短編小説『死体リサイクル計画』
2054年、自給率0%西暦2054年、日本は滅亡の危機に瀕(ひん)していた。
2020年代から、自国優先政策をとり始めた世界は、他国との安全保障よりも国内問題に追われていた。自由主義陣営のアメリカも欧州連合(ユーロ)も、台頭してきた右翼勢力に政権を奪われようとしていた。共産主義陣営のロシアと中国も、国内の反政府勢力との内戦に苦しんでいた。経済力の衰えた日本は世界から見放され、食料の自給率は0%に陥り、救いの手を差し伸べる国はなかった。
2020年代末期の日本は、世襲でしか