不登校だったけど今は幸せに暮らしてる35歳の話⑥
学校へは行かなくなっていたが、Nちゃんという友達がたまに家に遊びにきてくれていた。
Nちゃんとは同じ年に保育園に入園して、小学生の時も同じ習い事をしたり、よくお互いの家に遊びに行ったりしていて仲が良かった。
中学に入学してからも1番仲が良かったのはNちゃんで、学校に行けなくなった私を心配して家に遊びにきてくれていたのだ。
2年生になって1〜2ヶ月で学校に行かなくなったが、行かなくなってしばらくしてNちゃんが「今度宿泊学習があるから一緒に行かない?hanaちゃんが来てくれたら嬉しいな」と誘ってくれた。
誘われてすぐは、絶対行かない、そんなの行けるわけないと断っていたが、Nちゃんは家に遊びにきたときや時に電話で、根気よく誘ってくれた。
その熱意に負けて、宿泊学習に行くことにした。
その時はまだ、学校にまた行けるようになるかもしれないという希望があったのかもしれない。
同じ小学校出身の女の子とはまだ仲が良かったので、宿泊学習はなんとか乗り切ることができた。
でもやっぱり、隣の小学校出身の男子、特にAがいる空間はとても息が詰まった。
やっぱり学校は行けない。
宿泊学習に行った後はまた家に引きこもっていたが、一学期が終わる頃、テストだけ受けに行くことにした。
テストを受けるからには教室に入らなければならないが、普段通りの私で入れる気がしなかったから、髪を染めていった。
少しでもナメられないように、せめてもの抵抗。
それが仲の良い友達を除いたクラスメイトと会った最後の日になった。
それからはまた家に籠って、たまに母とドライブに行って、という生活をしていた。
私の人生終わったなと思いながら。
そんな折、母が雑誌である学校を見つけた。
フリースクールのようだけど、フリースクールではない、高校受験のための予備校みたいな学校。
そこに行ってみないかと言うのだ。
でもその学校は私の実家から通える距離ではなかった。
そこに行くとしたら、一人暮らしか下宿するしかない。
中学2年生だった私は悩んだ。
高校生から寮生活というのは聞いたことがあったが、中学生で実家を出るというのは聞いたことがないし、中学生とはいえまだまだ親に甘えたい年頃。
でもその学校に行かなければ私の未来はない。
決断するまでにそんなに時間はかからなかったと思う。
私はその学校に行くことに決めた。