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有沢澪風 舞台 トレーディングライフ(5/13 5/20)

自分の人生を換金して賭けに勝ち、

新たな人生を獲得してやり直さないか?

 スターダストプラネットの3Bjunior内ユニット・はちみつロケット解散後は、スタダの声優部に移籍し、活動名も、それまでの名前に苗字(本名か否かは小生には不明)を冠したものに変えて心機一転を諮った、

有沢澪風

その澪風ちゃんが、ここ、

シアター・アルファ東京で5/13から今日5/22まで上演された、

トレーディングライフ 

に出演。小生は、元3Bjr所属メンバーのエンタメ活動は、映画や演劇は公演中最低一度は出来る限りで観賞する、というスタイルなので、当初は初日を見たのだが、この作品、

あと一回は観ないと!

 となり急遽5/19のマチネも観にいった次第で、今ちょうど大千秋楽上演中の中フライング観賞記を掲載。

(作品概要とあらすじ)

制作はピウスという会社で、作演出が広瀬格氏。いつもは小生、とくに制作会社とかは関心なくてスルーしているし今後も基本それは変わらないんだか、今回だけは、澪風ちゃん含めて、座組が、あれ?なんか前に観た作品でかなり被って出演している人多くね!?ってなったので、まあ、それでも軽くググった程度だけど調べたら、どうやら、その以前観賞した作品、

アサルトリリィ・御台場女学院

を手がけた会社さんだった模様なのね。今作12名の役者さんのうち、澪風ちゃんの他、

あわつまい
北澤早紀
西葉瑞希
白石まゆみ
広沢麻衣
吉宮瑠璃
(敬称略50音順)

の6名が、御台場女学院に出演していて、さらにそれ以前の作品にも、桜井理衣さんの出演をウィキペディア上でも確認できたので、演者12名中8名もリリィ関係者w。でも、アサルトリリィを2.5次元(半実写半アニメ)的作品と捉えている小生には、白石さんを除いた皆さんの、3次元での現実的な姿を見ることができたのが、まずなによりの収穫だったねw。西葉さんなんて、負けない船田姉妹のお姉さんとしか認識できないところだったわw。
がしかし!
今作は、確かに大枠の設定自体は、アサルトリリィ同様に、ありえないフィクション・ファンタジーではなあるんだけど、人間の汚さや黒さなど、欲望渦巻く、悪いとされる感情が露にされる、極めて現実的な作品であり、小生は観終わってからは、どのキャラクターにも大なり小なり同調意識を覚えたよ。それは、やはり記事冒頭に書いた、

自分の人生売ってやり直せたら

という思いは、割と小生は妄想することも多いことなのでね。それで足を2回も運んだ次第です。
あらすじは、一応、北澤さんと佐々木優佳里さんというAKB48のお二人が演じる、OL浅野ひかるとその高校時代の同級生の神尾美里が主人公で、冒頭、ひかるが会社で横領の罪を背負わされ絶望のあまり遮断機を渡ろうとするところを美里が止めて、「人生を売ってやり直さないか」と持ち掛けて、そのゲームの舞台である虚会(うつろかい)に出向く、という感じで始まる。他には3組の参加者があり、ギャンブルで身を持ち崩し借金を負う、西葉さん演じる片柳初奈とその借金取りで強制的に初奈を連れてきた新井摩耶(沖なつ芽)のペア。数々の会社を成功させて財をなした、あわつさん演じる財津伊織と、吉宮さん演じる妹の歩美ペア。遺産を食いつぶしながらも悠々自適な、広沢さん演じる桧垣希帆と、その友人で途中オカルト雑記記者だと自称する佐藤百合子(生田輝)のペア。この4組を迎え入れる、虚会の主宰側には、祭主で進行役の泉五十鈴(伽代子)、勝負の決着はインディアンポーカー(以下ポーカー)であるので、そのディーラーを担う、桜井さん演じる宮永マリア、進行のアシスタントの、白石さん演じる笹本環。そして、澪風ちゃんが演じたのが、泉に「ウツロ様」と崇められる、巫女のようないでたちの女性、の4人が待ち構えており、1時間を1ターンとして、美里・新井・歩美・佐藤の4人がベッター、ひかる・片柳・伊織・桧垣の4人はプレーヤーとなり、ベッターはプレーヤーの話を参考として、プレーヤーの換金する人生と掛金を決め、プレーヤーはポーカーの勝負を行う。1時間を1ターンとして勝負をつけて、最後には、ウツロ様が、ご神体というパワーストーンに力を込めるのか、あるいは力を吸収されてしまうのか、プレーヤーの換金したとおりに人生が変えられるのである。前半の4ターンまでで、例えば、ひかるは自分の英語力と大学時代の4年を、片柳は農地を残してくれた祖父を、伊織は文学賞を受賞した高校時代を、桧垣は音楽的能力を、それぞれ喪いそれらの記憶をなくすのである。

