉で、まずは部費を盗んだのは安藤であったことを突き止める。その原因はなんと顧問早川とい付き合い、彼との子を宿して中絶するための費用として盗んだということだった。他を突き止める前に清水が再び服毒して死んでしまうループを繰り返したので、3度目の本番前の楽屋が始まると、今度は、あゆみが死んだ原因が思い出される。それはなんと、清水が、あゆみと別れたという早川の言葉を受けて彼と桜の木の下でキスを交わしたのを観たからだという。一向に覚えがない清水だが、それは残る二つを思い出せばわかるということで、本番前の土居を問い詰めると、土居が見たものというのは、床に落ちているタピオカに導かれるように追うと、その先には、足から下が無い清水の姿、そう、まさに霊そのものの姿であったというのだ。つまり清水はうすでに死んでいて、そかもその死はあゆみよりも先だというのだ。そして謎が明らかになって、あゆみは、清水は、私が、タピオカに毒を含ませて殺したと告白する。あゆみは、自分と別れて安藤を妊娠させ堕胎に10万円かけた早川を脅して、親密になった清水を殺して死体処理も手伝わせたのだ。そしてあゆみも後を追うべく自ら死んだ、というのが真相だった。あゆみは清水へ悪意を持っていたが、それに劣らぬ清水への愛。演目のロミジュリとは動機こそ違うが、同じ結末を迎えた二人は、桜の木の下で永遠に、ロミジュリの稽古に励むことだろう・・・(完)

ど、どうですか、土居先輩?と、あゆみは恐る恐る土居に問うと、同じく先輩の、津田・岡井・玉田たちは、脚本はまあまあ、毒のくだりが分かりにくいとの評価。岩木はキャラが違いすぎ、新井は怖すぎ、円城寺はわがまますぎ、三並は髪の色が金色すぎ、安藤は可愛いすぎ、と4人の先輩の評価は厳しい。それでも地区大会はあと少し、これで行くなら、主役の清水に、お前が引っ張れと励ます土居たちは、さあもう一度頭から行くよ!と後輩の、あゆみ・清水・新井・岩木・安藤・円城寺・三並らに、返事!と命じる津田。以上11名の演劇部が揃うが、ふと岡井が(小道具の)桜は早いよまだ、と後輩に言うが、全員ここにいますと言う6人。玉田が、は?と問うが確かに後輩も全員揃っているのに、誰が桜を振っらしているのか!?岩木が、なんかいる!?と震えると、清水は、これ、やっぱ怖い話じゃん!と戸惑った。

最後の部分で、劇中3年生だったメンバーが実は2年生だったというオチは、いわばお遊びみたいなもので、あくまで本編はあゆみが清水を殺めて自分も自死したというところまでと考えてよいだろう。愛来のほか、秋田知里さん、飯塚理恵さん、星波さんと、いま苦境に立たされている「五反田タイガー」の作品でお馴染みの役者さんが居て、彼女たちが同級生を、というか普通の人間を演じていることがまず不思議だったwww。小生が観た作品は、蜂とか蟻とかキリギリスとか蜘蛛とかだものwww。なかでは星波さんの、勝ち気なちゃきちゃきな江戸っ子って感じの演技に惹かれたな。単に年齢的な貫禄以上の、説得力ある強さでした。秋田さんも、清水が毒を飲んではまた本番前へ、のループのときの、別人のようにシャープな岩木を表現していたね。

我らが愛来は、安藤を演じたんだけど、これが、本編で、顧問の早川の子を宿して、そのために部費に手を付けるということで、これが、彼女の前作になる「浦安鉄筋家族」で、犬の糞を踏むという汚い役から、文字どおりの「汚れ役」に堕したんだけど、もちろん愛来自身はそんな体験はしたこともないわけで、当然演出の演技プランを忠実に表出したんだろうが、この辺本人には、絶対体験しえない役を自分ではどう捉えて帆読みから稽古に臨むのかを聞いてみたいね。部員全員の集合のシーンから、最後の独白のところまで、終始怯えと後ろめたさを抱えたままの表情なのは当然として、なかで、手を軽く握りしめて堪えたりなんかのい仕草は、演出かがつけた芝居なのか、あるいは愛来オリジナルの表現なのか?やはり気持ちを表出できない役こそ難しく、それが演技力を高めてゆくだろうから、愛来にもプラスだったと思うな。

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その愛来と、劇中は仲の良い役だったのが、円城寺役の春咲暖(はるさきのん)さんで、この春咲さんが、次の観賞記のメインの有沢澪風・澪風ちゃんと「アサルトリリイ御台場女学校編」で、親密な間柄の役を演じていたのも感慨深いね。春咲さんも、元は「A応P」というアイドルグループの一員。今作では、新井に嫉妬して、栄養剤に仕込んだ下剤を飲ませようとするが、和解してそれを止めようとするんだけど、それを清水に飲まれてしまう、という役どころを自然な感じで演じていたね。

そして、ダブル主役の、藤あゆみの辻千恵さんと、部長・清水のトミタ栞さんは、飛び抜けてビジュアルが、って訳ではないのが、リアルに演劇部の優秀な生徒って感じにピッタリだったのがまず印象的。そしてこれまたお二人とも、感情を高ぶらせたりする方ではなく、どこかクールな感じだったのが、却って、顧問と平気で関係したり殺してしまったりをできるのかもしれない、なんて想像させられたね。それもそのはず、それぞれ27歳と28歳という、高校生には10も実年齢が上なわけで、だからこそ、高校生に見えるよう表現をしていたわけで、この辺も愛来なんかは、ビジュアル的には10年後も高校生役はいけるだろうけど、表現者としてはそれをできるか?は今後の精進によるんだろうな。その点でも、今回もこうした年上の役者さんの役作りを目にできて、それを次のオファーが来た際に、活かせたらうれしいね。

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