
来年こそ富山の全日本チンドンコンクールへ行きたい
楽しみにしていた全日本チンドンコンクールが中止になった。
富山県で毎年4月上旬の土・日曜日の2日間にわたり開催されている全日本チンドンコンクール。全国のチンドンマンが趣向を凝らした演技で優勝を競い合うとともに、市街地に繰り出しチンドンパレードを披露する富山の一大イベントである。本来ならば今年2020年で66回目を迎える予定であったが、新型肺炎の影響で今年の開催は見送られた。私はこの日のためにCanon EOS kiss Mのミラーレス一眼レフを購入していた。ビックカメラに3回足を運んで、どうしよう、買おうか、諦めようかと迷って、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで、6回の分割払いで買ったのに。
新しいカメラでリベンジしたかった
一昨年の2018年にチンドンコンクールに行ったとき、日曜日のコンクール決勝戦当日に、持って行った一眼レフカメラのCanon EOS Digtal Nが壊れてしまった。決勝戦会場の最前列に陣取ってカメラを構えたものの、フォーカスが効かない。シャッターは押せたのだが、撮影できた画像を確認するとピンぼけ。原因は予測がついた。土曜日に大通りでオープニングパレードが行われるのだが、その日は4月にしては珍しいみぞれまじりの雪が降っていた。はじめてチンドンコンクールを目の当たりにして、すっかりチンドンの華麗さに魅せられた私は、カメラが濡れるのもおかまいなしで、バシャバシャ激写しまくっていたのだ。結局、肝心の決勝戦とコンクールの最後を飾る大パレードはピンぼけ写真ばかり。翌年2019年は予算の関係で一眼カメラが購入できず、今年2020年は満を持してのミラーレス一眼とチンドンコンクールであったのだ。
<<↑長崎のかわち家↑>>
チンドンは伝統芸能であり様式美の世界
それにしても、ちょっとしたグロテスクさと滑稽さを期待してチンドンコンクールに行ってみたのだが、見事に予想を裏切られた展開であった。チンドンは壮麗だったのだ。しかも失礼ながら、意外なことに美男美女が多い。変な格好をしていると「チンドン屋みたい」という言い方をされるが、実際のチンドン屋さんの着物は季節のモチーフを取り入れたり、チームで色のバランスを絶妙にコーディネートしたりして、和の伝統美が備わっている。
参加チームの中には「新しいチンドンのありかたを目指すニューウェーブチンドン屋」的なパフォーマンスグループもあるが、何年も通っていそうなチンドンコンクールマニア的な追っかけ軍団に取り囲まれて写真を撮られていたのは、昔ながらの正統派のチンドン屋さん。チンドンは古典芸能であり古典技能で、ひょっとすると歌舞伎や能あるいは相撲にも通じるものがあるのかもしれない。
<<↑東京のチンドン芸能社↑>>
世の中を明るくする底知れぬポテンシャル
特に人気が高く、私も気に入ったのは優勝を果たした長崎のかわち家と、この年は惜しくも優勝は逃したが、優勝常連の東京のチンドン芸能社。立ち居振る舞いの流麗さと、そにいるだけで回りがパーッと明るくなる華のある存在感も軍を抜いていた。
決勝戦でかわち屋が優勝した際のインタビューでチーム一番の若手の女性が「嬉しいです。もうしばらくは練習しなくていいと思うと、本当によかった」と涙を流して語っていて、隣にいた親方に舞台上でたしなめられるという一幕があった。恐らく、そのくらいチンドンの練習は大変なのであろう。
はじめて行ったチンドンコンクールで、ようやくチンドン好きの入り口に立てた感じ。ああ、もっと知りたいし、もっと見たいチンドン屋。それにミラーレス一眼レフCanon EOS kiss Mで激写しまくりたい。来年こそは行けるといいな、いやきっと行けるよと希望の火を小さな胸に灯すのであった。
<<↑東京のチンドン芸能社>>
<<↑東北のダースちんどん隊↑>>
いいなと思ったら応援しよう!