2巡目に入り、ベッターの役目を終えた佐藤が、取材と言わんばかりに他の参加者の部屋を行ったり、放心で休むウツロ様に話かけたりするのをきっかけに物語も動く。伊織が妹の歩美を換金すると歩美に命じると、その歩美を親しみこめて見つめていた片柳が、実はあなたは私の妹なの、と驚きの告白をする。片柳によれば、このゲームでは人生を買い戻すことができるとルールに定めがあり、そして本来虚会参加者は、ゲーム後に渡される薬を服用して、会での記憶を一切失うのがルールだが、これも一定額を収めることで、記憶回復も可能とルールにあるのだ。その権利を行使して片柳は本当の妹の歩美を伊織から遠ざけて、ついに歩美にも姉である記憶をよみがえらせることに成功する。そして美里もまた、その片柳だけでなく、伊織・桧垣も、過去の虚会の参加者であり今回換金した人生自体が、その時に得た人生であること、そして自分も去年の虚会に、やはりベッターとして別のプレーヤーとともに、ある目的のために参加していたこと、さらに一番衝撃的であるのは、ひかる自身もまた去年は別のベッターと組んで参加していたプレーヤーだったことを告げたのである。英語力は失ったが、それなりの財産も成して最初は有頂天だったひかるも、本当の自分が失われることに恐れを感じ始めていた矢先に、自身も覚えていない事実を美里に聞いて、願いは自分の本当の人生を取り戻すこととなり美里に託す。

ゲームが佳境となった時、佐藤が皆の前でウツロ会の秘密に切り込むと、五十鈴は隠すまでもないこととして神体のことや、1年ごとにウツロ様を代える必要があることを話す。そのためなのか、徐々に言葉を発するウツロ様。その彼女を、実は黒瀬史花で私の友人だと言うのは美里で、ある目的がまもなく達成するから待っていてと励ます。そして、美里や片柳の目的に加担していたのは笹本環であることも明かされて、ゲームの結末と同じく、それぞれの狙いの当たり外れも近づいてゆく。

10巡目、妹とされていたベッターの歩美が片柳の妹となり、復讐として財産の多くと、地味で冴えない他人の人生をあてがわれて逆転を狙いたい伊織と、楽しい人生だけがみたい桧垣が一騎打ちとなり、このターンでどちらかが破産者となることが確定する。ともにポーカーはコールを選択して、結果は桧垣が勝ち伊織は破産して、次期ウツロ様となることが決まった。残った勝者3人は換金により途切れた時間を埋めたり、戻したい人生をやり取りする場が与えられるのだが、その場で美里は、自分の人生を戻したいと願うひかるに対して、桧垣が換金した恋人と楽しかった時間をひかるに買い戻すことを依頼。それはひかるの望んだものではないのだが、美里はひかるに謝りつつ、それこそが真の目的だったと白状する。美里は、その恋人との時間を捨てたくて前回の虚会に出て換金したのだ。実は、その恋人は何者かに殺害されたのだが犯人は不明のままとなり、その妹である美里が、恋人だったひかるが犯人ではないかと追う過程で、友人の史花の協力で虚会に参加したのだが、史花を破産させて、ひかるの換金も止められず逃げられてしまい、惨敗したというのが真相だった。環の支援で、本来ひかるの人生だった恋人との時間を買った桧垣を再び参加させたのも美里で、ついに新ウツロ様となった伊織の儀式で、恋人が存在した人生を戻されてしまったひかるは、彼を殺した人生と記憶が繋がってしまう。しかし美里の心は、ひかるに近づいたものの、本質は駆け引きが下手でお人好しなひかるに、親近感のような思いも持ってしまい、歪んだ表情で、ここを出て記憶が無くなっても、必ず見つけて殺してやると言うのが精一杯だった。

他方、ディーラーの宮永は、佐藤を虚会に呼び寄せた黒幕で、その佐藤は実はある国のスパイで、虚会そのものを国に攫ってくるよう宮永と渡りをつけていた人物で、宮永は五十鈴にナイフを向けて神体を奪おうとするが、背後から銃撃により殺害される。撃ったのは環で、彼女こそ実は祭主であり五十鈴は従者であった。宮永の企てをいち早く察知してのことだが、美里や片柳らの私怨と組合わさり、今年の虚会は最高の祭りだったと満悦。宮永の後釜として有無を言わせず佐藤を招くと、囚われの身ながらも好奇心一杯の目で受け入れた佐藤で、閉会時に薬を飲まず、環に記憶を買うと言ってきた新井に、さっそく招待状を渡す。果たして、次の虚会には、どんな人生を換金したい者が集まるのだろうか?

