「絵本の読み聞かせ」って何がいいの?得られる効果とは?
「絵本の読み聞かせ」っていったい何がいいんでしょう?どうして子どもにいいとされるのでしょう?
「心を育てるのにいい」から?「語彙を増やすのにいい」から?「国語力がつくから?」「芸術的センスが養われるから?」
確かにどれも当てはまります。
長女の時から数えると絵本の読み聞かせを始めて13年。
最近になって思う事があるんです。
それは、絵本を読み聞かせると「自分の中にある感情に意識的になれる」です。
私の勤めている会社では「メンターメンティー制度」といって社員は誰でもメンターを指名して業務やいろんな事を相談できる仕組みがあります。
まぁ、私はとにかく、モヤっとしたことやふわーっと感じたことをざっくばらんに相談するのですが、それを聞いてメンターが「それは〇〇って感じたんじゃない?」「そこにモヤっとくるのは〇〇を大事にしてるからじゃない?」なんて言うふうに言語化をしてくれるんです。
改めて、言語化されると、それを聞くだけで自分の感情の実態がわかり、スッキリしたり、ホッとしたり、頭の中が整理されていくんです。
皆さんも友人に悩みを聞いてもらって、言葉にしてもらったり、自分で言葉にしていくうちに、ホッとしたり、気持ちがスッキリして元気になったりしませんか?
あ、この感じ。
心理学の世界では「感情ラベリング」とも言われるらしいのですが
もしかしてまだ言葉や語彙が未発達な子どもたちが絵本を読んでもらってる時に、これをやってる?と思ったのです。
絵本を読んでもらう
↓
擬似体験をする
↓
子ども自身の中に感情や感覚が生まれる
↓
でも言葉に言い表せない
↓
絵本の中で主人公などが言語化してくれる
↓
ほっとする。すっきりする。感情の実態を知る。
↓
その体験を共有する
これは聞き手と語り手双方にとってはかなり癒しになる営みだと思うんです。(語り手も一緒に体験を共有しているわけですから)
もちろん、全ての絵本がこうではありません。
でも、子どもの心の深いところに触れるような作品は上に書いたような役割を担ってくれているのではないかな。
良い絵本とは何か。
これを聞かれたら、私はこれまでも「読み終わった後、心がホッとする、満たされる気分になるものではないでしょうか?」と答えてきました。
世界中で長く語り継がれている「良本」と
言われている絵本たちは特に
・扱われている内容が普遍的
・感情の言語化が多くの人にとってしっくりくる(だから翻訳もとても大事)
・感情や情景の質感を伝える絵がしっかりしている
そんな法則がある。
もちろん、知るため、場を盛り上げるため、
色んな目的の絵本もたくさんあります。
でも、ぜひ皆さんも何冊かに一冊は
心がホッとする、満たされる本に出会って
できれば誰かと共有する時間を味わってほしいと思います。
これは余談ではありますが、
うちの娘達は感情ラベリングがうまくなって、
話せるようになってからは
「〇〇ちゃんはこういうことで〇〇と思って怒ってるんだよ!」と言ってくれていました。
だから親子関係においてもお互いに何を思ってるかわからない、
といったフラストレーションはたまりにくい関係性が築けていると思います。
思春期まっただ中の長女や次女も、いまだに
「〇〇されると(感情が)〇〇になるから、嫌なんだよね。」と
はっきり言ってくれます。