人権と自然の南風その2 パラグアイ〜アルゼンチン〜イグアスの滝

2013年に就任したアルゼンチンのイエズス会士フランシスコ教皇からラウダート・シという回勅が出された。地球に存在するあらゆる生命の家族的な繋がりと環境的回心、弱い者、貧しい者、追いやられている者の尊厳や人権、人身売買の放置や奴隷状態の搾取等への断固たる反対とそうした運動への促し、自然との共生と自然と共に歩む社会と人々への崇敬、生命と宇宙に開かれた開放系の社会と文化への招きなどなど盛りだくさんだ。しかし、こうした言葉の全てがこのイエズス会宣教師がグアラニー族と共に実践したユートピアの具現性から来るのではないだろうか。
そんなイエズス会とグアラニー族の実践的なユートピアを物語る赤茶けた遺跡群が、パラグアイ周辺のイグアスの滝を囲んだアルゼンチンやブラジルに点在する。
ほどなくして、パラグアイを出てイグアスの滝の周りを巡りアルゼンチンを通ってブラジルのパラナに入ることにした。
まず、そのルームメートとグアラニー族の女性に別れを告げた。ルームメートは引き続き日本人の元彼女が現れるまで、そこをぶらつき続けるといる。国境を超えてアルゼンチンに入りイグアスの滝の近くに宿を取った。アルゼンチンに入るとヨーロッパ系の白人ばかりで、先住民的な様相の人には会わなかった。アルゼンチンこそ先住民の血を引くマラドーナが世界の英雄として、サッカーの神の子として君臨していたので意外だった。
イグアスの滝は世界中の水という水を一回そこに集め、一気に吐き出しているのではないかと思わせる程の水量と勢いだった。
水飛沫を全身に浴びながら、まさに濡れ鼠のようにイグアスの滝周辺を這いずり回った。やがて滝の下の方に下って行くと、地球の中心に吸い込まれて行くようだった!

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