(所感雑感)

先述のとおり、ありえないファンタジーに突っ込み出すという野暮は論外として文字を進めると、劇前半は、そのまま虚会のゲーム前半で、もちろん筋書きで予め誰が何番のカードを引き勝つのかは決まっているとはいえ、純粋にゲーム自体を楽しめるスタイルが小生的には新感覚で良かった。北澤さんが英語力を失った後に、トランプのA J Q Kがわからなくなったり、コール、や降りのホールドをホードルと言い間違えたりは素朴に笑い声があちこちに起こったよね。初日カテコ挨拶では、北澤さんの方がこうした所の笑い声があってホッとしたってあり、むしろ演者さん達の方が手探りだったのかもね。
中盤からはゲームから、ストーリーの進行に我々の興味を移すような展開も冗長になりすぎずで素敵だった。ここから、これは後で回収される伏線張りだな、とか続出で、もちろん後に答え合わせでなるほど、は得られるんだが最後の最後のどんでん返し部分は、小生には盛りだくさんすぎて初回観た後は消化不良気味、2回目観て台本も買ってみての納得部分が概ね得られたかな。先述のとおり、ひかると美里の話だけではなく、財津姉妹と片柳の関係、佐藤の動きとかもあるから、スピンオフの前後ストーリーを勝手に妄想する小生がいつものように自家中毒起こしただけかもしれない。やはり、最後次に参加する気まんまんの新井の心理とか、桧垣の本当の人生推測とか、気になるものね。
あと、これからも小生は、やはりあの人生を無くしてあっちにしたい、なんて妄想はし続けるだろうけど、でも、ひかるが、自身の殺人は別としても、地味で平凡だけど自分の人生が良い、ってのが、結局はそうした過去が自分の人生になっているわけで、人の人生買ったり乗っ取っても幸せは無い、ってのは受け入れざるを得ないかなあ、なんて諦めつつも、でもいつか、俺もプレーヤーとして招待状を待っていますんで宜しくw.。
役者さんでは、今回はこの人、

あわつまいさんを特筆だなあ。元々作品内の主役よりは異端者キャラクターに注目の小生、だいたいそれは悪役や敵役と相場が決まっていて、今作は文句なく、横柄で自己中心な財津伊織がそれなんだけど、動きがピッ、ピッって感じがまさにそういう人物っぽく見せてて素晴らしかった。下顎を上に上げる挑発的な仕草も良いし、華奢ながら声も張りが12人中上位で聞ける。もっとも虚勢張るって面もあれば、声は大きいのは当たり前かも。一方、ベッター(歩美)なんて要らん、自分で勝ってやる!と皆の前では強がるも控室での、ディーラー不在を嘆く姿なんかの表情とかも素敵。そしてウツロ様になった後の無と、ご神体に手を添えて苦悶の表情を浮かべるのは、それを何度もしてきた澪風ちゃんとはまた違い、白目むかんくらいの表情は痛いくらい伝わったわ。アサルトリリィでは正直役どころさえ忘れてしまったんだけど、いやあ今作で本当に認識できたわ。愛すべき悪役万歳!

(澪風ちゃん)

澪風ちゃんは前半は、ほぼノーセリフで、先述のとおりご神体に手を添える時の苦悶の表情と、虚脱感だけを表現する芝居で、まあ、もちろん演出の広瀬さんの教示はあったにせよ、これも手探りだっただろうな。どう苦痛を観ている我々に伝えるか、で稽古も上演中も悩んだと思いたいね。黒瀬史花に少しずつ戻るところでは、美里を見る目にも感情は宿せないし、でも、終わり近くでウツロ様の役目を終えた後は、微妙にそうした表情も変えないといけないだろうしで、小生は後方座席だから間近には見られなかったが、どうだったかしら。あと、車椅子に乗ったり、白石さんや桜井さんに介抱されてと、ダンスの良い澪風ちゃんだけに、動きの少ない「静」のシーンが多かったのも初めてだったかな。

澪風ちゃんは、自身の2作前になるか、観賞記書けなかったけど、昨年暮れの劇団爆走おとな小学生の「ハローハローポピーポピー」という作品で、いわゆる知的障害的(発達障害かもしれない)少女役で、親代わりのように慕う人を助ける一心で悪人にナイフだっけかで立ち向かうシーンがあるなど、自身は体感できないたろう役に向き合ったんだけど、あれ以来の苦労だったんじゃないかしら?声優という二次元のキャラクターの表現者を所望する彼女ではあるけれど、いやいやこうした苦労こそ、声優に活きるでしょうと、素人は励ますしか出来ませんが、とにかく大変な10日間だったと労いたいと思います。今日発表で、またまた舞台ながらも次作を楽しみに待ちます。









 

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